KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

WOC登山部2018.10.03石鎚山

2018年10月04日 | 四国の山
今週のWOC登山部は西日本最高峰でかつ一番早く紅葉が訪れる『石鎚山』

12名(男性7名・女性5名)で出かけてきました。

メンバーの中では何度も登っている人もいれば、初めて歩く人もいます。

でも既踏のメンバーもどうやらこの時期に訪れた事がないようですし、

初めての人には是非、『弥山』から『天狗岳』の景色を見てもらいたいと

思って企画しました。さらにオプションとして希望者は『東稜コース』

『南突峰』に上がり天狗岳から弥山へと歩いてもらうという

内容です。これなら初めての人も、既踏の人にも満足してもらえるはずです。


先週に続いて今日も『偽かしまし娘の先輩とお嬢様そしてアミちゃん』が参加します。

車の都合で残りのMさんOさん、計5名の女性陣はIRIBITOさんの

ワゴン車に乗ってもらいます。山さんの車には私も含めて5名の男性。

IRIBITOさんには申し訳ないのですが、これで往き帰りの道中が平和な移動ができそうです。



2台の車で松山ICまで走り、国道33号線を南下。久万町から面河、そして石鎚スカイラインを

通って『土小屋』の登山口まで向かいました。

スカイラインの途中の『御来光の滝』展望台で

青空の下そびえ立つ石鎚山や御来光の滝を双眼鏡を覗き込みながら眺めます。







『日本百名山』『日本七霊山』のひとつの石鎚山。ここから見える岩肌に囲まれたその姿は

『立山』『白山』に負けず劣らず見事な形をしています。


土小屋の駐車場はほぼ満車の状態です。身支度を整え駐車場をスタートしたのが9時55分。

予定より1時間弱遅くなりました。







国民宿舎への舗装路から登山道へと入って行きます。しばらくはよく整備された道を

いつものようにおしゃべりしながら歩いて行きます。







直ぐに1542mピークの横を過ぎ、徐々にゆっくりと高度を上げて行きます。

途中で数人の団体や二人連れなどの若い人たちに道を譲って先に行ってもらいます。

足元を見るとスニーカーに小さなザックといった軽装の人たちばかりです。

土小屋からなら2時間強での登れるので、本格的な登山ではなくちょっと観光気分の

人たちも大勢いる二面性を持っている山です。







最初の尾根道から『鶴ノ子ノ頭』の北側を回り込み

また尾根に出ると、時折石鎚山が顔をのぞかせてくれます。




尾根の南側の道は日当たりもよく、かと言って暑いわけでもなく、

次第にエンジン(体)も温まってきてペースもよく歩いて行けます。

最後尾はお嬢様と今日の執事役の杉さんが歩いてくるのが見えます。







時々、もう山頂から下りて来たトレラン姿の若い女性や男性とすれ違います。

その内若い男子二人に山頂まで『どれくらいで走るん?』と聞くと

『1時間くらいで!』と返事が返ってきました。『ヒエ~!』と驚くと同時に

『もったいない・・・・・』という気持ちがわいてきます。


土小屋からの途中からペースが一緒でずっと後ろから付いてきた単独の女性は

ラジオをかけながら歩いてきます。時々そのラジオの話を聞いて一人笑いをしています。

人気の少ない山ならわかるのですが、付かず離れずメンバーに付いてくるので

ラジオの音が少し耳障りです。


1677mのピーク辺りでは道を曲がるたびに山頂がどんどん近づいて見えます。

そのたびにデジカメのシャッターを切り、そして何枚撮っても今日の石鎚は絵になります。










1時間弱で『東稜基部』の第三ベンチに着きました。

予定ではセニョさんと麺法師さんを東稜コースに案内するつもりでいたのですが、

IRIBITOさん、Mさん、先輩、アミちゃんも歩くと言う事です。

前回歩いたのが2011年ですからずいぶん時間が経っています。案内するといったものの

人数が多くなると多少不安になります。残りのノーマルコースを歩くメンバーとはコースタイムからすると

東稜コースのメンバーとは時間差ができるので、弥山で待ってもらうことになるでしょう。

ノーマルコースのリーダーの杉さんとそのあたりの打ち合わせをして、

ベンチの横からいよいよ東稜コースへと突入です!








