第87回選抜高校野球大会(毎日新聞社主催)が21日開幕する。県内からは2年連続5回目の神村学園(いちき串木野市)が出場、活躍が楽しみだ。 3月は卒業式や人事異動など別れの季節。昨春は県立大島高(奄美市)も悲願かない憧れの大舞台に立った。優勝した龍谷大平安から2桁安打の堂々たるプレー。しかも大高生や卒業生らの応援は日本一に輝いた。神村、大高ナインも卒業生もセンバツの舞台に立てたのは、保護者や同窓会、地域などの理解と支援があってこそ実現したことや、感謝の心を忘れずに卒業していってほしい。
大高に限って言えば、練習環境や費用など奄美という離島の厳しいハンディを乗り越えた初の甲子園は、学校関係者の一生の思い出だろう。大高と直接関係はないのに実に多くの人が喜んだ。スポーツが大好きな薩摩焼宗家十四代、沈寿官さん(日置市東市来町)や島出身者らが集う居酒屋、花りん(鹿児島市西田1)の女将さんらはポスターを貼りセンバツを大いに後押ししていただいた。大高の屋村優一郎校長は「多くの方の協力で生徒たちも甲子園という大きな舞台を体験でき、この経験はきっとこれからの人生を切り開く原動力になることでしょう」とお礼の気持ちを述べた。
「3.11」がくる。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から丸4年。九州だってまだ寒いのに東北の被災地はもっと寒いだろう。
「8.6水害」で甚大な被害を受け、大勢の犠牲者を出した。川内原発もあって、原発事故は人ごとではない。いつまた鹿児島が大きな災害に見舞われるか、分からない。鹿児島からさらなる被災地支援ができないものか。私は4年で何かしたのか。もっとエネルギー問題を発信しなくていいのか。明治維新期の鹿児島の人たちならば、どう動くだろうかとよく考える。
鹿児島支局長 三嶋祐一郎 2015/3/9 毎日新聞鹿児島版掲載