2015年11月 1日 (日)
岩国市 会 員 山下 治子
今月の「男性の料理教室」は私たちが当番。近くの川土手をノルディック・ウォーキングしてみないかという提案があった。男性内からも野外活動を望む声は出るのだが、人手が要るし心配ごとも多く、なかなか実現しない。でも料理をおむすびと豚汁くらいにすれば何とかなるのではということで、試みにやってみることになった。
今秋は台風の襲来が多く、当日の予報も「午前中まで雨」。心配したが、幸い薄曇りで風が心地いい日和になってくれた。
まずは各自で昼食用のおむすび作りだ。男子厨房に入らずの世代だ。参加20人中7人が一度も作ったことがないと言う。その一人から「災害の時、握り飯くらい自分で作りたいし、作ってあげたい」と、先日の洪水被害に言寄せた発言があった。
出発前、血圧測定で2人の男性が要注意となり、居残り調理班と一緒に豚汁作りに回ったが、「次回は血圧下げて一緒に歩くからな」と気持ちよく見送ってくれた。
市から借りたストックを持って歩き出すと、右手と右足がそろってしまってまごつく人もいた。ただひとりマイストック持参の男性は「買っても使うことがなくてね。これを機に歩くよ」とストックを高く挙げ、万歳ゴールした。
4㌔足らずのコースだったが、汗を浮かべて全員が笑顔でゴール。豚汁はあっという間になくなった。
私は具だくさんでずっしり重くてごつい「これぞ男」というようなおむすびをいただいた。
(2015.11.01 毎日新聞「女の気持ち」掲載)
岩国エッセイサロン より転載