KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

WOC・登山部 2018.07.25 寒風山

2018年07月26日 | 四国の山
このところの猛暑・酷暑が続き、昨日の最高気温は36度超えという

以上な気温が続く中、今日も登山部は歩いてきました。但しやはり部員の体調が心配なので

(前回先輩は顔面から前に転び、Nさんも笹道で足を滑らせ、麺法師さんも足を痛めた)

『困った時の寒風山』(行き先を思案した時、寒風山なら間違いない)

なら高度差もさほどなく標高もそこそこあるので、

山頂はこの時期でも少しは涼しいと思い、出かけてきました。


前回はWOC・登山部最高の参加者14名を記録しましたが、今回も違った記録を

更新しました。それは男性3名に対して女性5名という構成です。


今日はかしまし娘の長女・先輩と三女・お嬢様が参加。

当然執事は二人を集合場所まで送り迎えをまずは担当します。

お嬢様は前回に続いて今回は、三段重ねの蕎麦を凍らせて来たと先輩と後部座席で話をしています。

それを聞きながら、(上下に挟まれた二段目は溶けにくいやろな~)と一人にやけていました。

集合場所から豊浜SAで残りの二人をピックアップして寒風茶屋に着いたのが9時過ぎでした。




9時20分登山口をスタート。いつものようにいきなりの急登です。

先頭集団は賑やかにおしゃべりしながら登って行きます。前回のレポートで『愚痴が酷い』と書いた

のを気にしているのか、今日はお嬢様は静かに登っています。







日差しは木々に遮られていますが、既に額からは滝のように汗が流れています。

鳥の鳴く声がそこら中から聞こえてきます。

その内お嬢様が

お嬢様 :  『汗が酷くなってきたから、ザックからタオル出してくれん!』

執事  :  『ハイ!かしこまりました!』

背中のザックのファスナーを開けて、一番上にあるタオルを出して渡すと、

お嬢様 :  『違う!赤いタオルの方! (; ・`д・´) 』

執事  :  『も・も・申し訳ありません!』


手渡したタオルを首にかけ歩きだそうとした時、私の顔を見て『凄い汗やよ』と言って

タオルを忘れた私に、まだタオルがあるからとザックの中で凍ったペットボトルを巻いていた

タオルを貸してくれました。冷えたタオルを首に巻くと気持ちがいい!

苦節〇〇年、執事はうれしゅうございます。




急登が終わろうとする頃、

お嬢様 :  『あ~疲れてきた!』(週末に遍路歩きをしているせいか?)

       『やっぱり二日間では回復せんかな?』

執事  :  『ハイ!年が年ですから・・・・・お嬢様。』


樹林帯をそろそろ抜けるころに前を歩いていた山さんが、

『汗が出切るまでやっぱりしんどいなぁ~』と言いながら最後尾に下がってきました。

では私が執事、山さんが下僕と言う事で・・・・お嬢様の後ろを歩いて行きます。




綴れ折れの道から尾根の下を回り込む道になると足元は笹の道になります。

毎年夏の時期ボランティアで橋本さんが笹を刈ってくれているのですが、

今年はまだの様です。(桑瀬峠から寒風山への途中の梯子やロープもすべて橋本さんの

ボランティアで設けられています)


桑瀬峠まではスタートから55分。ほぼコースタイムで到着しました。

峠ではいつものように風が吹き抜け、汗を掻いた体に涼風がとても気持ちがよく

水分補給のしばしの休憩です。




桑瀬峠からもしばらく笹の道が続きます。いつになく伸びた笹ですが先週のちち山に比べれば

足元もまだ見えて、それほど苦にせず歩いて行けます。




峠からの途中、尾根の東側から西側に回り込むと、山頂手前の岩壁が見渡せます。

この先も尾根を右に左にトラバースしながら進んでいきます。

この辺りから足元に小さな花が目立ってきます。







ヒヨドリバナ



シモツケソウ



段差のある岩場ではステンレスの立派な梯子が掛けられ(最上段には危なくないように手摺まで

付けてくれています)、先ほどまでの笹道歩きと違ったワイルド感も出てきました。




お嬢様も苦も無く登って行きます。(但しストックを持てと度々執事に指示が出ますが)




