風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

太陽さんは仏教の神様 

2008年07月17日 10時06分05秒 | 随想

地球は宇宙の、大自然の極一部である。そして規則正しく活動している。その地球の一部分で人間が悩みながら不規則な活動をしている。

宇宙の、大自然の、現世の真理・法則そのものである大日如来が、衆生を教化するために、生身の人間として現れたのがお釈迦さんである。大日如来の秘密の教えを人間に理解できる身と言葉と心で通訳する役割を担った。

桓武・平城・嵯峨天皇の平安時代に、四国香川県善通寺の弘法大師空海と滋賀県大津の伝教大師最澄が奈良仏教と決別して、それぞれ新興仏教を開宗した。法華一乗の天台宗と密厳一乗の真言宗である。誰でも精進努力すると仏様に何時かは成れると言う最澄さん、既に仏様の私だから自己責任で活動すれば、現世が浄土になるとする空海さん。

奈良都市仏教と違い、空海は高野山金剛峰寺で、最澄は比叡山延暦寺で、自然の山岳地帯を本拠にして修行する大自然に同化する仏教を目指した。

満濃池修復の土木事業や、京都東寺でも活動し民衆に接触する空海は自然志向が強い実業家タイプである。民衆を避け山岳に逃避し、独自の教説を弟子たちに伝授することに専念する最澄は人間志向が強いのである。弘法さんは大日如来の密教に、伝教さんは弟子達が鎌倉時代に独立し、法然・親鸞の浄土教や栄西・道元の禅・日蓮の法華宗などに分化し発展する人間を育てる教育者である。

此の身此の世で仏様に成れるとする即身成仏の空海は現世肯定論者で明るい四国の印象で、厭離穢土欣求浄土の傾向の最澄はもの悲しく暗い冬の琵琶湖のイメージである。

最澄の弟子達も現世肯定派と否定論者の二極に分化している。栄西・道元・日蓮は現世肯定論者で、法然・親鸞は来世に浄土を夢見る現世懐疑派だろう。

戦国武将の現世肯定派の織田信長と否定論者の徳川家康。信長は本能寺で50年の生涯を終わる。家康は260年の江戸時代が継続する。

多神教の仏教は全ての教説を許す寛容さがあるが、ひとつの宗派のかたより・とらわれ・こだわりは許さないのである。それを許すと単信教になってしまう。しかし仏教の教義は『人間は大自然の極一部である』事を認める『自然な心』である。神様は天空に光り輝く太陽さんに行き着くと単信教になる。 


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