風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

饂飩好きな国民 528号

2009年04月30日 08時20分48秒 | 随想
黄金週間の到来である。勤労者はお休み、西に東に旅をする。毎日が日曜日の老人は、帰省する子達を接待する、久々の勤労奉仕が出来ることを喜んでいる。

高速道路が千円になり、瀬戸大橋や明石・鳴門ルートで讃岐饂飩店を訪れ、行列が出来ている。近所迷惑を理由に、ゴールデンウイークを休業する無欲な饂飩屋もある。

仏教の弘法大師が請来した讃岐饂飩、神道の伊勢神宮の伊勢饂飩は両極端である。

小麦粉と塩と水を捏ねて、昼寝程度の熟成時間、15分程度茹で、歯応えがある讃岐饂飩はだし汁に泳いでいる。茹でる事で、塩が抜け、小麦粉がアルファー化され、美味になる。

一昼夜充分熟睡させ、1時間茹でられる伊勢饂飩は極太で柔らかく、醤油を掛けて食べる。

鉄道駅の立ち食い饂飩は、伊勢饂飩が汁に浮かんでいる。神仏は習合している。饂飩には宗教匂がするから、遠路遥々訪れる。安価でほとんどご接待の印象である。

尾張の八丁味噌煮込み饂飩・駿河の吉田饂飩の生地は塩を使わないので、脱塩の過程が省略でき、直接煮込むことが出来る。そして腰が極めて強いのである。慣れないと生煮えと勘違いする。

甲斐のほうとうは、カボチャの味噌汁に塩なし、腰抜けの饂飩を煮込んでいる。川中島合戦の謙信が敵に塩を送った信玄のお膝元で、塩は貴重品なのである。物不足の少年時代の米の代用食、水団に似ているが、贅沢で高価な料理に変身した。

愛知県の年金裁定センターは問い合わせ先に、誤って名古屋市内の饂飩店の電話番号を記載し、懲りない社保庁である。役人も饂飩が好物の様で、絶えず念頭にある。お詫びに饂飩の食券を贈呈すると許してくれる国民である。

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