線で繋ぐ山歩きを思い立っての第2回。本来なら前回のカガマシ山から東へと
繋ぎたいところだけれど、どうやら橡尾山・笹ヶ峰の登山口となる県道5号線は
道路崩壊場所の復旧工事で、平日は通行が難しいと判明。
それなら少し間を飛ばして西の方から繋いでみようと、
先ずは未踏の山の三ツ森山を歩いてみる事にした。
これで個人的には三ツ森山から瓶ケ森までの線が繋がる事になるのだが、
同行の二人は所々が繋がっていないので、取りあえず今日のコースから西に
寒風山までこれから繋げていく事になった。
住友のフォレスターハウスの下の路肩の広くなった場所に車を停めてスタートする。
今日は一台だけ車が停まっていたが、どちらのお山にお出かけしたんだろうか?
車を停めた場所から県道を少し下って行くと、右手に住友が管理する作業道の入り口がある。
県道から折り返すように下って行き立派な橋を渡ると作業道が続いている。
橋の上から見る銅山川は澄みきった水が流れ川底がくっきりと見える。
今は全く使われていない作業道だが道幅も広くしばらくの間は緩やかに登っていっている。
すると足元をちょこちょこと動く小さな生き物が。一瞬サンショウウオかと思ったがイモリ?
作業道の途中から三ツ森山らしきピークがひょこっと頭を出しているのが見えた。
山頂近くはなかなかの傾斜なのが、ここからも見て取れる。
どこの作業道もそうだが、ここでも道は至るところで枝分かれしている。
途中で一ヵ所道を外してしまい、GPSを見ながらプチ藪漕ぎで軌道修正していく。
硬い茎の灌木を掻き分け作業道まで戻り、徐々に高度を上げていくと、
道の下には沢が流れ所々で小滝が見え、なかなかいい雰囲気になってきた。
作業道は三ツ森峠まで続いていく。
途中で北西に景色が広がる場所に出る。平らになった辺りが銅山越え。
そして西赤石山、物住山へと稜線が続いている。
橋を渡ってから1時間20分ほどで三ツ森峠に着いた。峠には小さなお地蔵さん。
峠を乗越吹きあがってくる爽やかな風が、汗を掻いた身体をクールダウンしてくれる。
さぁここからが今日の本番。今までの緩い作業道歩きからいよいよ登山が始まる。
峠から直ぐに鉄等広場に出た。鉄塔の奥にはこんもりした頭の三ツ森山。
右に視線を移すと大川村辺りだろうか?
その奥に雲がかかっている稜線は西門山?
WOC登山部は今日はその西の稲叢山に登っている。
鉄塔広場からは直ぐに急登が始まる。最近、同行のお二人は事前学習をして
YAMAPの地図をプリントしてきたり、地図に書いてある歩行時間をちゃんと見てきていて、
往路と復路の時間差を読み取って山頂までは急登らしいと予想してきている。
段々とスキルアップしてきていて、なんちゃってリーダーとしても頼もしい限りだ。
なんちゃってリーダーは山の情報に関しては、まだまだ二人に負けるわけにはいかないが、
登りになると途端にヘタレになって、二人に付いて行くのがやっとなのだ!
写真や動画を撮っている間に、あっという間に置いてきぼりになる。
大岩を回り込みトラバースする場所や、更に急な場所には細いロープが掛けられていて、
雨が降った後の濡れた斜面を登るのに助かる。
山頂手前で更に大きな岩が鎮座していた。ここも左に回り込むが、いつもなら興味津々で
登ろうとするあっちゃんも、さすがに今日の足元では控えめに大人しく登山道を歩いて行く。
大岩を回り込んで登り、しばらく歩くと山頂に着いた。周りは木々に囲まれ見晴らしは無し。
今日唯一の三角点、三等三角点西三森ゲット!
行動食をとりながら暫しの休憩。『きれいに撮ってね!』と催促されたのでハイ、ポーズ!
