風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

負けた平家の堅豆腐

2013年01月26日 07時02分01秒 | 随想

水にこだわる箱根大平台温泉姫の水を使用した辻国豆ふ店で絹・木綿豆腐は前回、今回は大豆にこだわる越中五箇山のとうふ工房・喜平商店の堅豆腐を土産にした。

大きさは同じであるが、箱根五百グラムで越中一キロ。水より重い大豆の割合が多いのである。

源平合戦で敗北し僻地に隠遁した平家の落人の山村、阿波祖谷や肥後五木村にも存在する石豆腐・岩豆腐。

急な坂道、凍った雪道、効率よく物を運ばなければならない。水は雨が運んでくれる、人間は豆乳凝固物を運ぶ事をもくろむ。従って水は捨てる。

煮物にすれば出汁を吸収して軟らかい豆腐に戻り、胡麻油で炒め物、囲炉裏であぶり味噌を塗れば田楽の完成。便利は人間を堕落させ、不便は発明の母。

権力闘争に敗れたことが、心豊かな人間を生む。負けるが勝ち、敗北が価値を生む。

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