第三ベンチから尾根に出るまでは急登を踏み跡を辿りながら登って行きます。

もちろん『通行禁止』ですから赤テープなどはなく、それでも以前に比べると踏み跡が

しっかり付いているのでほとんど迷うことはありません。








尾根に出ると笹道が始まります。笹をかき分け踏み跡を確認しながら辿って行きます。

途中で後ろから来た男性に先に行ってもらいます。

すると男性が『このコース、初めて?』と聞くので

『大丈夫です!』と答えると、『以前はバリエーションルートだったけど、もう高速道路やな!』と

言って歩いて行きました。そういえばこの笹道も、笹の背は高いものの足元が踏み固められているので

迷うことなく進んでいけます。







途中で道の両側に丁度肩幅ほどの間隔で木が並んでいました。

そのまままっすぐ通って後ろから来るアミちゃんに

『さぁ通れるかな?』と言うと『当たり前や!』と答えて横向きに通過しました。

アミちゃん、それ反則やで!




その内に『矢筈岩』『笹滝』が姿を現しました。

矢筈岩の左側の笹滝(エントツ山さん命名)を目指して今から登って行きます。

右からガスが流れてきて、何とも言えない幻想的な雰囲気を漂わせています。







まずは矢筈岩の右の岩稜の足元を目指し、相変わらず濃い笹の中をまるで平泳ぎをしているように

その笹をかき分けながら歩きます。

振り返るとアミちゃんが笹の中に埋もれています。







笹滝の中央を通る道は、降雨の時の水の通り道にもなっているのか、

掘られたように踏み跡が続いています。

時折ある段差も高く、まず両脇の笹をかき分けそして強く握り『よっコラショ』と体を持ち上げます。










ここでも一旦振り返ると吸い込まれそうな『南沢』へと降りて行く笹滝が続いています。

冬の積雪時なら手で丸い球を作り転がすと、どんどん大きくなって巨大な雪だるまが出来そうです。










笹滝を登りきり一旦最後尾が着くまで待って一息入れます。

いよいよ目の前には南突峰が目の前に迫ってきました。

周りの彩もますます色づき、青い空にそびえる岩そして赤や黄色の錦秋のコントラストが最高です。



















笹滝の上部には結構高さのある岩が二カ所ほどありました。まずは私が先行して後ろから来るMさんに

足がかりや手掛かりの位置を見てもらい、順番に後続に伝えてます。

久しぶりの岩肌にセニョさんも楽しんでいるみたいです。










ここで上から下りてくる男性とすれ違います。

この東稜コースをわざわざ下るなんて・・・・絶対ないな・・・なんて思いながら

最後の小さな岩のピークに登ろうとするとさらに女性が一人降りてきました。

あれどこかでお会いしたような・・・・・?なんと『カッタクリさん!』

『西赤石でお会いしましたね!』と言葉を交わした後、後ろから上がってくる先輩を見て

『あら!今日は若い女性を連れて・・・・!』と・・・・。

『先輩!よかったね若いって言ってくれましたよ!』


カッタクリさんは『墓場尾根』で遊んでいたと言っています。

その後このコースを降りてきたそうで、さすがです・・・・!

後続が次々登ってくるので、しばらくカッタクリさんには待ってもらっています。

離合の場所も狭く後ろが閊えるので、あまりお話もできずにそのまま先に進みます。







この先が『カニの横這い』です。

左の足元には『北沢』からの笹滝が続き切り立っていますが

右の壁の背の低い笹に手を掛けながら歩けば大丈夫です。










カニの横這いを渡り切ると南突峰はもうすぐそこです。見上げると錦秋に山肌が染まっています。







そして南突峰直下の『カニの縦這い』の足元に着きました。

写真で見ると高さも斜度も大したことがないように見えますが、岩のクラックも掴みどころがなく、

足がかりも見当たりません。

まずは私が上に登って上部にある木にロープを掛けます。

後の人にはロープを使って登ってきてもらいますが、

ここで慣れないメンバーが随分と苦戦をしています。



















この場はセニョさんに任せて二番手で登ってきたMさんと南突峰の上を歩いてみます。

Mさんは突端で写真を撮ってと頼むのですが、あんまり先にはいかんとってね!







後続がまだまだ時間がかかりそうなので、私はザックを置いて墓場尾根まで

道の確認がてら降りてみることにします。

笹に掴まりながらどんどん降りてくると左に『大砲岩』そしてその下に墓場尾根の姿が!







墓場尾根の紅葉のピークもあと少しかな?

