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模型趣味とその他諸々

1/24 S13シルビア 製作記 その10

2004年11月02日 | 模型
 さてさて、製作記も10回目になりました。ネットで製作記を挙げるのは初めてということもあり、このS13のキットでの作業を後々「工作ガイド」的なコンテンツに、それが役に立つかどうかはともかくも(笑)二次利用しようという魂胆もあり、連載が長くなっています。毎度毎度こんなに画像をUPしてたんじゃぁ容量が足りないっすからね(笑)。

 さて、今回はカーモデルキット製作のメインイベントとも言えるボディ磨きです。手順は人によって様々かと思いますが、私の場合は
クリアー吹き→ペーパーがけ→コンパウンド磨き→窓枠塗り→仕上げ磨き→墨入れ→WAX塗布
という行程を経ます。人によっては、「墨入れ」を先にしてからクリアーを吹いて磨き出すってな事もあるかと思います。

 クリアーを吹いてから最低一週間は乾燥時間を取ります。今回は私生活でドタバタありましたので10日ほど経過してからの磨き出しになりました。何故に時間を空けるかですが、クリアーに含有されるシンナー成分が揮発し塗装面を磨いても塗膜がズレたりエグれたりしない位に乾燥するには、最低でもこれ位の時間がかかるからです。ホントはシンナー成分の完全揮発完全乾燥には数ヶ月位かかるんですけどね。今回は単に塗装面へのクリアー吹きだったんですが、レーシングカー等様にデカールの上からクリアーを吹いた場合は、デカールのフィルムがシンナー成分を吸収して揮発が遅れますので最低でも3週間~1ヶ月は必要になります。また、カルトグラフ製デカール等のクリアーに強いデカールならともかく、そうでないデカール(最近のタミヤのテカテカしたデカールなんかは特に)の場合は、ラッカー系クリアーの使用を諦め、ウレタンクリアーを使用するのが無難かと思います。私はウレタン嫌いなので、タミヤのキットの場合は、社外製デカール(STUDIO27等)のデカールを使用しカラーリングは塗装にて対処する様にしてでもラッカー系クリアーを使いますが。

 約10日間乾燥させてボディ部分に、先ずはペーパーがけをします。

吹きっぱなしだと画像の様に塗装表面が凸凹していますので、これを平らに均してやるのがこのペパーがけの基本。だから闇雲にペーパーをかけるのではなく、少し削っては表面状態を確認するってことを繰り返すことになります。平らにすると言っても、後にコンパウンドがけをするとクリアー層を通り越して塗装面まで削ってしまっては元も子もありませんから、注意して作業をします。使用する番手は、私の場合は缶スプレー塗装でのクリアー吹きなら#1500から始めて或る程度均してから#2000を使用、エアブラシでのクリアー塗装なら#2000のフィニッシングペーパーを最初から使う様にしています。今回はエアブラシで吹いていますので#2000を使ったのですが

湿度が高い日に塗装してしまったので、なんぼエアブラシ塗装と言っても↑画像の様に、凸凹が盛大になってしまってる様です。ちゃんと下地処理もキチンと均したのになぁ・・・・。これはちょびっと誤算(笑)。これ位の凸凹で在れば、本来は#1500から使った方が均し易いんですが、#1500をガシガシかけれる程にはクリアー層を厚く吹いていない為、時間はかかりますが少しずつ#2000のペーパーをかけていきます。気を付けることは、エッジ部分への対処。全体に満遍なくペーパーをかけようとすると、エッジ部分が必要以上に削れすぎてしまい下の塗装面が露出してしまうことがあります。エッジ部分の凸凹は、元々塗料も乗りにくく、それが幸いして後のコンパウンドがけだけでも充分に凸凹を取ることが出来ますので、この最初のペーパーがけの時はエッジ部分にはあまりペーパーが当たらない様にします。それにしても、作業してみて改めて思ったのですが、S13って見かけ以上にエッジが多い車体ですね。巧く均せますと、作業前は凸凹の梨地だったものが、全面均一な艶消し状態になる筈です。削った面を光に照らしてみて、表面に艶のある凸部が残らない様に、地道に削っていきます。艶有りの点々が残ってるということは、キチンと平らに均されていないという事ですからね。

