風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

辞めたいが辞められない国民 355号

2008年09月03日 11時02分27秒 | 随想
内閣総理大臣の資格は、文民であり、国会議員であることで、任期は確定していない。人気がある間が任期である。

小泉純一郎は国民に絶大な人気があった。所属する自民党をぶっ壊す事で得た人気である。奇怪であるが自民党の総裁任期を満了したので辞めた。

ぶっ壊された自民党は引き受け手が無く、仲間の上げ潮派の安倍晋三が選挙対策の顔で首相になった。政治手腕が幼稚で国民の支持を失い辞めた。

自民党国会議員に人気のあった福田康夫が首相になった。野党の問責決議案を参議院で可決され、また真面目な健全財政志向が国民の人気を獲得できず、唐突に昨日辞任した。

歴代総理大臣は辞めても生活に困らない優雅な生活を維持している。そして伝統の自民党政治は風化し、古き善き日本は破壊された。

後継者の若者を都会に奪われた田舎の老人は、生活の為に隠居できず農夫を、辞められない。

イカ釣り漁船は燃料高で赤字であるが、生き抜くために採算を度外視して船に乗り漁夫を、辞められない。

糖尿病の高齢の会社員はインシュリン購入資金の為に仕事を、辞められない。

僅かな年数不足の為に国民年金の無い老人は、老骨に鞭打ち過酷な労働を強いられ、辞められない。

フリーターの息子を抱える親は、脛をかじられ劣悪な労働環境で働き、辞められない。

国民の健康で文化的な生活を保障する平和憲法の守護神である内閣総理大臣は簡単に辞めることが出来る。そして辞めたくても辞められない生活困窮者の集団が拒否したら犯罪者になる納税義務の貨幣が、辞めた内閣総理大臣の面倒を見ることになる。

軽薄な人気商売の肥えた豚よりも、心ある痩せたソクラテスの政治家が伝統の日本を復活する夢を見たいのである。弱肉強食の西洋物欲主義の悪夢は見飽きた。


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