線で繋ぐ阿讃縦走路も今回でいよいよ高松市に突入。
大川山から讃岐竜王までは以前に歩いているので、
(奥様たちは既歩、私は大川山~吉野川源流の碑までが未歩だが、取りあえず
今回の讃岐竜王から東を歩いて、私の未歩部分は宿題とした。)
讃岐竜王から相栗峠までの3kmほどを繋いできた。
ただ今回計画をする中で色々考えたのが、この僅かな3kmをどうするかだった。
讃岐竜王から大滝山までは9.5kmほどなので歩く距離としては問題ないが、
車をデポするのに時間がかかる。さらに一気に讃岐竜王から大相山・中山峠まで
17kmほどなので歩けないこともないが、これもデポするのに時間がかかり過ぎる。
とにかく中山峠までを年内には繋げたい。なぜなら今週でWOC登山部が大滝山から
中山峠までを歩くので、早く追いつきたいという思いからだ。
そうなると讃岐竜王から相栗峠までがどうにも中途半端。とは言え相栗峠から讃岐竜王までを
往復するのも芸がない。そこで思いついたのが今回の周回コース。
そう言えば竜王山と云えば昔は奥の湯キャンプ場からスタートするのが普通だった。
以前に所属していた山の会でも、独り歩きでも何度も登った道。
奥様たちにも計画を提案して了解を頂いて、まずは道の駅しおのえに集合。
そこから移動して奥の湯キャンプ場に車を置いてスタートした。
大手前高校の塩江向学寮の入り口が登山口なる。ここからは竜王山への案内板に従って登って行く。
大手前高校向学寮の建屋から左に折れて竹林の中を進んで行くと、
細井の集落の下の方に入って行く。ただこの辺りには車道は無く、
里道があるだけで、道の脇に点在する家屋は何軒も既に廃屋となっていた。
一度車道を横切り道標に従い登って行くと、ガードレールのある
車道に飛び出すと山の斜面には茶畑が広がっていた。
茶畑のある場所からしばらくは車道歩きが続いて行く。
道の脇には別荘らしき建物や立派な民家が点在しているが、そのほとんどに人の気配がしない。
竜王山キャンプ場を過ぎ、細井集落の水源施設を過ぎると、道は山道になっていく。
すっかり葉を落とした明るい木々の中、サクサクと落ち葉を踏みしめながら登って行くと、
突然目の前に広大な伐採地が現れた。
ネットで囲まれた伐採地は集約化試験団地と書かれた説明板があり、
その説明によると、今まで各地で行われていた国有林での様々な試験を一ヵ所に集約し、
それぞれのゾーンに分けて試験を行っていると書かれていた。
①大苗と施肥を使用した低コスト造林試験 ②早生樹の造林技術の確立試験
③地拵省略における苗木の成長調査等比較試験 ④下刈時期(夏・冬下刈)の違いによる検証試験
⑤単木保護資材(5種類)による獣害対策の検証試験 の5つに分けている。
もともと森林技術支援センターが、森林の持つ様々な働きを効果的に発揮することを目的に
国有林をフィールドにいろいろな試験地を設定していたが、これまでは、
各試験地が散在していたため各試験の効率的な連携や比較が困難だったり、
せっかくの取組内容や成果を一般に周知することが難しくなってきたので、
比較的アクセスがよく一度に試験地が見られるようにした場所だそうだ。
登山道はその試験地の中を横断するようにして続いて行る。
ネットで出来たゲートを開けて試験地の中へと入って行く。
いままで山歩きをしていて伐採地はよく目にするが、中を歩くのはめったになく、
しかもこれだけ広大な伐採地を歩くのは始めての事。
振り返るとさっき歩いてきた細井の集落と、正面に見えるのは八丁山だろうか。
試験地の最上部でまたネットのゲートから外に出ると桧の林の中の道になる。
一旦林道を横断し丸太の梯子を登ると九十九折れの急登が始まる。
急登を登りきると地形図に松尾集落から続いている破線の道に出た。
破線の道は讃岐竜王を西に回り込むようにして続いていて、最後に阿波竜王との分岐にでる。
ここからは以前にWOC登山部でも歩いた道。讃岐竜王への最後の階段が待っていた。
奥の湯キャンプ場をスタートして1時間45分。木々に囲まれた讃岐竜王に着いた。
県別の山ではこの西にある阿波竜王が香川県の最高峰となっているのに、
(三角点も香川県側にある)なぜか阿波竜王の名前がついているのか分からない。
せめて西竜王と東竜王とするか、いっそのこと阿波竜王と讃岐竜王を入れ替えるとか。
ここからが今日の本題の線で繋ぐ阿讃縦走路の3kmの道。
阿讃縦走路らしい道標が所々に点在する道が続いて行く。
讃岐竜王から一旦鞍部に下って1005mの標高点まで登り、もう一度下って行くと
見覚えのある東屋のある鷹山公園に着いた。
讃岐竜王ですでにおにぎりを2個も食べているあっちゃんが、ここまでで
『お昼ご飯はどこで食べるん?』と何度も聞いてきていた。公園の東屋が見えたところで
『では公園でお昼にしましょうと』というと、『やった~!』とあっちゃん。
ここ最近は20Lの小さなザックで歩いてきたので、雨具を入れるとお昼食と行動食で
ザックの中がいっぱいになり、バーナーを入れる余裕がなかったが、
