三大頑固者と言えば、「肥後もっこす」 頑固一徹(がんこいってつ)で無骨(ぶこつ)な人物・性格を指した熊本の方言。一度言い出したら頑としてまげぬ一本気、悪く言えはちょっとへソ曲がり。
「土佐いごっそ」 土佐人気質を総称する言葉で漢字では「異骨相」。一度こうと言い出したら損得に関係なく後へ引かない。自分なりの筋を通して誰が何と言っても聞かない。
「津軽じょっぱり」 ちなみに「じょっぱり」とは津軽弁で「頑固な」「強情っ張り」という意味である。実際は負けず嫌いでえーカッコしぃの融通が利かないただの頑固者を、「まんず、あれだばじょっぱりだじゃ」などと半ば呆れながら用いるのが普通なのだ。歓迎されない人間像のように思える。
しかし、近年良い意味に使われることも多いようである。非常に純粋な面を持った性格で、自分なりの人生哲学を根本にもち、反俗、反骨、反権力精神にみち、ユーモアをもった人間である。津軽で「あいつは、じょっぱりだ」と言った場合、そこには自分の信念を貫き通す人間へのある種の尊敬の念を含んでいる。
中村修二博士は徳島大学の電子工学科の修士課程をトップで卒業。京都の大手メーカーに内定が決まっていたが、学生結婚で子供ができたため、子供の教育に良い地元の企業に就職した。それが、徳島県阿南市の日亜化学工業である。
中村氏は、10年間、会社の言う通りに研究してダメだったので、クビを覚悟で自分の思う通りの研究をすることを決め、 青色発光ダイオードをテーマに決めた。そして苦難の末、開発に成功する。
光源には、電球や蛍光灯や発光ダイオードなどがある。電球は、フィラメントに電気を流し、高温に熱することにより、光が発する。蛍光灯は、放電により出る紫外線を蛍光塗料に当てることにより、光を発する。発光ダイオードは、半導体に流れる電気が直接光に変わるため、他の光源に比べて、効率・耐久性に優れる。発光ダイオードは、20年以上の間、赤色と緑色しかなかった。中村氏が青色を発明したため、色の3原色(RGB)が揃い、約1600万色が可能となった。大型のフルカラーディスプレイが可能となったのは、青色発光ダイオードが開発されたためである。巨額の富が日亜化学工業に転がり込んだ。
中村博士がどの地方の頑固者に分類されるか知らないが、世界の頑固者になった。指示待ちの金太郎飴人間が日本の繁栄を築いたが、良性の頑固者がいると世の中が活性化するように思う。頑固者は個性豊かなオンリーワンの人間である。
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