枯雑草の写真日記2

あの懐かしき日々を想いながら・・つれずれの写真日記です。

山巓に独り立つ・・、備前 福生寺 三重塔

2010-07-26 | 古い神社や寺で
           岡山県備前市大内の大滝山福生寺(ふくしょうじ)(真言宗)。
          国道2号線から北へ、熊山の中腹に2kほど。その昔、唐僧、鑑真和尚が修行
          の道場としたと伝える所。
          最初の現れるのが仁王門。江戸時代初期の建立とされており、風格のある門
          です。背面中央間内側に蟇股を飾る珍しい形式。
          少し行くと谷川に沿って賽の河原。趣ある奉納石仏群に出会います。
          本堂の背後の山道を上った高みに、下界を見おろすように建つ三重塔。

          室町時代(1441年)将軍、足利義教により建てられたと伝えます。
          総高19.7m、瓦葺き。初層中備えは、三間とも凝った形の蓑束(みのつか)。
          軒の出も深く、軒先の反転が目立つ塔です。
          昭和20年代の大改修によって、新たに置き換えられた木材。見上げると、
          古材の中で、その白い木肌が独特の雰囲気を造っていることに気付きます。
          昔は、この塔の近くにも多くの堂宇があったといいますが、今は山中に独り立つ
          弧塔です。取り巻く山の緑の中で、何処となく寂しげな風情でした。