MBCテレビで9日夜に放送された「戦後70年~千の証言~私の街も戦場だった」をご覧になられただろうか。
戦時中、米軍は戦闘機に「ガンカメラ」を取り付け、地上攻撃する際の戦況を撮っていた。米機は各地を襲ったが、中でも鹿児島は爆撃機による空襲だけではなく、戦闘機の襲来でも甚大な被害を受けた。県内が機銃掃射で襲われる映像が多く衝撃だった。日本側は迎撃する火器も戦闘機もなく、やられっぱなし。地上には子供や女性、お年寄りがいたはず。改めてこれが戦争だと思った。
70年前、静岡県浜松市にいた母(85)は爆撃機や戦闘機の空襲、艦砲射撃の生き証人。友人らは機銃で足や腕、頭を吹き飛ばされたり、内臓が飛び出したりと、まさに地獄だったという。今の15歳には想像できないだろう。私もだ。「パイロットの顔が見えるくらい超低空で、容赦などなかった」と聞いていたが、映像を見ると、その通りだ。
さて、21日開幕の第87回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高野連主催)の組み合わせが決まった。神村学園(いちき串木野市)は大会第3日目に甲子園常連校として全国に知られる仙台育英(宮城県)と対戦。春は2年ぶり11回目、夏は24回の出場を誇る。1989年夏と2001年春に準優勝した強豪校。
だが、相手も同じ高校生。柔道少年だった私も相手が有名校だと闘志が燃えた。昨年のセンバツを思い出してほしい。21世紀枠で初出場した大島(奄美市名瀬)は大観衆の中でも堂々の試合。優勝した龍谷大平安(京都)から2桁安打を奪った。応援組は最優秀賞(日本一)に輝いた。ぜひ神村学園も「鹿児島ここにあり」というプレーを見せ、全国制覇を手にしてもらいたい。そして、野球などに打ち込める平和の尊さをかみしめてほしい。
鹿児島支局長 三嶋祐一郎 2015/3/16 毎日新聞鹿児島版掲載