 ペーパーがけが終わったら、今一度全体を見回して、ペーパーを強くかけすぎた為に出来てしまった目立つ磨き傷を探し、見つけ次第軽いタッチでペーパーをかけて更に均してやります。全体が均一な状態になりましたら、ここで一旦水洗いをし、塗装表面に残ってる削りカスを洗い流します。この削りカスですが、残ってると後のコンパウンド磨きの時に新たな傷を作る原因になるので完全に洗い流しておくこと。
 水気を切ったら今度はコンパウンドをかけていきます。コンパウンドは、均す際に使用したフィニッシングペーパーによる磨き傷の消去が主な目的です。巷には沢山のコンパウンドがありますが、私が愛用している(た?)のは、粗目として京商のポリッシュセットPROの細目コンパウンド・中目としてモデラーズコンパウンド・仕上げ磨きにワークのマディカル1っていう組み合わせが定番だったんですが、今回模型店を物色しておりますと、各模型メーカーから様々な研磨剤がリリースされているのを見かけ、驚きながらも試しに幾つか購入してみました。タミヤの三種類のコンパウンドとかハセガワの二種類のコンパウンドに精密屋のコンパウンドと購入してみました。早速、S13のキットのパーツの中で不要になったサンルーフ用のクリアーパーツを使って実験。その結果、今回は、以下の組み合わせで使用することにしました。

白キャップのボトルが京商のコンパウンドセットの細目。黄色いチューブに入ったものがモデラーズのもので、青いキャップがハセガワの超微粒セラミックコンパウンドです。

 先ずは、京商の細目コンパウンドをかけます。これは、かなりコンパウンドの粒子が粗く、磨くと言うよりザリザリ削れる様な感触のコンパウンド。ペーパーがけ同様に下地を出さない様に気を付けながらも、或る程度の力を入れつつ磨き出します。このコンパウンドで完全に傷を消す必要はなく、主立った磨き傷が程々に消えてくれればそれで良しとします。また、ボディ表面の塗料が溜まりやすい谷部分には、パーパーがけで取りきれなかった凸凹が若干残ってますので、これをキチンと均してやります。こういった部分にはペーパーが届かないことが多いので、コンパウンド処理した方が楽だったりするんですよね。磨きには、京商のセット付属のクロスとPRO-HOBBY(まだあるのか?この会社)のバフスティックを使用。間違ってもリューターにバフ付けて電動ポリッシュはしないこと。あれは、塗膜が外圧にも熱にも強いウレタン塗料でなければ使えない作戦ですから。で、またも地道に作業すること小一時間。

作業後はこんな感じでして、ソコソコ艶も出てるけど、傷も残っていて表面がやや曇り気味な感じです。作業後は、筋彫り等に残ったコンパウンドを洗い流してやります。コンパウンドを変えるたびにちゃんと洗い流さないと、残った洗いコンパウンドの粒子が余計な傷を入れてくれるので、この後に段々目を細くしていく意味がありません。

 次に、モデラーズのコンパウンドを使用。製品には「超極細」って書いてますけど、チューブ入り半ネリ状ってことで実は驚く程の極細ではありません。しかし、成分にワックス剤の様なものが含有されていて、これが傷を埋めてくれる為に、このコンパウンドの目が超が付く程細かい微粒子だと勘違いされてる方も多かったですね(7~8年前の話ですけど)。
 今度は、先の粗目で消えなかった(と言うより粗目コンパウンドによって新たに出来た)磨き傷を消していきます。縦に付いた傷には横方向から磨き、横に付いた傷には縦方向から磨きます。ペーパーがけや粗目コンパウンドの時は避けていたエッジ部分も慎重に磨きます。この中目コンパウンドでの作業も傷消しがメインではありますが、粗目と違って或る程度の艶が出る様に磨きます。力加減は、ソコソコ力を入れないと艶は出ないので、慎重になりすぎてもダメです。此処で頑張って磨くと

