KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

耐暑トレーニングで大川山

2021年07月08日 | 香川の里山



今週は線で繋ぐ山歩きで平家平~冠山~ちち山の分れまでを繋ぐ予定だったが、

昨日までの天気予報がどうも不安定。今回のコースは稜線の笹原歩きが主に

なってくるので、天候が急変すると難儀なので取りあえず今回は順延する事にして、

無難な線で県内の里山を歩くことにした。それじゃ何処を歩こうかと考えたが、

距離を稼げて高度差もそこそこあるコースと言う事で、何度も登った山だが

初めて歩くコースの柞野~大川山に決定。西の奥様二人にも現地集合で招集をかけた。

するとルリちゃんから『大川道の途中でデポもできますよ』とメッセージが入った。

『いやいや今日はあくまで耐暑トレーニングです。車は使いません!』ときっぱり断りをいれたが、

往復すると12km。高度差もそこそこあるので、果たして二人に付いて行けるか、

へっぽこリーダーは逆に不安になって来た。(^_^;)






国道438号線の天川神社の北に中寺廃寺跡の標識があり、そこから山側に

離合するのが難しいくらいの細い道が続いている。どんどん道幅は狭くなっていき、そのうちに

少し開けた集落の場所に柞野道駐車場の看板があった。

運転席からは道が見えなくなるくらい急な下りを恐る恐る下って行くと、広い駐車場に着いた。

駐車場から南の谷あいの奥に、これから向かう大川山の稜線が見えている。













駐車場から里道まで戻り少し先に進むと中寺廃寺跡登山口の案内板がある。

さぁ、それでは登って行きますか!と声を掛け、最初は竹林の中をそして次に杉林の道になる。

道の途中には同じような案内板が何ヵ所かに立てられている。

大川山へは今まで何度も歩いた大川道と昭和30年ころまで、香川と徳島の

往来道、そして金毘羅宮への神社参詣として利用されていた江畑道

そしてこの柞野道があるが、この柞野道は中寺廃寺跡を経由して大川神社参拝や

炭焼きの人々が往来していた道だそうだ。
















事前にYAMAPで調べたところ、展望所から先と山頂手前が急登となっていたが、

途中から意外と急な坂が続いている。いつもなら二人の後ろを付いて行って

写真を撮りながら歩いて行くのだが、この時期の里山の事。恐らく蜘蛛の巣が道々に

張っているだろうと思い、先ずは先頭をストックで蜘蛛の巣を払いながら登るのだが、

時々見逃し、汗を掻いた顔にいや~な蜘蛛の巣がまとわりつく。







途中には炭焼き窯と書かれた案内板。その奥に小さな窯というか穴が残っていた。







さらに先に進むと江畑道との分岐。既に額からは汗がポタポタと落ち、

背中もびっしょり濡れている。最近あっちゃんは汗止めの為かハチマキを巻いている。







道が支尾根の道になると展望台との分岐に着いた。

『天気が崩れないうちに先に展望台に登ります!』と

二人に声掛けをして登って行くと、これがけっこう段差もあって長く急な階段が続いていく。







樹林帯を抜け周りが明るくなってくると、一気に視界が開けて

爽やかな風が、たっぷりと掻いた汗を一気に冷やしてくれる。

展望台には真新しい東屋があり、ザックを降ろしてひとまず休憩。

見渡すと香川県内がほぼ一望できるではないですか。

奥様二人も『最高!』と歓声が上がる。

ここでいつもの山座同定を始めると、やはり二人も自分で登って来た山は直ぐに判った。




讃岐変電所の奥にクレーター五座



右から大高見峰・猫山・白山、満濃池、大麻山



まんのう城山の奥に高松の市街地






吹き抜けていく風があまりにも気持ちが良くて、随分と長い時間腰を降ろしておしゃべり。

その内に身体が冷え始めてきたので、重い腰を上げて再スタート。

この辺りから中寺廃寺跡の遺跡が広い範囲に点在している。













展望台から少し歩くと三等三角点中寺があった。更に進んで行くと広場になった場所に

これも真新しいバイオトイレが建てられていた。








ここから先が駐車場の案内板にも皆さんのレポートにも書いてあった、コンクリートの急坂が続いていく。

中寺廃寺跡の見学用に造られた道だろうか?それにしてもこんな急な坂、

車で行き来する人がいるのだろうか。後から調べると30%以上の斜度の坂が3カ所と書いてあった。










コンクリートの急坂は少し緩やかになったと油断させては、何度もまた繰り返し急坂が続いて行く。

いかにこの坂が急なのかを写真に撮ろうとポーズをとるルリちゃんと

それをスマホで撮るあっちゃん。私も真似してみる。

途中で先ほど展望台からも見えた讃岐変電所が見えた。










あまりの急坂にふくらはぎがパンパンになってきたが、やっとのことで県境の峠に着いた。

コンクリート道の入り口はチェーンが張ってあって、車はやはり入れないようになっていた。







徳島県側にあるビニールハウスからひょっこりと猫が現れ、こちらに近づいて来た。

ビニールハウスからはラジオの音が聞こえ、作業をしている人がいる様子なのだが、

この猫は飼い猫なのか野良猫なのか?







