風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

キャプテン 28号 

2007年02月11日 14時39分41秒 | 随想
船長は、船舶の乗客・乗員の、機長は、航空機搭乗員のうちの最高責任者・管理者である。船舶と同じくキャプテンと呼ばれる。制服に、四条の線をもってその職位を表すことが多い。その由来は軍隊の階級章から来ている。海軍の大型艦船の船長は大佐が勤めるが、制服の袖には四条の金線がある。海軍では大佐は英語ではキャプテンである。

戦後、大型の民間客船が増えたが、民間船の船長の制服も海軍の軍艦の艦長に合わせたのであろう。空軍の飛行機は戦闘機であるが、その機長は大尉で英語でキャプテンである。海軍の大尉の制服にすると袖章の金線は二本である。キャプテンという言葉は同じであるが、階級は大違いである。

近年、飛行機が大型化して、民間旅客機ができてから、空飛ぶ船となったので、機長を船長と同じ金線四条の制服を用いるようになり、キャプテンというのであろう。

日本の警察でキャプテンといえば警部である。キャプテンは現場の指導者である。軍隊の大佐以上には少将・中将・大将・元帥の階級があるが、実務家でなく、監督者・為政者である。警察では、警部以上に、警視・警視正・警視長・警視監・警視総監がある。

船長や機長は孤立した空間で、旅の一時期、社会を形成するので、国家元首並みの権限がある。反面責任を課せられ、最後退船の原則を守らなければならない。乗客・乗員が船に残っているならば、船と運命を共にしなければ成らないのである。

操船の技術は長年の経験で、自分でやれば間違えがないのだけれども、それでは後輩が育たない。後輩に操船を任すとき「船長は舌から血が出る」程の苦しみがある。航海中は24時間勤務である。権限が大きければ、責任も大きくなるのである。

日本国の舵取りをする船長グループは政治家であるが、同様に権限が大きければ、責任重大である。その事が分かっていないなら、国を動かす政治家を辞退するべきである。

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