はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

宴の後は?

2021-08-01 17:32:56 | はがき随筆
 戦時中、父は給料日には帰宅するとまず袋から国債を出して大事そうに手箱に収めていた。でもそれは戦後のインフレで紙くずになってしまった。
 57年前の東京五輪は大成功で、日本も敗戦からよくぞここまで来たかと感無量だった。経済も五輪に向けての新幹線建設などで好況に沸いた。しかし翌年その反動で深刻な五輪不況が襲い、それまで禁じ手だった赤字国債が戦後初めて発行された。
 「2021+1」の東京五輪がコロナ禍拡大の中で開催されている。無事終えることがだきたとしても、その後どんな景色を見る事になるのだろうか。
 熊本市中央区 増永陽(91) 2021/7/30 毎日新聞鹿児島版掲載