風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

万物の構成要素は千差万別 481号

2009年03月06日 06時18分54秒 | 随想
古代インドの万物の構成要素は地・水・火・風の四大という論、加えるに苦・楽・霊魂の七大論、拡大して虚空・得・失・生・死の十二大論。人が違うと考えが違う。

古代中国の陰陽五行説は、木・火・土・金・水の陰と陽。闇と光。兄と弟。五行の読み別けの陰陽は木(もく、き)・火(か、ひ)・土(と、つち)・金(こん、か)・水(すい、みず)。日本では木の兄(きのえ)木の弟(きのと)に始まり水の兄(みずのえ)水の弟(みずのと)に終わる。十干は甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸(こうおつへいていぼきこうしんじんき)。

大乗仏教の密教は地・水・火・風・空・識の六大。

西洋科学では水素・ヘリウムに始まり、酸素・窒素・炭素・鉄・ナトリウム・塩素など、原子番号118のウンウンオクチウムあるいはエカラドンまでの元素で物の世界が成立する。

ミクロに進むと、元素は原子核と電子で構成され、原子核は陽子と中性子、その仲立ちをする中間子、陽子は更に小さな粒子にと研究は進む。

マクロに向かうと、水素と酸素で水、炭素が加わると炭水化物、窒素が参加してたんぱく質。DNAは人間・動物・植物の種を識別する。鉄や珪素などで出来る地球。水と塩で海水。酸素と窒素の空気。地球環境。そして宇宙。その舞台の人間模様。喜怒哀楽の人生。核分裂のエネルギー。地球温暖化。金融破綻。万物の構成要素を複雑に考え過ぎる近代社会。大部分は無駄な知識である。

地球が在って、川が流れ海に注ぎ、太陽の光が照り、空気を呼吸し、空間を無意識に生かされる大乗密教の世界が簡潔で明快である。

父母が居て、おいらが誕生し、沢山食べて生長し、雑多な知識を詰め込み、人生経験を積み、十干十二支の60年。還暦の後は不用品を処分して身軽になることが仕事になる。そして親父・お袋の存在以前のおいらは何だと禅僧は問うが、知らない。なるようになるのだろうし、どなたかにおまかせである。


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