風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

勝ったり負けたり 496号

2009年03月26日 05時02分59秒 | 随想
オリンピックで除外された野球。World Baseball Classic(WBC)は、Major League Baseball(MLB)機構とMLB選手会が主催する4年に1回の国際大会である。従って日本語訳は存在しない。

紆余曲折の末、WBC決勝で韓国に勝利し、優勝した日本。

9回裏に左腕杉内が右の代打で交代。ダルビッシュ有が失点し同点になり、10回表に2アウト、ランナー2・3塁で打順が一番に回る偶然、敬遠がセオリーであるが、不振の打者に勝負する韓国の誤算。重圧を撥ね退け中前にヒットする精神力。ダルビッシュ続投の10回裏は韓国の無得点。かくしてイチローがヒーローになった。運命の悪戯の連鎖のメイク・ドラマ。

タラ・レバ・ナラの仮定を設定すると、別のドラマをメイクできる。しかしこの感動のシナリオは人智を超えた、なんか得体の知れない偉大なものの存在を感じさせ、イチローに、日本チームに乗り移った。人間業でない。

北京五輪の時には、韓国チームに味方した、「もの」と同じ「もの」なのだろか。「もの」は公平である。

人間の世俗的解釈なら、大リーガー5人の日本が、たった1人の韓国に勝ち、赤い靴下(レッド・ソックス)所属の松坂大輔がMVPなら主催者のMLBの面目が立つ。

日本国民に夢と希望と感動を与えた代償は3億円の賞金だった。総額2兆円、個人に12000円配っても国民は熱狂しない。何故だろう。大和魂・武士道の「さむらいジャパン」の国民は心の時代を渇望している。

勝ったり負けたり、忙しかったり暇だったり、儲けたり損したり、善悪の両極を振動する喜怒哀楽が人生である。ドジャースタジアムの数時間は仏教的人生の縮図だった。

苦しい過程、絶えず移り変わる状況、一人ではどうにもならない環境、人間判断の有用価値2元論、結局はプラスとマイナスのゼロである。世間から頂いたお陰を、すべて世間にお返しする、ゼロから始まった人間だから、ゼロで終わるのが理想であると思っている。

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