向かいの山の人からワラビと蕗とホウレン草をもらった。
ずんぐりとしたワラビも短めの蕗も、いかにも山の子という感じ。がっちりと横に張ったホーレン草は、店では見かけない。親指ほどの茎は濃い紅色で葉は分厚い。見た目はつい笑ってしまったが、栄養は満点だろう。1本ずつ懸命にとり指先がアクで染まったおばあちゃんの、少し派手目のエプロン姿がとても可愛く見えた。
ワラビはタンサンを入れてゆでると色が濃く美しく変わる。薄味に煮付けた春の味、左手に杯があるといいのだが私は下戸。飲むふりをする春の宵。
宮崎県延岡市 逢坂鶴子(91) 2018/6/24 毎日新聞鹿児島版掲載