KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

WOC・登山部 2018.05.23 稲叢山

2018年05月24日 | 四国の山
先週末から天気のいい日が続き、湿度も低くて快適な日が続いていました。

が~!今日に限って雨!明日は晴れ!

やっぱりこれは『セニョさんの呪い! (~_~;) 』

WOC・登山部でほぼ皆勤賞だったセニョさんが、お店をオープンしてから

2か月近く登山部に参加できていません。かなりのフラストレーションが溜まっていることでしょう。

毎週楽しく登っているメンバーを横目で見ながら、あのお店のテラスで

『雨ごい』の念仏を唱えている?・・・・・との噂が。



今回は『シロヤシオ(五葉ツツジ)』が満開だったという情報を見て、

今年はどの山も花の開花が早いので『オオヤマレンデ』も観られるかも

しれないと思って『稲叢山』を企画しました。

ただこの天気ですから、『シロヤシオ』が満開だったという『渓谷コース』は諦め、

『トンネルコース』を軽く往復して、その後は『WOC・温泉部』

汗を流して、時間があれば観光という内容です。



二週続けて11名の大所帯から今日は一変して5名の少人数の参加です。

いつものように集合場所へ向かう途中で『メスコアラお嬢様』をピックアップ。

今日はザックに温泉用の着替えを入れたバック、さらには『寒風山トンネル』へ向かう途中にあるという

名水で水を汲んで帰るというので、3Lの大きなペットボトルを2個抱えて現れました。

その名水は地元の人に聞くと西条市の名水・打ち抜きの中でも一番美味しい水が出てるとのこと。


メスコアラ : 『あのね~昨日KAZSHIさんの夢みたんよ!』

私     : 『お~!どんな夢(さぞかしいい夢だったんやろな)』

メスコアラ : 『本当はKAZSHIさんが悪人やったという夢!』

私     : 『 ( ゚Д゚) 』

メスコアラ : 『凄く裏表があって、普段はいい人ぶってるけど、

         本当は相当悪い人やって誰かが言ってた!』

私     : 『誰やそいつは! (; ・`д・´) 』

メスコアラ : 『わからんけど、誰かの声が聞こえてきた!』

このところ執事としてちゃんとお勤めしているのに、どうやらメスコアラお嬢様の潜在意識の中には

私は裏表のある人間やと思いがあるようです。

いつものように、こんな会話から始まり丸亀の集合場所に到着。

その後2カ所でメンバーをピックアップした後

高速道路を走り西条市から国道194号線を『寒風山トンネル』に向かって南下します。

ただ『メスコアラお嬢様』のお目当ての道の東側にあるという『名水』が見当たりません。

取りあえず帰りにまた探すということで、『寒風山トンネル』を抜け『大橋貯水池』から登山口に。

相変わらず雨は止みそうにありません。久しぶりに雨具を着て9時45分にスタートしました。




と言っても今日は帰りに温泉に入るので、少しぐらい濡れてもいいので傘をさして気軽な格好です。

『麺法師』さんの足元も・・・・・。




登山口から尾根の分岐までは2カ所ほどグレーチング(鋼製のメッシュ)の橋を渡ります。

先週の『西赤石山』の『上部鉄道跡』で怖がって

なかなか渡れなかった『メスコアラお嬢様』も難なくクリア!この高さなら問題なさそうです。




しばらく歩くと苔むした日本庭園が現れます。

雨で濡れた苔がみずみずしく生き生きとしていて、とてもきれいです。




ほどなく分岐に到着。ここから右に折れると『西門山』。左に折れると『稲叢山』です。




一つ目のピークまで岩交じりの道が続いています。少し汗ばんできましたが気温も低く快適です。











最初のピークを左に回り込み、しばらく進むと『鉄塔広場』です。







広場を少し下がったところにはお目当ての『オオヤマレンゲ』が!

しかしまだ早かったようで二つほど蕾が目についた程度でした。




今日の案内に『オオヤマレンゲは“森の貴婦人”と呼ばれています。』

『多分誰かが“まるで私のよう!”と言いそう!』と書きました。

蕾を付けた木を前に『これが森の貴婦人です。』と説明すると、お決まりで『メスコアラお嬢様』が

『森の貴婦人。まるで私の様』と言ってくれました。

普段から案内の内容をあまり読まない『姐さん』が横で聞いていて、何の事かわからず、

『メスコアラお嬢様』に『森の貴婦人?この子何よん!』と・・・・・。




鉄塔広場から一旦下がって、次のピークを登って行きます。といっても尾根筋ではなくピークを

回り込むようにして続く道は勾配も緩いのでいいペースで歩いて行けます。

雨の中のそぞろ歩きもおつなものです。








おっと!ここで問題の橋?が現れました。




今日は前回のように優しく一緒に渡ってくれる『杉さん』がいません。

後ろでは手を貸すでもなくコアラさんが写真を撮ろうと構えています。

さあ果たして『メスコアラお嬢様』は

どうクリアするのか?とみんながニヤニヤと見守る?なかを・・・・。




1.まず川上(高さがない方)に向く。 

2.川下は傘で隠して見えないようにする。

3.けっして足元は見ない。

4.手摺を握って離さない。   前回で学習したようで以上のような方法で何とか渡ってきました。

2カ所ほどあった橋を渡りピークを回り込むとダム湖からのコースへの分岐です。

 


