2015年11月20日 (金)
岩国市 会 員 貝 良枝
早朝、電話が鳴る。出られなかった。また鳴る。出ると切れた。
父も義母も亡くなった知らせは早朝だった。そう思うとやっぱり気になる。着替えもそこそこに、母の家に急ぐ。
近ごろ、顔が小さくなったなアと感じていた。昨日は足がむくむと言っていたなア。
鍵は開いている。声をかけたが返事はない。
「お母ちゃん!」
洗面所から驚いた様子の母がのぞく。
「お、おはよう」。電話は母ではなかったようだ。ひとり胸をなでおろす。母87歳、一人暮らし。
(2015.11.20 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載
岩国市 会 員 貝 良枝
早朝、電話が鳴る。出られなかった。また鳴る。出ると切れた。
父も義母も亡くなった知らせは早朝だった。そう思うとやっぱり気になる。着替えもそこそこに、母の家に急ぐ。
近ごろ、顔が小さくなったなアと感じていた。昨日は足がむくむと言っていたなア。
鍵は開いている。声をかけたが返事はない。
「お母ちゃん!」
洗面所から驚いた様子の母がのぞく。
「お、おはよう」。電話は母ではなかったようだ。ひとり胸をなでおろす。母87歳、一人暮らし。
(2015.11.20 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載