峠からは県境尾根に沿って阿讃縦走路になる。先ほどの急坂に比べて

緩やかな道に二人のスピードも一気に上がってくる。途中でキティーちゃん、見っけ!

四等三角点大平には可愛いカエルの置物。



















幅の広い道には木々の間を風が吹き抜けていく。今日は耐暑トレーニングと銘打ったが

『これではトレーニングにならないね~』と二人。

三角点からしばらく歩くと縦走路と並行して林道が続いている。













縦走路が林道と交わると、いよいよ山頂手前の最後の急登が始まる。

この坂もなかなかの急勾配だが、今日は地面が適度な湿り気があって丁度いい。

これが濡れていたり、これ以上乾いていたりしていたら、けっこう苦戦しそうだ。

ここでも写真や動画を撮ったりしている内に、奥様二人はどんどん先を登って行く。














先に登りきった二人が涼しげな顔をして待っている。へっぽこリーダーも何とか登りきると

大川神社の裏手に出た。林道を横断して神社の裏から境内の中に。










神社に参拝した後、境内のベンチに腰かけお楽しみの昼食。

ここのところコンビニの素麺に凝っているあっちゃんが、今日は少し趣向を変えて

冷麺?を買って来たらしいが、『激辛』と書いてあったラベルを見ていなかったのか

『ヒーヒー辛い、辛い!』と言いながら、せっかくの冷たい麺を喉元を熱くして食べている。








お腹を満たした後『さっきの急坂を下ります?それか少し遠回りですが林道を歩きます?』と聞くと

『元来た道を下りましょう!』と返事が返って来た。急な下りではやはりストックが役に立つ。

ストックを使わないあっちゃんが最後に下りてきた。








最近YAMAPを使いこんでいるルリちゃん。事前に登山計画のスタート時間を入力して、

到着予測時間を見ている。その予測時間は今まで歩いたきたペースを計算した上で

到着時間を修正・予測してくれる優れモノだ。山歩きにもAIの波が押し寄せている。

そしてルリちゃんは『13時15分には登山口に戻ります!』と意気込んでいる。

阿讃縦走路をトントンと。コンクリートの急坂もトントントンと歩いて行く。







バイオトイレから先で右に中寺廃寺跡へと展望台の尾根の下の道を歩いて行く。

広葉樹の緑の森の中、ひょろっとした背の高い赤松の色が何本も目につく。







仏ゾーンと名付けられた場所には仏塔跡と塔跡の発掘された礎石があった。

この仏塔跡と塔跡の配置が讃岐国分寺の伽藍配置と相似していることから

中寺と讃岐国分寺は僧侶が修行するために往来があったとされている。







さらに先には祈ゾーンの僧坊跡と礎石建物跡がある。ここからは大川山の山並みを

望むことができ、最も古くから大川山信仰に根ざす活動が行われていたとされている。










祈ゾーンからはぐるっと回り込むようにして展望台へ。

またここで朝よりも見通しが良くなった景色を眺めながら、腰を降ろして寛ぐ。

やはりここは県内を西から東まで一望できる場所としてはトップクラスではないだろうか。




高松の市街地と屋島の奥には小豆島



中讃地区の奥に瀬戸内海の島々



飯野山と郷師山の間に瀬戸大橋



七宝連山と奥に紫雲出山




あまりの心地よさに往路と復路でこの展望台で合わせて45分近く過ごしてしまった。

その間奥様二人は次々とザックから取り出しモグモグと口に入れている。

『もう食べるものがなくなったから遭難したら大変!』とあっちゃん。

ルリちゃんは修正された到着時間を見ながら『さぁ~降りて行くわよ!』と。

意外と急だった登りも、下りではどんどんとスピードが上がっていく。














途中でほとんど立ち止まることもなく、30分強で登山口に着いた。

最後に下りてきたルリちゃんに『お疲れさま!』と声を掛けて駐車場へと戻る。











次の中七番から平家平・冠山そしてちち山の分れへの周回を控え

耐暑トレーニングの予定だったが、平地では30度を超える気温にもかかわらず、

途中の尾根道では湿気のない涼しい風が終始吹いて、予想以上に歩きやすい一日だった。

さあ来週はそろそろ梅雨明けの雰囲気。夏山のシーズンインとなりそうだ!