浅田次郎の本は好きなほうで、結構よみました。
久々に読んだ浅田次郎の本
短編集なのですが、これほどまで切なくて、そしてハートウォーミングなものがたりを
この短編で読む者をひきつけるのはないのだろうかと思うぐらい、切ない・・・
いきなりのタイトル作 月島慕情
恋する男に身請けされることが決まった吉原の女が・・・男の真実を知ってしまい
選んだ道・・・
女のおいたちは信州の山村、いわゆるくちべらしで身売りされた、その身売りされた時の
ことが描かれてるのがとても切ない、わずか11歳で売られていく・・心がきゅっとくる
身請けする男は、家庭もちだった、それも家族に貧しい暮らしをしいているのだった・・
その真実がわかる場面がとてもせつない。
冬の星座
このものがたりの最後は
冬の星座の歌詞でおわっている、人生の終わりのところでこの歌詞がでてくるのが
とても切ないな・・
木枯とだえて さゆる空より
地上に降りしく 奇しき光よ
ものみないこえる しじまの中に
きらめき揺れつつ 星座はめぐる
ほのぼの明かりて 渡るる銀河
オリオン舞たち スバルはさざめく
無窮をゆびさす 北斗の針と
きらめき揺れつつ 星座はめぐる
・・・・・・・・・・・・・・
浅田次郎のものがたりは、弱きものの応援歌でもあると
それを切ないのだが、あたたかく描いてるところがすばらしい
久々の浅田次郎はたしかに心に何かをのこしたようだ