風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

「怠け者」は誉め言葉 518号

2009年04月21日 05時30分00秒 | 随想
長いかぎ爪を持ち、生涯を樹にぶら下がって過ごす「怠け者」はアマゾンの熱帯林に眠る。主食は週に一回の手の届く範囲の葉っぱをほんの少し。寝ているからエネルギーが要らない。老齢になると苔が生え、完全に樹木と同化する。食べた葉は七日経過すると成長する。永遠に持続可能な食生活である。

洪水の時の生命維持の必要性から、水泳が得意で、鋭敏な動きを見せる。眠り続けるのは、外敵から身を守る為に樹に似せる擬態である。生涯の目的は何もしないで、エネルギーを温存し、天寿を全うする事である。

他律的な西洋の「働かざるもの食うべからず」、自律的な東洋の「一日なさざれば食らわず」を実践する偉い野郎だと見ることもできる。

モノを追い求める物欲の権化、他人が気になり、孤独に耐えられない人間は、動き回りエネルギーを浪費する。独断と偏見で、有限の地下資源をむさぼり、一切有情山川草木の地球環境を破壊する。

お釈迦様の様な無欲は人間に不可能だから、少欲知足を推奨する平安仏教・鎌倉仏教の祖師の教えに耳を傾ける時である。無欲の「怠け者」は仏様の化身なのかもしれない。そしてすべて無くなった地球に最後まで生き残るかもしれない。

日本国の退職者になったおいらを周囲の人々が「怠け者」と呼ぶことは誉め言葉とする強かさを「怠け者」に教えて頂いた。

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