両親の葬儀で世話になった院主様から法要の手伝いを要請された。
「駄目な男ですからできません」
「仏様は駄目な男だから手伝って頂きたいのです」
「金が無い、才能が無い、地位が無い、仕事がない、友達が無い、人望がない、無い無い尽くしの駄目な男です」
「暇が有るでしょう」
そんな言葉に驚いた。駄目な男は排除される世間であるが、目から鱗が落ちた心境、物は考え様である。
人間社会で価値ある物は何もないが、駄目な男には暇がある。
人間同士の相対比較では駄目だが、人間には何か取り柄が有るもんだ。何にも無ければ仏様。