スンチョン市では今年4月20日から10月21日まで<2013スンチョン湾国際庭園博覧会>が行われます。どんな博覧会なのか、HPの説明は次のようになっています。HPはこちら。
2013年4月から10月までの6ヶ月間、生態系の宝庫である順天湾一円1,112千㎡の広大な広さで開かれる国際庭園博覧会は、150年にわたってヨーロッパなどの先進国で普遍化されてきてもので、現代に至っては都市の再生と環境計画の一環として発展しており、多様な形態の生態庭園が造成されて時間が経てば経つほど樹木や花が調和し、その価値が高くなるという未来型博覧会です。
地球上で一番完全に保存されている世界5大沿岸湿地である順天湾とともに世界最高の生態庭園を保有する順天市は、大韓民国を代表する親環境生態都市、グリーン成長先導都市として生まれかわることでしょう。
博覧会の開催を成功させるために皆様の積極的なご参加とご声援をお待ちしております。2013年には順天にお越しください。
この博覧会については、市の担当者から説明を聞いたこともあるので、どんなものであるかだいたい想像はついていましたが、今回、庭園博覧会の現場を見る機会があり、想像以上だなとかなり心配になってきました。僕の心配が外れることを祈っていますが、果たして<スンチョンの冒険>は成功するでしょうか?
工事中の会場。
工事のおかげでほこりだらけになりました。
まず、博覧会の目的が、いまひとつわかりません。日本語版HPなどにはほとんどかかれていませんので補足説明をすると、現在28万人口のスンチョンの街がどんどん拡大し、スンチョン湾にせまろうとしている。これを食い止めるために、町の中心部とスンチョン湾の間に緩衝地帯を作るという案が作られ、そんな緩衝地帯として庭園博覧会で作られる公園を活用しようというものです。
ここで疑問、全羅南道でも数少ない人口増加の自治体ですが、スンチョン湾にせまるほどの大量の人口増加とは思えません。もちろん緩衝地帯は必要かもしれませんが、博覧会で作らなくてもいいはずです。
この建物が湿地センター、立派です。
豪華な湿地センターや無人のモノレール(PRT)などの新しい施設が作られていますが、はたして博覧会の後の利用は大丈夫なのでしょうか? 湿地センターには国際会議のできる会議場などがメインのようですが、それだけ会議が行われるのか疑問です。それ以上に怪しいのが無人運行のモノレールです。
このモノレール、1両に6名から8名乗りで、庭園博物館の会場内に立てられた湿地センターの前から出発しますが、到着はスンチョン湾湿地公園にあるビジターセンターでなく、それより1キロ以上上流にある<文学館>という施設までつながります。1分で1両が出発しても1時間で60両×8名=480名を運びます。でも、週末は1万人以上来るわけで、いったいどうやって来る人たちを処理するのでしょうか?
いまネットで検索したところ、往復で5000ウォンとなっていて、一般の交通機関と考えればかなり高く、アトラクションのひとつと考えれば納得できる金額かもしれません。ただ、乗るところも駅の前とかバスターミナルの前ではないし、降りるところもスンチョン湾のアシ原のデッキらかは1キロ以上離れているので、中途半端という感じがします。
モノレールの線路と駅
どちらにしても、今後年間の訪問者が現在の300万人から400万人ぐらいまで増加すると、市当局は予想していますが、だとしたら、現在の湿地公園の施設を拡充するほうが先ではないでしょうか? つまり、遊歩道の幅を広げたり、新しい遊歩道を作るなどして、アシ原の混雑を解消するのが先決でしょう。
また、現在、ほとんど有効な湿地教育、生態研究などができない状態でいるわけで、そこを充実する必要があります。せっかく、年300万人もくるのですから、その力を利用して、もっと生態教育に力を入れるのが重要です。
いろいろ書きましたが、スンチョンの庭園博覧会、不安なところがたくさんあります。ほんと、スンチョン市の冒険はどこへ行くのでしょうか?
記念品のコーナー、おしゃれな石鹸。
月曜日なので遊覧船はお休み。
写真を撮るキム・インチョルさん。
漁船もお休みです。
渡り鳥が来ているので立ち入り禁止。