仲間と五ケ瀬川の堤防で花を育てているが、たまにそこを歩く知らない人たちからありがとうの言葉や差し入れを頂くことがある。年末のある日、傘寿でボスと呼んでいる仲間に男性が声を掛け、しばらくして缶ビールを片手に戻ってきた。「どちらさま?」の問いにも答えず、 すぐにきびすを返したそうだ。
「こんなことをしてくれるのはおば様だけかと......。いい話ですね」「おじ様だっているん だよ。 見てる人はいるんだね...」と感慨深げなボス。
年が明け、その人に会うことができ、お礼が言えた。
彼は杖をついていた。
宮崎県延岡市 露木恵美子(69)