遠くでサイレンの音を聞きながら、わが家に消防車が出動した日のことを、ふと思い出す。
「トイレの鍵が開かんど」と大騒動する夫は以前、エレベーターに取り残されたことがあった。視覚障害のため閉じ込められることに強い恐怖心がある。「はよ119番せんか」と叫ぶ。半ば冷静な私も消防車を待つしかなかった。
「お茶でもいかが?」と小窓からのぞくと「まだか」と怖い顔。隊員らの機敏な行動で救出劇は終わった。夫いわく、トイレは開けたままにしてくれ、と座り込む。
今日もトイレは、オープン・ザ・ドア。
鹿児島市 竹之内美知子(75) 2009/7/6 特集版-3
毎日新聞鹿児島版掲載
「トイレの鍵が開かんど」と大騒動する夫は以前、エレベーターに取り残されたことがあった。視覚障害のため閉じ込められることに強い恐怖心がある。「はよ119番せんか」と叫ぶ。半ば冷静な私も消防車を待つしかなかった。
「お茶でもいかが?」と小窓からのぞくと「まだか」と怖い顔。隊員らの機敏な行動で救出劇は終わった。夫いわく、トイレは開けたままにしてくれ、と座り込む。
今日もトイレは、オープン・ザ・ドア。
鹿児島市 竹之内美知子(75) 2009/7/6 特集版-3
毎日新聞鹿児島版掲載