途中で一番目についたのがシモツケソウとこのイワキンバイ



途中の見晴らし台では正面に伊予富士と周辺の峰々が見渡せます。




山頂直下の鞍部の手前では、このコースで一番長い梯子がかかっています。

この辺りもあちらこちらに花が咲いています。Mさんも写真を撮るのに夢中です。

その上で少しビビっているお嬢様。




西側が谷筋になっている場所では涼しい風が吹き上げているので

一息入れるのにはもってこいの場所です。




足元に岩がゴロゴロし始めると、いよいよ樹林帯も終わりになり、森林限界となります。







その急坂を上り切るともう少しで山頂。また笹道が始まります。

桑瀬峠から見るとガスがかかっていたので、展望がなかったら・・・・と心配しましたが

雲が広がっているものの青空が広がり、気持ちのいい笹道歩きです。







お嬢様 : 『山頂はどこ?』

執事  : 『あの岩の向こうです!』

お嬢様 : 『いつももう少し、あと少し言うてウソつくからな!』

執事  : 『ハイ!ですから向こうです!』




相変わらず明るく元気な『登山部乙女強者隊!』







この暑さにもかかわらず山頂直下の笹原は濃い緑で生き生きしています。

そのせいか空の青さもまた違った空色に見えます。







峠から山頂へもほぼコースタイムで到着しました。




雲が多いせいもあってあまり遠くまで見渡せませんが、吹く風も心地よく

汗をたっぷり掻いて登ってきた甲斐がありました。













今日は皆さん麺類のお昼が多いようです。

暑いこの時期はご飯類よりも麺類の方が喉を通りやすく、普段だと飲み干さない汁も

汗を掻いた体にピッタリの塩分摂取ができ、最後に一気に飲み干します。







お嬢様も例の三段重ねの蕎麦を取り出しましたがやはり2段はほぼ凍った状態です。

他の人の味噌汁用にお湯を沸かしていた私に

お嬢様 : 『も~凍っとる!これにもお湯かけてよ!』

執事  : 『ハイハイ、承知しました。』

ところが麺にはすでに汁を掛けているではないですか。少し遠慮気味にお湯をかけて手渡すと

お嬢様 : 『全然溶けてないやんか!お湯かけたん!』

二つ目の椀の中の麺はさらに凍っています。でもこれも汁を入れてしまっていたので、

お湯を掛けずにしばらく陽に当てて置いてから手渡すと

お嬢様 : 『お湯かけてないやんか!』

執事  : 『でも汁が薄まってはいけないと思いまして。』

お嬢様 : 『私は薄くなってもかまんの! (; ・`д・´) 』

ここはグッと我慢のしどころです。

最後の椀の麺をガリガリと音を立てて食べるお嬢様を横目で見ながら、

(お嬢様、蕎麦は喉ごしで頂くものです、けっしてかじるもんではないですよ!)




山頂での記念撮影をした後、もとの道を下って行きます。山頂北側を回り込んで笹ヶ峰への

道が続いています。

ここから笹ヶ峰までの道はWOCはまだ未踏の道です。いつかはまた歩きたいとな!










帰りは最後尾で往きに写せなかった花々をのんびりと写しながら歩いて行きます。

トゲアザミ



シコクフウロ



ナンゴククガイソウ






途中でお花畑に寄り道をします。

この時期岩場に沢山の花が咲いている見所の場所です。花畑の入り口で、

お嬢様 :  『どんなところなん?大丈夫かな?』

執事  :  『ん・・・・ん、たぶん?』

お嬢様 :  『ウソや!私ここで待っている!』

私が返事をした後にニヤと笑ったのをお嬢様は見逃さなかったようです。

途中まで行って高所が苦手な山さんも戻って行きました。

先に行った乙女強者隊からは何やら悲鳴なようなものが聞こえてきました。

途中は左側が切り立った崖。元気なOさんも慣れないせいで腰が引けています。







なんとか花畑の中間に着いた強者隊も、岩にしがみついて離れようとしません。

他の人が立ち止まっいているのに、一人だけさらに先の岩までMさんは平気で登っています。

『最強乙女強者伝説』の始まりです!







いつもに比べると花は少なめですが、あちらこちらで岩の間から

可愛らしい花が顔をのぞかせています。

タカネマツムシソウ



コウスユキソウキ



タマガワホトトギス



花畑の入り口まで戻ると、皆さんが口をそろえて『怖かった~』と言っています。

その話を聞いてお嬢様が『やっぱり!』と言って睨んできました。

下りが苦手なお嬢様も、このところのトレーニングでそこそこのペースで歩いていますが、

やはり急な岩場とか梯子では途端にペースが落ちます。



ヤマアジサイ



花畑の岩場を楽しんだ後、桑瀬峠までは珍しく?隊列を組んで歩きます。










最近ずっと思っていたのですが、お嬢様の帽子と日よけの間から出ている後ろ髪が、

なんとも犬の尻尾に見えて仕方がありません。




桑瀬峠に着くと登山口まではあと一息です。
















峠から登山口までもおしゃりしながら道標に書いてあった時間通りに到着しました。




さすが『困ったときの寒風山』。

急登から始まり樹林帯、途中の岩場と梯子そして笹道と笹原山頂。変化にとんだコースで

途中に咲く花々を眺めながら、飽きることなく急ぐことなくのんびりと歩けるいい山です。


帰りの車中では、西条市内のコンビニに着くまで静かだった先輩とお嬢様が

(コンビニに着くまでは死人のような先輩でしたが)



最近のルーティンでビールを買った後はゾンビが蘇り、

他の人の会話が聞き取れないくらいに騒がしくなりました。

最後には私執事のお迎えが悪いと言い出し(家の前まで迎えに来いと!)

誰のお陰でビールが飲めよると思っとんじゃ!と声を出して言いたい気持ちを抑えながら

ビールとおつまみのスルメの匂いがプンプン漂う帰りの車中。


集合場所まで戻り二人が乗り込んでくると、気を使ったのか先輩がビールのロング缶を

送迎のお礼にと助手席に置いてくれました。

お嬢様を自宅で降ろし今日は先輩も自宅に送り届けた後、

もらったロング缶を手に取ってみると、缶がなにやらベトついていました。

缶を座席に置いて、ベト付いた手を匂ってみると強烈なスルメの匂いが!

『先輩! (;´Д`) 』

(花の名前については自信がありませんので、あしからずです)