三ツ森峠からはコースタイムを下回ったので、下りも30分のところを
『25分で下るよ!』とルリちゃんが張り切って下って行く。
急ぐとロクなことはない、濡れた地面の急な下りで、尻もちこそつかなかったが
時々『キャ!』と慌てた声が聞こえてくる。ブナやヒメシャラの巨木に脇目もふらず
トントンといいペースで降りて行くと、タイムキーパールリちゃんの予想通り、
山頂から峠まではちょうど25分で降りてきた。発破をかけたルリちゃんも満足気だ。
峠からは平家平と中七番との分岐までが稜線歩き。
『なんなら平家平まで歩く?』と張り切る二人の後ろを、へっぽこリーダーは付いて行く。
『もし本当に平家平まで行くと言い出したら、どう言い訳して止めさせるか(笑)』などと
考えながら、ダラダラと続く登りを坂を歩いて行く。ダラダラ坂と束の間の平らな道の繰り返し。
時折、南側からガスが流れて前を歩く二人に靄がかかっている。
いや、ひょっとして疲れて目が霞んできているのかもしれない!(笑)
大岩を回り込み1440mの標高点に近づいてくると周りの植生が次第に変わってきた。
道には小さな小さな花弁がそこらじゅう敷き詰めたように落花している。
またツバキの花を小さくしたような花弁もあちらこちらで落ちている。
度々立ち止まり、上を見上げてはその木を探すが、咲いている木が高くて判らない。
『何の木の花かな?』と三人でしばらく話しこむ。
ツバキのような花はヒメシャラの花の様だが、この稜線のヒメシャラは今まで見たヒメシャラの樹皮の
色より随分と薄く。『ヒメシャラ?かな違うよな~』などと言いながら歩いて行く。
小さな花弁はあとでreikoさんに聞いてみるとタンナサワフタギでは?と教えてくれた。
痛々しく皮を剝がされた木や苔むした倒木の間を進んで行くと、鉄塔の立つ場所に出た。
分岐まではあと少しだが、ちょうどお昼になったので笹原を吹き上げてくる
涼風で涼みながらお昼ご飯にする。
ここからは北と南の眺望が広がっている。北の山並みを見ながらあっちゃんが、
『あの手前の山が綱繰山?』と言ってきた。『正解!凄い、なかなかの進歩です!』
ここのところの二人の進歩は目覚ましく、これはうかうかしてられないとへっぽこリーダー。
その西にはわずかにちち山の別れへの笹原と、沓掛山の笹原ゲレンデが見えている。
昼休憩のあと鉄塔広場から分岐は直ぐに着いた。『さぁ~平家平へ!』と言われず、ホッとする。
ここでも地図の等高線と登りと下りのコースタイムを見ながら、急な坂のようだからと
靴の紐を絞め直す二人。頼もしくなって来たではないか!ほっ・ほっ・ほ~! (*'▽')
次回はこれから下る中七番からの道を登りに利用して、平家平~ちち山の別れ~大永山トンネルの
周回を考えている。その時のエスケープルートとしてナスビ屋敷の道を思っていたが、
どうやらそのルートは通行禁止になっているようだ。山を始めた頃はよくカタクリの花を見に歩いた道。
里山倶楽部の初めてのオフ会で、エントツ山さんやkyoさん、reikoさんと歩いた思い出の道なのに残念だ。
二人の予想通り、最初から小刻みに右に左に折れていく急な下り坂となる。
途中には根元から何本も幹が分れた大きな木があちらこちらに立っている。
花の名前もそうだが、木の名前も憶えられたらといつも思うのだが・・・・。(^_^;)
トリカブトの群生地では『これは何かな~』と二人が聞いてくるので、
『持って帰ってご主人に煎じて飲ませてあげてください!(笑)』と答える。
トリカブトの側にはバイケソウが一輪だけ花を咲かせていた。
最初の鉄塔広場まで来ると少しだけ北側の山並みが見えた。しばらくはまた急坂が続いていく。
二つ目の鉄塔は住友の共同鉄塔らしい茶色に塗られた鉄塔が次へと続いている。
目の前の景色も随分開けてきた。ちち山の分れへの笹原道も見えている。
『次はあそこまで歩きますから!』と言うと。『この急坂を登るのは嫌だな~』と。
『反対から登って、またここを降りるのはどう!』とリーダーに意見をし始めた。 (; ・`д・´)
『何よんですか!』とは言えずにに『ハイ!わかりました!』とへっぽこリーダー。
道が根っこのトラバース道を過ぎると、道が崩壊した場所にでた。
ロープがないととても降りれないほぼ垂直に下る場所だった。
足を滑らさないように注意して下りきって振り返ると、かなりの規模で崩壊していた。
崩壊場所を過ぎると道は沢沿いの道になる。何度か渡渉を繰り返して進んで行く。
コースマップを見ると二手に分かれた場所に着く。片方は尾根を辿る道だが、
手前の橋は穴が開いていて渡れそうにない。右手の沢筋を進んで行く。
小さく渡渉して、右岸から左岸にまた渡るときに事件は起きた!
ナメの上を渡っていてあっちゃんが足を滑らせた。手を付いて踏み出そうとするが
足が滑って沈しそうになる。危険な場所でなくナメなのでニヤニヤしながら大切に記録を撮る!
倒れた大きな木の根の上を歩きさらに進んで行くと、スチールの橋が架かる場所に着いた。
ここまで来るとフォレスターハウスはもうすぐそこだ。
遊歩道になっている道を歩き、案内板の立つ場所からもう一度橋を渡る。
最後に階段を登ると管理が行き届いた園内の道。途中でフェンスで遮られゲートになっている
場所では、山から下りてきた雌クマが、入れないと騒いでいる。(笑)
フォレスターハウスの公園を散策した後、館内を見学させてもらう。
館内では住友の植林の様子や住友銅山に関する書物が並べられていた。
今ちょうど毎日布団に入りながら読んでいる本の主人公の、住友第二代総理事 伊庭貞剛さんに
ついても展示をされていた。但し横になると直ぐに眠たくなるので遅々としてページが進んでいない。
先週に比べると随分と早く車を停めた場所まで戻った。来週の行程を話しながら帰路につく。
少しづつだが線が繋がる様はやはり楽しい。新しい目標ができてこれからの山歩きが楽しみだ!