先日、学校給食の調理師など非正規労働者のストライキがあり、5万人が光化門広場で集会が行われましたが、このストライキを支持し保護者に理解を求める学校通信を出した校長先生のインタビューが、キムオジュンのニュース工場でありました。校長先生がストライキ支持というのは日本ではなかなか理解できないかと思いますが、つぎの内容を読んでみれば、なぜ校長先生がこのような通信を出したのか、わかると思います。
このインタビューを聞いて、学校給食に関係者がとても誇りに思っている、大切に考えていると感じました。この背景には、たぶんオーガニック学校給食を実現させてきた、関係者の努力があると思います。その点も、ぜひ考えてみてください。
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工場長:(前略)学童保育の先生、給食調理員、教務担当者など五万人余りの学校の非正規職労働者たちが、今ストライキ中です(7/4)。 ところで、このストを支持し、父母の理解を求める家庭通信文を配布した仁川のソフン小学校の校長先生がいらっしゃいます。 キム・ジグク校長先生、こんにちは。
キム校長:はい、こんにちは。キム·ジグクです。
工場長:家庭通信文を見ましたが、私たちの児童は少しの間、給食が出なく不便に思えるのですが、これを不便と思うのでなく、一緒に暮らしている誰かの権利を一緒に守る事であり、これが皆のための仕事であることを考えるきっかけになってほしい、というような家庭通信文を送りました。 このような家庭通信文を最初から送らなければならないと思った理由は何ですか。
キム校長:はい、今までストライキは無条件に否定的に見る見方が多かったでしょう。
工場長:そうですね。
キム校長:ところで、今回のストは児童たちの食事に直結する問題だったので、代替給食を準備するしかない状況でした。 ところで単純にそのストで代替給食をするようになったことを知らせるよりは、その理由と背景が何なのか、今私たちの子供の近くで劣悪な環境で働いている労働者の状況はどうなのか、そしてこれが私たち、そして私たちの子供とも無関係ではないということを、このストをきっかけに一緒に考える必要があると思いました。
工場長:家庭通信文を見ると「疏外された多くの人々の心を推し量ってみたらと思います。 汗水流して働く人たちへの配慮と支持をお願いします。 すべての労働者が正当な待遇をうけ、尊重される人間らしい人生を生きて行くことができるように願います。」 こんな言葉を家庭通信文に盛り込みました。この家庭通信文を受け取った保護者らの反応はどうでしたか。
キム校長:父母の反応ですね。パンと飲み物がご飯の給食に代わることはできないでしょう。そして、子どもたちの昼食が手抜きにならないか心配する親の心は当然なものです。 そして、韓国社会のストに対する否定的な見方も少なくないことを知っているので、ある程度は覚悟もしました。 それで、教務部長の先生は家庭通信文に自分の個人番号を書いておいて、問い合わせができるようにしました。。
工場長:その父兄たちが当然抗議することを予想されたということですね。
キム校長:はい。 そしたら、予想が外れて…
工場長:残念ながら。
キム校長:まだ、不満や抗議の電話がないですね。そして、むしろ私の個人SNSを通じて父母の皆さんは「いい教育をありがとう」と言ってくれた人もいます。ストを見る雰囲気が確かに変わりつつあるようです。
工場長:校長先生がこうなさっているのも、私は初めて見たが、今回こんな家庭通信文を受け取ったその父兄たちの反応も予想とは全く違いますね?
キム校長:はい,そうです。
工場長:もし、子供たちは、この家庭通信文を受け取ってから何と言いますか。
金ジグク:児童の反応は、私もいちいち会って確認したのではなですが、先生が児童とこれに関する授業もして、また学年のレベルに合わせて説明もして、これによって子供たちの理解と共感もかなり良くなったようです。 それで「心配しないで行って来きて」とこのように支持して応援した雰囲気です。
工場長:これが、実は児童たちが成人になって社会の中の構成員に成長して、自分たちが当然享受すべき権利について学習することでもあるのではないでしょうか?そうでしょう?
キム校長:はい,そうです。
工場長:そんな考えでこの家庭通信文を作ったのでしょう。
キム校長:はい,そうです。 当然です。私たちの児童たちが昼食になれば暖かいご飯、おいしいおかずが出るのを当然のことと思っていました、今まで。 しかし、そこには苦労して働く方々の汗があったことを数日間ですが、ご飯の代わりにパンを食べながら気が付いてほしいという気持ちもありました。 そして、その人たちが受け取る労働の対価が正当なのか、また尊重されているのか、このようなことも調べてから、労働者たちに与えられた権利は何か。 また、どう実行し、目的を実現することができるかを学ぶ機会にもなり得る、そんな考えもありました。
工場長:このような家庭通信文が出て、インチョンのソフン小学校で働く非正規職労働者たちは何と言いましたか。
キム校長:長い対話を交わしたわけではありません。 ストの前日、スト参加の前日に一人ひとりあって、バラを一輪ずつ渡しました。
金オジュン:あ,そうでしたか。
キム校長:はい。 そして「応援しますので、心配しないでください」と、挨拶したんですが, 「実は勇気が足りないし、私が子供達のご飯を気にしながら参加しなければならないのか」と不便な気持ちがあったそうですが、校長の私もちょっと励ましたし、児童達も訪問して応援したので、みんな勇気が出て、とても楽な気持ちで参加することが出来たそうです。(以下略)
写真はストライキを支持する生徒たち