風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

心豊かな農業国 362号

2008年09月13日 06時57分21秒 | 随想
多くの国の基幹の産業は農業だった。農産物で蓄えた富で産業革命以後、国内産業の工業化が発展した工業国は、経済力や軍事力で優位になり、国際社会において発言力を持ち独善に陥る。昔イギリス、今アメリカがその代表である。

相変わらずの農業国はデンマークとスイスである。高負担・高福祉のデンマークと国民皆兵のスイス。国民幸福度で1位と2位に格付けされている。

高額の税金の為に外国人に敬遠されるデンマーク、強力な軍事力の為に外国人の侵略の無いスイス。ビル・ゲーツの様な金満家は見当たらないが国民は幸せに暮らしている。

デンマークは例えば豚肉は300%の自給率である。そして過酷な農作業が敬遠され侵略されず、近隣諸国に大切にされる。食料は強力な兵器なのである。

世界の国々から金の力で食料を掻き集める日本。大企業病のイギリスと同様に、金の切れ目が縁の切れ目となる危険性がある。

スイスの男性は予備役軍人であるため、各家庭には自動小銃と銃弾が支給され、各自で保管している。その銃口は不法入国者に向けられ、国土を守っている。そしてヨーデルを歌いながら牛の世話をしてバターやチーズを作っている。

アメリカは個人で銃を保持しているが、同胞の国民から自身を守るために引き金に指を掛けている。サブプライムローン地獄で苦しむ国民が多くいる。そして心が荒んでいる。

砂漠の国ドバイは原油を武器に人工の自然を建設中であるが、原油枯渇の時廃墟と化す。ピラミッドやスフインクスと同様に、後世の文化遺産になるだろう。

モノカネ追求の欲望の修羅場で疲れる国民と過酷な農作業に疲れる国民。どちらが人間的な生き方なのだろうか。

美しい四季のある自然に恵まれた日本は、自然を武器にした日本人に回帰する時期が来ている。自然と同化した農耕民族の周囲にはコウノトリが餌を啄ばみ、朱鷺が乱舞し、心の癒しを求めて世界中から人が集う安全な国が復活する。

人工の工業国は心が荒み闘争的になり、自然と同化した農業国は心豊かな温厚な人間を育てる。野獣畜生は餌に群がり、人間は心に集うのである。


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