時間がないので写真を撮ったあとさっさと登り返していきます。

見上げると山頂までの岩肌が光っています。







南突峰まで戻るとメンバーは天狗岳へ歩いて行こうとしています。

カニの縦這いの上から降りようとして、メンバーが登ってくるのをかなりの時間待っていた

男性二人の為に、岩を降りきるまでロープを残してあげたので、二人が降りた後セニョさんが

ロープを回収しました。

先に歩いて行ったメンバーが南突峰の山頂手前にいるのが見えます。




メンバーに追いつき山頂でバンザイをする麺法師さん。見るからにへっぴり腰です。




南突峰から次の天狗岳に向かいます。

右手の岩壁に沿って降りて行くスパイダーウーマンの先輩

岩を降りればあとは岩と笹の生え際を歩いて行けばさほど高度感もなく歩いて行けます。







振り返ると南突峰の北壁にも次々とガスが登ってきますが、南からの風のお陰で

ガスが乗り越えずにいてちょうどいい感じです。





天狗岳でアミちゃんと記念撮影!

三回目の登山で東稜コースを登り天狗岳に立つアミちゃん、大したもんです。

天狗岳に立つメンバーを弥山で待ってくれていたメンバーが写してくれました。















天狗岳も岩塊を降りると左に寄って歩けば、北壁にはガスがかかっているので問題なく歩けます。







弥山の直下の鎖を登りきり別部隊のメンバーと合流しました。

ここでやっとの昼食です。お腹減った~!







弥山の山頂は時間も少し遅かったのか思った以上には人が少なく、

のんびりとお弁当を広げます。

山頂から見る天狗岳はこの時期よく見る岩肌に色づいた木々と立ち上るガスのバランスが絶妙です。





お昼ご飯を食べてさぁ後は登山道を降りるだけ・・・・と思っていたら、

石鎚山は初めてというMさんが『是非、鎖場に行ってみたい!』と言っています。

周りを見ると誰も返事をしません。その内にMさんが私を見て

『お願い付き合って』と言ってきました。

(ト・ホ・ホ!実は私はここの鎖は余り得手ではありません。しかも登りでなく下りなんて・・・。)


吊皮の輪のような鎖が続く三ノ鎖を二人で下って行きます。

この鎖の輪っかに足を入れて上り下りするようになっていますが、

登山靴ではこの輪に足が入りません。

岩肌の足がかりのある場所は鎖を握りながら降りられるのですが、足がかりがなくなると

つま先を鎖の輪の上に足を置きながら降りるしかありません。

ところがMさんは丁度輪の中に足先が入るのでスイスイと降りてきます。

その内につま先に力を入れ過ぎて、右足の指が攣りました!イ・タ・タ・タ!




慌てて所々にぶら下がっている三角の鐙に左足を入れると、くるっと回転をして

足先が鎖と絡まり抜けません。今度は右足の攣った足どころではありません!







少し一息入れて何度か繰り返すとやっとのことで左足を抜くことができました。

ホッとして上を見るとMさんが、ゲ・ゲ・ゲエ~!

二本の鎖を後ろ手に握りながら前を向いて降りてくるではないですか!

しかも『滑り台みたいで楽しい!』なんて言いながら降りてきます。

身動きが取れずにあがいていた疲労感と、上から前向きで降りてくるMさんを見てのドキドキ感で

鎖を降りきった時にはどっと疲れが押し寄せてきました。


二人が鎖を降りきるのを待ってくれていたセニョさんと麺法師さんと一緒に

ガスが立ちこみ始めた土小屋への道を歩いて行きます。

ここでも色づいた木々にガスがかかり、何とも言えない幻想的な雰囲気がします。










途中で花を写しながら降りて行くと、他の人とも離れて独り歩きになりました。

靄のかかった登山道を久しぶりに一人で静かに歩いて行きます。
















途中で軽装に背中にはザックもなく、手に一本のペットボトルだけを持つ老人を追い抜きました。

あとでセニョさんに話を聞くと、水がなくなって水を譲ってくれないかとその人に頼まれたそうです。

いくら手軽に登れるからと言っても、もし雨でも降り始めたらと・・・・・。





今回も雨に降られることもなく、山頂では絶好の写真日和。

東稜コースを歩いた先輩とアミちゃんは予備知識もなく、恐らく随分と疲れた事と思います。

でもこの東稜コースを入れたことで、初めての人も再訪の人にも楽しめ

西日本で一番早い紅葉を存分に眺め楽しむことができた

我ながらいい企画?だったと思います。(自画自賛ー笑)

さぁ来週は中休みで軽く『陣ケ森』を歩く予定です。