分岐から山頂までは二つの小さなピークがあります。一つ目のピークの手前から

登山道の様子が少し変わってきます。足元には木の根が露出して少し歩きずらくなります。

そして道の両側には『シャクナゲ』の木が目につき始めます。




まだ花の残る木も次第に増え始めました。




一つ目と二つ目のピークの間の緩い鞍部では、足元に白い花びらが散っていました。

ひょっとして?と思い見上げると『シロヤシオ』の花が!

もっとたくさんの花をつけた枝があったのですが、高い位置にあってこの雨の中では

綺麗な写真を撮れませんでした。







探せばもっと花が残っていたかもしれませんが、周りが白い景色の中ではなかなか見つけられません。

それよりもピンク色の『ミツバツツジ』の方が目につきます。

花を残す『シャクナゲ』もどんどん増え始めました。










山頂手前からはまた『根っこ坂』が始まります。

ここで先頭を歩く『姐さん』が根っこに足を引っかけ転倒する場面がありましたが

身軽な『姐さん』は写真を撮る間もなく、直ぐに体制を取り戻し何事もなかったように歩いていきます。











そして山頂は予想通りガスの中でした。大岩の下からから強い風が吹き上げ、

さしている傘が飛ばされそうになります。




大岩の突端で下の景色を覗いている写真。

Facebookにアップしたこの写真を見て、後ろ姿と手の位置がズバリそのもので

『立ちションしたん?』と言われましたが、皆さんがいる面前で

しかも神聖な祠の前で・・・・・罰が当たったら大変です。





『麺法師』さん、恒例の三角点万歳!








ここで2年前の6月3日に歩いた時の写真です。

1.鉄塔広場からの眺望 2.オオヤマレンゲ 3.山頂からの眺望










またこの景色を見るためにここに戻ってこようと思います。

記念撮影をした後はさっそく下山開始。『メスコアラお嬢様』山頂下の岩も意外と難なくクリア!




下りの根っこ坂も期待していた?アクシデントもなくクリアし、

鬼門の橋も・・・・・・・なんとか! 『カニの横歩き』ならぬ『メスコアラの横歩き』です。

ひょっとしたら目をつぶって渡っているのかもしれません。







久しぶりの雨をブナの木も、ブナの木についた苔も喜んでいるようです。







2時間強で全員無事に登山口に戻って来ました。




雨に濡れながら雨具を脱ぐのも、と思ってトンネルの中に入ると

風の通りがきつくて『姐さん』飛ばされそうです!




