風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

千枚田は農民芸術 317号

2008年07月08日 14時29分44秒 | 随想
宮沢賢治の農民芸術の興隆の文章がある。

『かつて我らの師父たちは乏しいながらかなり楽しく生きていた
そこには芸術も宗教もあった
いま我らにはただ労働が生存があるばかりである
宗教は疲れて近代科学に置換されしかも科学は冷く暗い
芸術はいま我らを離れしかもわびしく堕落した
いま宗教家、芸術家とは真善若くは美を独占し売るものである・・・・・』

古き善き日本には「棚田」があった。山の斜面に小さな水田が千枚。そして朱鷺が泥鰌を食べている。農林水産省は水平距離を20メートル進んで1メートル高くなる傾斜以上の斜面にある水田を「棚田」として認定する。信州姨捨の田毎の月、愛知県新城市四谷の棚田。しかしすでに昔の面影はない。誰が景色を見ても料金は必要なかった。

敗戦後の西洋文明は、沖積平野で農業機械を駆使して、米を大量生産する事を美徳として奨励する。そして八郎潟や諫早湾を干拓して農場を整備した。反面貿易均衡の視点で、小麦牧畜文化の象徴であるハンバーガーを推奨した。その結果は米余り現象である。

棚田に於ける米作は芸術だった。人間形成の道場だった。人類が自然のサイクルに合わせ、持続可能な生活を長年継続できた。

万物の霊長を拡大解釈した西洋人は、無差別の地球破壊を開始した。うっそうと生い茂るレバノン杉の森、ギルガメシュはこの森の神フンババを倒し、人類を神もしくは自然の奴隷のタブーから開放した。そして小麦牧畜文化は森を徹底的に破壊し、砂漠にしてしまった。

そしてはかり知れない歳月が砂漠の地下に原油を貯蔵した。石油文明の排出ガスは異常気象を招き、自然サイクルを破壊した。そして犯人の原油の残量は極わずかである。

次は、金が無力になるインフレ恐怖である。金万能の唯物主義者の精神破壊が人類を地球から抹殺しないことを祈っている。

G8洞爺湖サミットが開催されている。東洋思想の中国やインドが西洋文明に取り込まれようとしている。アメリカは中国、インドがより多くの炭酸ガスを排出することを望んでいる。相対的にアメリカの排出ガスの犯罪が薄められるからである。そして地球は破滅に向かう。単身教は根本が利己的である。

キリスト教が定義する「万物の霊長」は目を覚まし、自然の偉大さに感謝する謙虚さが大切な時期であると思う。自然のサイクルに合わせ生活する未開のアフリカの土人の様に。進みすぎた科学万能が反省されるべき時で、規制が必要である。

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