↑こんな感じになります。先の画像と比べて、曇りが無くなって蛍光灯の写り具合もハッキリしたと思います。ただし、WAX効果で傷が見えにくくなってるだけの部分も僅かですが残っています。実際、綺麗になったはずのパーツを、コンパウンドのカスを落とすべく中性洗剤で水洗いしてみると、傷が浮き出てくるのが判ると思います。そこで、この状態に更に目の細かいコンパウンドをかけてやることになります。

 最終的に使用したコンパウンドは、ハセガワのセラミックコンパウンド。液体コンパウンドって事で、実際に細かい粒子として扱えそうな雰囲気。実は、巷での評価はそれ程でもない気がするんですが、今回は同社のポリッシュクロスを使用して磨くと、スッゲェ艶が出ることが発覚。

実は、粒子そのものはセラミックっつーだけあって研磨力が高めな気もするんですが、力を入れずにソフトに磨くと、実に深みのある素敵な艶が出ます。今回の様に、コンパウンドの目を替えながら地道に磨いたトドメに使用すると、ホントにソフトな力加減で(磨くと言うより一拭きする様な感じ)磨くと、その効果は一目瞭然でした。また、コンパウンドの削りカスも非常に出にくいので、この行程の後に、組み立てたり窓枠塗ったりでまだまボディをペタペタ触りますので、最終的な「もう一磨き」も、このコンパウンドでイケますな。

此処まで済んだところで、またもボディを水洗い。セラミックコンパウンドの艶に「ひょっとしてこれもWAX入りか?」って疑ったんですけど、洗っても全然艶には変化無し。この状態で窓枠部分の黒をマスキング塗装しておきました。磨いたせいで塗装面が平滑になっていて、マスキングテープの貼り付きも強くなってるので、剥がす時には少し注意が必要。カサブタを剥がすかの如く、そぉーっと静かに、更にテープを垂直方向に持ち上げない様気を付けて剥がさないと、テープに塗装がくっついて、塗装を剥がす場合があります。窓枠のマスキング時にナイフでのテープカットがありますが、このとき塗装面に切れ目が入ると塗装剥げを助長するのでテープだけを切る様に気を付けます。

 と、ここまで済みまして、磨き行程は概ね終了です。最終的には墨入れ後にもう一度軽く磨くんですけど、今回の作業の様な磨きは入れられなくなるので、充分磨き残しがないかチェックしておきます。

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1/24 S13シルビアK`s 製作記 その9

2004年11月02日 | 模型
 30日の日に私ら夫婦に娘ちゃんが誕生しちゃいまして、とてもじゃないが模型どころではなかった管理人です。・・・とか言いながら、何故か作業が進んでるし(笑)。ちなみに、子供の誕生の御陰で、この飴玉二号製作のモチベーションが急激に低下してしまいました(笑)。これの後に作る予定だった自分の愛車であるS15のミニチュア化なんて現状ではやる気さえ起こりませぬ。低下してしまったとは言え乗りかかった船、せめてこのS13だけでも見れる状態に仕上げておきたいところではあります。オーナーさんにも見せたいしね。

 で、結局ですが、運転席側シートについては、度重なる形状変更の作業のせいで、ちょっとヤヴァヤヴァな感じ。本来、シートの表面表現として使ったスウェードスプレーの上には、パテ類は御法度なのですが、やり直す気力が失われてしまい(笑)、リューターで失敗したシートの表面のスウェードを無理矢理剥がしまして、そこにタミヤ製の速乾エポキシパテで形状修正を敢行。このタミヤのエポパテは、乾燥時間も早く食いつきも良く切削も楽なパテではありますが、Myお気に入りのミリプットSと比べると密度感が無くて好きじゃぁないんですけど、作業を進行させる為に使用しました。
 無理矢理形状出しをし、約5時間後に硬化を確認してからナイフでザクザクとモールディングを行い、溶きパテで表面処理を施しサフ吹いてスウェード吹いて、一応BRIDEもどきっぽく座面にグレーのグラデーションを入れて最後にブルーグレーを吹いて完成です(爆)。3m位離れて見るとBRIDEっぽく見える気がする。BRIDEのロゴが入れられれば更にそれっぽく見えると思うんですが、我が家にはドライプリンターもないですし、ジャンクデカールの中はRECARO&SPARCOだらけでBRIDEは在りませんでした。いずれ気が向いた時にワープロ用の白インクリボンと黒インクリボンでデカールを作るつもりですが、取り敢えずはこのまま行くことにします。自作デカールはインクジェットじゃ作れないのが困った物ですな。地方だからデカール製作を手伝ってくれる様な酔狂な模型店も無いですし仕方ありません。
 運転席シートが出来上がったことで、漸く内装の部品が一通り揃いました。

