著者は神谷秀樹
住友銀行入行後、ゴールドマンサックスに転職、92年ロバーツ・ミタニLLGを創業
ということで著者自身、投資バンクとしてウォール街に身をおく立場にある、
その視点から、現実のなまなましい強欲なウーォル街の現状を報告する。
読んでみて、なかなか本質をずばずばとついた感じがよかった・・
モノがつくれなくなったアメリカ
GEの収益のうち家電部門がしめるのはもはや14%にしかすぎず、将来性のない、不採算部門と判断された、現在GEで最も大きな収益をあげている部門は金融部門だ、住宅ローン、クレジットカード事業を手がける・・・
モノがほんとに作れなくなってるんだなと、今のビッグスリーを見ていたらあきらか、それに完全にモラルハザードのアメリカ、浪費天国、ものを買うのは金が無くても借りて消費・・浪費するそんなモラル欠如のアメリカ国民 すべては金融
株主資本主義の欺瞞
彼らは「目にみえる現金」しか信じない、それは「経費削減」から生まれるのであって、新商品を開発し、未知の市場を開発し、売り上げを伸ばすことによって生まれることではないと考えてる・・・・株主資本主義は欺瞞にみちている。
アメリカではCEOと一般従業員の所得格差は広がる一方、2005年には262倍という格差、・・・その一方でアメリカでは健康保険に入れない人が4000万人いる、必要な予防接種もうけられない子供もいる、これがもっとも発展した資本主義がもたらす社会の姿というならば、現在の資本主義は決して人間を幸福にするシステムではない。しかし、強欲に根ざした株主中心の考え方、そしてファンドの支配が進むことにより、世の中は間違いなく不公平な格差社会へと突き進んでいく。
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書き出すときりがありませんが・・・
結論としては金融資本、ファンドの経済支配が進むのは資本主義の破綻をすすめるということ、モノつくりをすすめる資本主義にシフトする必要があるとのこと・・
なるほど・・納得の本でした。