KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

WOC・登山部 2019.01.07 五夜嶽

2019年02月08日 | 香川の里山
昨日はWOC・登山部はメンバーの行事が重なって

お休みとなりました。私も岡山での所用で仕事となり、

今日は久しぶりに木曜日にお休みを取りました。

そこで以前からずっと気になっていた山を登ることに・・・・。


金山トンネルから高松方面に向かうと林田町辺りで国道は三叉路になります。

その正面、五色台の手前に屋島とよく似た山頂が平らで屋根のような形をした

『五夜嶽』が見えます。山頂から急角度で下がった尾根が、

裾野に向かうほど緩く傾斜したとてもきれいな形をした山です。

しかもその三叉路の交差点から見ると、山の中腹に白く露出した山肌が見えます。

『ひょっとして、あれはカッパドキア?』と違うやろかと、そこを通る度に

気になっていた山です。地形図を見たりネットで調べてもこの西側から登った情報が

ほとんどなく、おそらく藪コキになるだろうと予想しましたが幸い今日は独りで歩くので、

とにかく登って行けば何とかなるだろうと思って出かけてきました。


出かける前にGoogleMapの航空写真で見ると、やはり白っぽく露出した山肌が

確認できます。その下にミカン畑があり、さらにその下には林道が見えます。

ミカン畑のすぐ下の林道は一ヵ所道幅が広がった場所があり、

そこに車を停めることにしました。(そのGoogleMapには林道の入り口に坂出のカッパドキアと

かかれたピンが打たれていました。)




前日?当日?の朝帰りで頭がズキズキと痛む中、車を降りミカン畑の中へと入って行きます。

収穫が終わり農家の人の姿もなく、次第に傾斜が急になる畑を登ります。




振り返ると正面に少し霞んで『雄山と雌山』が曇り空の下に見え、

雨が降らないことを願いながらさらに登って行きます。航空写真は平面なので

判らなかったのですが、この畑は谷あいに造られているようで、このまま登り詰めても

行き詰まって難しくなってくると思い、左に見える支尾根から取りつくことにしました。

ミカン畑の周囲には猪避けの鉄の柵が張り巡らされています。細いワイヤーメッシュの柵は

鉄筋を支柱にしていてグラグラします。どこか乗り越えられる場所はないかと探し、

柵の上に木の枝が下がってきている場所で、一段づつ升目に足をかけ枝を掴んで不安定な柵を

何とか乗り越えることが出来ました。




柵を乗り越えると偶然にも目の前に大きな岩屋が!奥で修験者が瞑想でもしているかのような

雰囲気のある岩屋です。




その岩屋の前を通りまずは支尾根に取りつきます。細い木や枝を掴みながら

滑り落ちないようにして少しづつ登って行くと支尾根に出ました。

落ち葉がたっぷりと積もった尾根は所々で露岩が現れます。







次第に木々がまばらになってくると一つ目の目的地の『カッパドキア?』に着きました。

目の前に可愛らしいキノコのような形をした奇岩を見つけました。








小さな岩を散りばめそのまま固まった、五剣山や小豆島の里山でよく見かける凝灰角礫岩です。

『国分寺のカッパドキア』ほどは山肌は白くはないのですが、それでも

小さな奇岩があちらこちらに点在しています。エントツ山さんが名付けた『国分寺のカッパドキア』も

カッパドキア擬きですが、ここは更に『国分寺のカッパドキア擬きです。』







地表は岩が細かく砕けてサラサラのとても滑りやすい斜面です。

その地面に埋まって頭を出している岩を足がかりに登って行くのですが、

たまにポロっと岩が抜けてヒヤッとします。

斜面の奥にちょこっと五夜嶽が頭を覗かせています。谷を挟んで対岸の尾根にも風化した

今にも崩れて落ちそうな大岩が見えます。







カッパドギアを登り詰めると樹林帯の中へ突入です。最初は藪の中をイバラに上着を

引き掻けられては立ち止まり、真直ぐには進めず思ったより時間がかかります。その内に足元は

先ほどまでの乾いた滑りやすい土の斜面から、濡れた落ち葉の斜面に変わり、

先週雪山を歩いた後きれいになった登山靴が、どんどん汚れてきます。




気温が上がり始め暑くなってきたので、水分補給でスポーツ飲料を一気に口に入れると

朝から空っぽの胃袋が悲鳴を上げて、何度も嘔吐しそうになります。それでも

木々に掴まり足を滑らせないように這い上がって行くと、ほぼ水平の幅の広い道?に飛び出しました。

この後も直登をしては、こんな水平道を何度も越えていきます。




最後に大岩が現れると頭上の木々が途切れて、山頂付近の砕石場の端に着きました。







場内では大型の重機が音を立てて動いています。休日で作業をしていなければもう少し場内の

探索ができるのですが、今日は作業員に見つからないように木の陰から覗くだけにしておきます。

右手に見える一番高い場所が地形図では等高線の300m付近です。

地形図に載っている最高地点の351mの標高点はこの砕石場の中央部分の

一番低い場所に位置しているので、かなりの山が削り取られていることになります。




砕石場に背を向け木の陰に隠れて腰を降ろして一服した後、今しがた登ってきた斜面を

また下って行きます。濡れた斜面は木に掴まらないと下れない急な斜面です。







先ほどと同じように斜面を転がり落ちては水平道に飛び出すのを五回程繰り返すと

登ってきた場所から少し外れて、スズタケと藪の中に入ってしまいますが

GPSでトラックを確認しながらルートの修正をします。







何とか修正してカッオパドキアの最上部に出ることができましたが、

乾いた岩屑の斜面に時折足を滑らせ尻もちをつきます。










滑らないようにと足元の頭を出した岩を足がかりに慎重に下りますが、

登りの時と同じようにポロっと崩れて慌ててしまいます。




国分寺のカッパドキアの最上部の大天狗のようなテラスはここにはないのですが、

それでも露出した岩の上に登ると、林田の田園風景が広がる景色を堪能できます。

晴れていればもっと素晴らしい眺望が望めると思います。











いつもならこの景色を眺めながら腰を降ろしてのんびりするところですが、

今日はまだ体調がすぐれず、このまま奇岩を眺めながら下って行きます。










カッパドキアが終わると尾根道からミカン畑へと降りて行きます。










登り1時間強、下りも1時間弱の距離も時間も短い里山でしたが、久しぶりの藪こき直登に

体調不良も相まって、いつになく疲れた里山歩きでした。