風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

アメリカ出張の任を解く 400号

2008年11月17日 08時34分09秒 | 随想
名古屋名物の「山本屋本店」と「山本屋総本家」の味噌煮込みうどん。信楽焼の土鍋でうどんを煮立てる、武田信玄の陣中食だった「ほうとう」が起源である。そして韓国の模倣店騒動の「矢場とん」の味噌カツ。

松茸名古屋コーチンの味噌煮込みうどんは3000円で讃岐うどんは300円であるが、満腹になるのは同じである。

調味料は岡崎八丁豆味噌。「カクキュウ」と「まるや」が老舗である。

原料の大豆は中国から輸入している。しかし中国の食生活の向上は内需に向かい、大豆相場の価格高騰を招き、アメリカやカナダの大豆は遺伝子組み換えの不良品だから使えない。
  
古くは大豆の産地の三河地方。農政を軽視し、自動車立国を志向した政府は、田畑を工場用地に、道路に、駐車場に変え大豆畑は消滅した。

自動車で稼いだ外貨を積んでも大豆が購入できない危機が迫っている。八丁味噌文化の危機である。商取引の原点は物々交換であった。ガソリンの無い自動車の価値は日ごとに下落する。燃料を大量に消費するアメリカ車は駆逐された。

ジャストインタイムの時間管理、徹底的な無駄取り、高度な分業作業で、均質で高性能の自動車が低価格で提供可能となった。物質文明の頂点の繁栄は、地下資源の有限性の警鐘である原油高騰で急速に転げ落ち麓に辿り着く。大量生産・大量消費の低価格は犯罪だった。

物質文明の麓、原点は農業である。お天道様任せの時間管理、徹底した草取り、一人完結型の作業、そして不揃いであるが美味い大豆つくり。自然と同化した単純な生活。日本全国に均等に分散する農業人。そして特産品を作る職人達。

西洋科学主義の物質文明が定年退職し、東洋自然主義の新人が入社した日本株式会社に心の時代が到来し、心豊かな筋金入りの貧乏人が主役になる古き良き日本が復活する。

戦後60年、アメリカに長期出張した日本人は、やっと日本本社に転勤することが出来る。

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