しのびよる破局 辺見庸、もの食う人々の著者
この本の中心は、派遣労働者、ホームレス、いわゆる負け組と世間でいわれてる人々です。
読んでいて思っていたのですが、TVをはじめとしてマスコミで目隠しされてるように思えるの
ですが、下層の人々というのは自分が思ってるよりもはるかに多いであろうと想像できるのです。
日常的な生活で振り返ればこの苦しい層の人々との付き合いはほとんどないし、自分とおなじ立場の
ような人々とのつきあいになってる、実感としてこの層の人々の多さが感じられないでいるように思う。
これは一種、小泉構造改革によって格差社会が加速度をまして進んできた中で、まずいものには
ふたをして見えないようにしようという意思が政治家 評論家 マスコミに働いてるのかと感じざるをえない。
以前群馬の工場の農薬混入事件、45歳の派遣労働で妻もこどももり給料は15万そこそこ
これが今の現状だろうと思う、これでは生活が成り立っていかない。
・・・著者のところから抜粋ですが・・・
私的なつつましい褻の日々とごくまれな晴の公的な日々や祝祭の区別があってごく自然ですが消費資本主義とその潤滑油
であるマスメデイアとりわけTVが褻の時間をのべつ幕なし狂躁的の時間に変えていったのです。
人は市民であるよりもただただ市場活性化の為に狂躁的に消費する、消費させられる奇怪な生命体に変えられていきました。
・・・・・富者はますます富み、貧者はますます貧しい蟻地獄に落ちていく、今格差というより露骨な階級分化が始まってる。
著者はファシズムに関してもいってます。
自分が今感じてるのは、フアシズムの道を歩んでると思います、まずもって政治権力をしばるべき憲法を改正しようと
する動きがとん挫すれば次は解釈改憲で海外派兵を自由にできる体制にもっていく、殺し殺されていく国民になる
ペルシャ湾の機雷の掃海作業なんて敵からみれば戦いの相手国になるわけですから間違いなく殺し合いになる。
イラク戦争のイギリスのようになるのは目にみえている。
ドイツのワイマール憲法体制がくずれていきナチスドイツにかわっていったのもまずは秘密保護と憲法の解釈変更から
である、
・・・・・
メデイアはなんにも変わっていない、街では何万人という首を切られた労働者たちが、住と職を求めて寒空を歩かざるをえない
飢餓状態みたいなのが一方にある、もう一方でテレビで大食い競争やグルメ番組が平然と品格なく垂れ流している。
グルメ番組というのはほんとに品がない。
・・・・・
青年たちが、障害者があるいわ年老いた人々が、排除されてもよいものとして路上になげられてる時に
それを痛いとも感じなくなって、わが身の幸せだけを噛みしめるような人生というのはなんてゆがんでいるのだ
という感性だけは失ったら終わりだと僕はおもいたいのです。・・・・と辺見さん。
読んでいてほんとに破局がきつつあるという危惧を感じる。
自分たちの目に見えないところで生体の悲鳴が日々起こってる
最近のいろんな事件、子供を飢死させてしまった、だれでもいいから殺したかった、など以前にまして事件が
増えている、がそこから見えるのは生活の破滅、精神の破滅であって、ただ特別な人として見るだけであるが
そこに目に目ないおおくの下層の人々の悲鳴があるのでは
自分たちはそこに目をむけないように社会的にマスコミんどで目隠しされてるように思えてきた。
長くなりましたが・・・・