助手席シートの色が少し明るすぎたかな?後部座席の色はひょっとしたら助手席のシートと同色だったりして。しかし、後部は窓にスモークがかかっていてよく見えないのでこのままで良しとしました。嗚呼、我ながらかなりモチベーションが下がってますな(笑)すまん、オーナー。

 さて、シャシーについてですが、手持ちのキットにはS13に対して18インチを奢るという硬派なことをやってくれてるんですけど、ついでにブレーキローターが18インチ用穴あきローターでキャリパーは大型ブレンボというフェラーリF50みたいな状態になってます。ホイールはともかく、このブレーキはS13飴玉2号には流石ににはオーバーキャパだろうってことで、ローター部分をプラ板で作り直し、キャリパーも小型化するというデチューンを行いました。キットのブレーキパーツをローター部とキャリパー部に分解し、プラ板から1.2cm直径の円板をサークルカッターで4枚切り出します。真ん中に1.2mmの穴を開け、それをリューターの丸ノコ用のホルダーにセットして、リューターを回転させながら円板にヤスリを当てると、ウッスラとローター表面に無数のレコード溝状の傷が入ります。円板の裏から黒を吹いて透過度を下げ、表面は付けた傷が埋まらない様にサフ無しのイキナリでシルバーを吹くと、シルバーが乾燥した時に下の傷が浮き出るって寸法です。模型だからといって何でもかんでもブレンボってのは、自分の愛車を再現しようとする時には邪魔でしかありませんですな。

画像はキャリパー部にホイールを乗っけただけなのでローター中心がずれてるっぽく見えますが、実際はちゃんと真ん中に来てますよ~。

 その後、サスペンションを装着し・・・・・・・・・と、ここで大問題発生。車高下げの為にフロントサスショックの取り付け方法を後付け方式に変更したんですが、この御陰で装着時にダンパーの部分に必要以上の負荷がかかってしまい左フロントのダンパーを折ってしまいました。タイヤを接地させる要の部分ですので折れたところを再接着しても強度的に全然無理ですので、一瞬の目眩の後に押入の中の今回の途は別なS13を引っ張り出してこようかって一瞬思ったり、模型屋に行ってS13のキットを追加購入してこようかとか色々考えましたが、ショックアブソーバーの為に流石にもう一個買うのもアホらしい事なので、ここはリカバリー作戦で行くことに。リカバリー方法は二種類思いついたんですが、結局1.5mm真鍮線をナックル側に差し込める様にナックルパーツに穴を開け、そこにアッパーマウント上方から1.5mm真鍮線を差し込んでナックルに固定。アライメント確認後に瞬間接着剤を流し込んで、なんとかリカバリーが出来ました。その代わり、この追加修復作業等の影響でタイロッドは「無し」で作る羽目になりました。
 サスペンションダンパーとハブが組上がったら、一度インナーフェンダー部分の頂点とホイールのセンターの距離を調べ、折れた左フロントのキャスターとキャンバーを調節しながら4輪接地とツライチ具合を纏め上げました。更に、フロントパイプ・触媒をタミヤのエナメルカラーのフラットアルミとクロームシルバーで塗り分けます。更に触媒から出口に延びる形でマフラーを製作。エバーグリーンのプラパイプで作ったメインパイプ(サブタイコ付き)を触媒部分に接続しています。準備が整ったら、GSIクレオスのダークアース・黒鉄色・RLMグレーを混色し耐熱塗料っぽい色を作りました。


 更にですが、完成後ケースに固定する為のアクリル製のナットをミッションケース部分に穴を開け埋め込んでおきます。

 と、これにて、漸く内装の作業は一件落着したのでありました。

 次回はいよいよカーモデル製作のメインイベント「鏡面仕上げ」の行程です。
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