巨大恐竜は絶滅する定め ３５４号

大型爬虫類の恐竜は巨大隕石の衝突による地球規模の大火災で生態系が破壊され、衝突後に生じた塵埃が日光を遮断することによる急速な寒冷化が絶滅原因とみる説がある。巨大な生物は急激な環境変化に弱い様である。

銀行は国際競争力を獲得する名目で巨大化に向かう。価格競争に勝つために巨大スーパーや巨大企業が出現し、世界制覇を目指す。

店舗は巨大になり、集約され遠隔地になる。出向く為に、自動車で行かざるを得ない。ガソリンが高価になり、枯渇すると客足が遠のき恐竜と同じ運命をたどる。

古き善き時代は専門店が軒を連ね、徒歩で行ける範囲内で生活必需品が手に入る町の構造だった。その日暮らしの庶民には、銀行に預金をする余裕が無いから銀行は無い。車が無いから駐車場が無い。日没と共に就寝するから終日営業の店舗も存在しない。住民は顔見知りだから互助精神が芽生え犯罪も無い。何も無いが平和な生活が有った。

昔の狭い我が家は何も無いから結構広い空間が有った。現在は巨大な豪邸に不用品が満ち溢れ狭い空間で不満な生活をしている。

恐竜絶滅の真相は、食料を徹底的に食い、巨大化し、その巨体を維持する為に、より多くの食料を貪欲に食い潰した結果、食料が枯渇し絶滅したのだろう。

巨大企業は食料である客の貨幣を搾り取り、ますます巨大化する恐竜と同じに見える。貨幣の無くなった庶民は絶滅する。そして巨大企業も絶滅する運命が見える。

巨大均質集約志向の企業は終着駅に到着した。小型多様分散を目指して方向転換して始発駅を出発進行する青ランプを点灯する時期である。そして庶民は転換を促す消費動向を開始する知恵を行使して身を守る時である。

上げ潮の海水は引き潮になるのが自然の法則である。