雨具を脱いで車に乗り込み『稲叢山』を後にします。

峠をほぼ下りきると『四国電力・本川発電センター』があります。時間もあることなので

温泉に行く前にここのプラザを見学することに。




このプラザではや四国の『水力発電所』を映像やジオラマを使って

紹介している自由に見学できる施設です。

『本川発電所』は下の『大橋貯水池』の水を夜間の電力を利用して、上の『稲叢ダム』へ汲み上げ、

その高度差を利用して下に流して発電しているそうです。しかもその発電所は地下30mにあり、

発電量は四国の水力発電のおおよそ半分を発電しているという『マンモス地下発電所』です。

このプラザだけでなく、予約を入れればその『地下発電所』も見学させてくれるらしいので

今度またWOC・登山部で見学してみたいと思います。




発電センターを見学した後は『道の駅木の香』のレストランで昼食です。

先ほどまで『お腹が空いた~!』とうるさかった『メスコアラお嬢様』は、なぜか一人だけ先に

温泉に入りに行きました。残りの4人でそれぞれ料理を注文。

私と『麺法師さん』はキジの肉が入っているという『キジ・セット』を頼みました。

セットの半ラーメンは出汁も麺もなかなかおいしく、あっという間に完食。








食事を終えてしばらく雑談をしていると『姐さん』から素朴な疑問が出てきました。

姐さん  : 『なんで、みんな山に登るんやろね?』

姐さん  : 『KAZASHIさんはどうして?』と聞かれてしばらく考え込みました。

私    : 『まずは登頂の達成感と、私は山頂や途中で見える展望かな?』と答えました。


あと思うに、山登りがスポーツになるかどうかは分かりませんが、タイムや順位を競うものでなく

それぞれの人がそれぞれの価値観で歩いていいということ。

山の四季は町中でいるよりもっとはっきり感じられ、

季節の花を見るために出かける人、また目標をもって(日本百名山や四国百名山)取り組む人。

三角点をめぐる人、普通の道より人の歩いたことのない道を歩く人。

それぞれのスタイルで束縛されることなく自由に歩けるのがいいのだと思います。

今、毎週WOCで一緒に歩いているのは、その価値観が近く、取り組むスタイルに拘りがなく

何はともあれ一緒に歩いていて楽しい・・・・・。これに尽きると思っています。


ひとしきりの雑談を終えてレストランを出ると丁度『メスコアラお嬢様』が温泉から戻ってきました。

ところが温泉上がりのスッピンの顔の眉毛が上に吊り上がっています。

道の駅の人に『温泉はどこですか?』と聞いたら『向かいの建物です。』とだけしか

教えてくれなかったので、温泉の入り口とは反対側の川沿いを歩いて行ったら

入り口はなく、ぐるっと建物を一周してしまったそうで、

『雨にも濡れるし、おまけに温泉はぬるいし、後から入ってきた親子は

掛け湯もせずに湯船に入ってくるし!』とめちゃくちゃ怒っています。



いつまでたっても怒りが収まらないので、入り口で別れて温泉へ・・・・。




たしかに『メスコアラお嬢様』の仰る通り湯温は少しぬるめですが

ゆっくりとお湯につかりながら、湯船の外のガラス越しに見える雨と山の景色を眺めていました。


温泉を出るとレストランの入り口で食事を終えたお嬢さんが立っています。

メスコアラ : 『ここの施設ってどこが経営してるんかな?』

私     : 『どうして?』

メスコアラ : 『お客さんがいる横で、大声で従業員がしゃべじょるし、温泉の受付も

         愛想が悪かったし!なんか素人ばっかりで最悪!』

と、先ほど以上に口を尖らせてヒートップしています。



帰りは『寒風山トンネル』を越えて、行きに見つけられなかった『名水』探しです。

最初は『麺法師さん』が記憶していたトンネルを抜けてしばらくの所にあった

道路の西側にある吹き出し口に寄りました。すると、

メスコアラ  :  『ここじゃないです。道路の東側にある所!』


仕方がないので車を走らせながら、それらしい場所で速度を落として確認していきます。

メスコアラ  :  『ここじゃないです。もっと路肩が広いところ!』
     
次の所でも

メスコアラ  :  『道の反対側には建物はなかった!』『こんな看板はなかった!』等々

『木の香』でヒートアップしてしまった『メスコアラお嬢様』はいつになく高圧的な物言いで、

運転するのがやさしい『麺法師さん』だからいいもの、遠慮のないIRIBITOさんなら

とっくに『むかつくわ~!』と言っているところです。それでも

今日は私だけでなく『麺法師さん』も『お嬢様』の下僕。みんなニコニコしながら付き合っています。


結局『お嬢様』の行きたかった『名水』は見つからず、増々ご機嫌が斜めになってきました。(笑)


気を取り直して今日の観光にしていた『西条市市民の森』へと向かいます。

ここは高速道路を西条ICを過ぎたあたりで、いつも山の上に見える不思議な建物がある公園です。

『あの大きな建物なんやろな?』『宗教施設かな?』などとみんなで話していた場所です。

公園への上り坂を登って行くとそれは弥生式住居を模した『考古歴史博物館』でした。





館内にはこの公園のある八堂山遺跡や市内の遺跡から出土した、

出土品や資料が展示されていました。







そしてベランダに出ると少し天気の回復した西条市の市内が見渡せました。

山は濃いガスの中だったので、今日初めての展望です。










『考古歴史観』を見学した後は、せっかく大きな3Lのペットボトルを2個も持ってきた

『お嬢様』のために市役所の横にある『うちぬき』に・・・・。

『うちぬき』からはきれいな水が湧き出し、その横の川も市内にあって透明度が高く

とても風情のある風景です。










そして最後はさらに海の方にある『弘法水』へ。

この『うちぬき』は海のすぐ横で港の先に突き出した場所にありました。

海の上にあるのに湧き出る水は塩っ気もなく、不思議な『うちぬき』です。










少し残念な空模様の一日でしたが、それでも中止せずに新緑の森を歩き、食事をして温泉に浸かり、プチ観光。

『晴れの日』とはまた違った趣のある山の表情も見れて、楽しい一日でした。