今日は天気予報で晴れの予報だったので、雨具を置いてバーナーを持ってきた。
少し寒くなってきた頃から昼食はカップラーメンがほとんどだったが、
水筒に入れた少し温度の下がったお湯ではやはりイマイチだったのが、
久しぶりに熱いお湯で食べると、腰を降ろすと肌寒いこの時期にはとても美味しく感じられた。
30分ほど陽の当たる公園のベンチでのランチタイムを終えて
直ぐ東にある鷹林山へと登って行く。この鷹林山は地形図には山名はなく、
標高点になっているが、YAMAPでは山頂ポイントになっている。
木の枝にビニール袋に入れられた山名札があるだけの寂しげな山頂だった。
YAMAPでは鷹林山、袋の中の山名は鷹山となっていた。
竜王山は今は麓にある竜神を待った神社が、もともと山頂にあったので付いた名前。
そしてこの山域は別名は鷹山となっているが、高松藩主が鷹狩りをした場所だったと伝えられている。
ここからは次の美女山まで急な下りが続いて行く。
するとあっちゃが短いストックのままで降りにくそうにしている。
『下りはストックを長くした方がいいですよ!』と言ってあげると
『だってこれ以上伸びないんだもん』とあっちゃん。
短いストックで腰が引けてるあっちゃん
それを聞いたルリちゃんが『あんた3段目を伸ばしたらえんや!』と。
あっちゃが『え~だってこのストック、2段しか伸びないのに』と言いながら、
よくよく見るとちゃんと3段目が伸びるようになっている。『ほんと、3段伸びるわ!』と。
以前はストックを持ってこなくて歩いていた二人だったが、私と一緒に歩くようになり
渡渉する場所が有ったりするのでストックを持ってくるようになった。
登りでは滅法強いあっちゃが、急坂の下りで急にスピードが落ちて右往左往しているのに
何度も目にしていたので、以前から何度か『下りはストックを伸ばした方が良いですよ』と
教えてあげていたが、大川山の手前の急坂でも、御来光の滝での
渡渉の時でも、短いストックのまま腰が引けながら歩いていた。
こちらも何度も同じことを言うのも何なので遠慮していてが、それでも相変わらず
短いストックのままで難儀をしているあっちゃんを見て、めんどくさいから不精をして
ストックを伸ばさず歩いているんだと思っていたら、3段になるのを知らなかったなんて・・・!
『どのストックも普通は3段になっとるやろう!』とルリちゃんにダメ出しされたあっちゃんが、
『KAZASHIさんが不親切や。ちゃんと教えてくれたらいいのに』と逆切れしてきた!
3段になっていると初めて知ったあっちゃん
それからは適当な長さまで伸ばして下り始めると『やっぱり楽やわ!』と嬉しそうにしながら下って行く。
美女山は縦走路から外れて尾根に向かって登って行く。
山頂へはまた嫌な階段が続いていて『やっぱり美女に会うには苦労せんといかんのやな』
なんて思いながら、息を切らせて登って行く。
階段を登りきり広い尾根を少し歩いて行くと四等三角点 美女 776.3mに着いた。
山頂には山名標はなく、その代わりにキティーちゃんのプレートが木の枝に掛けられていた。
『美女ならここにいるわよ!』と言わんばかりに圧をかけてくる奥様たち!
美女山からはまた急な下りが待っていた。乾いた落ち葉の滑りやすい道だが、
直滑降の道とは別に脇に九十九折れの道もある。ルリちゃんと私は脇道に。
ストックが伸びるのが分ってうれしいあっちゃんはそのまま直滑降で下って行く。
急な下りが終わると道は緩やかになり、相栗峠まで続いていた。
切り通しになった相栗峠のコンクリートの階段を降りると、峠に着いた。
相栗峠のトイレで用を済ませて、県道を下って行く。予定では県道からショートカットで
直接、奥の湯キャンプ場まで歩くつもりだったが、四国地方道路情報提供システムでは
この先の県道が全面通行止めになっていたので、来週スタートの予定の相栗峠まで
車で行けるかどうかを確認するために、そのまま県道の車道を下って行く。
さいわい通行止めとなっていた場所の工事は終わっていて、相栗峠まで問題なく車で行けそうだ。
途中では歩いてきた細井の集落と集約試験場が見えた。
今日はここ最近になく早い時間に山を下りて来たので、久しぶりに駐車場でコーヒータイム。
来週の相栗峠から大滝山、そして中山峠までの計画を打ち合わせをしながら談笑する。
YAMAPのトラックを終了すると、9.3kmを4時間18分の行動時間。
(カシミールのGPSの沿面距離では10.2km)
平均ペースは久しぶりに130~150%となっていた。ただ何故かルリちゃんだけが
110~130%となっていて『なんで?』と不満気。
来週のコースは阿讃縦走路なので道を外すことはないだろうが、
その次となる中山峠から境目までは、エントツ山さん曰く
『最も手を抜きやすく又忠実に県境を辿るのが難しいとも言える縦走ルート』だそうだ。
手を抜くなら県境からは外れるが車道を歩けばお手軽だが、
県境を辿ろうと思うと里の中を右往左往するようだ。
更には以前歩いた記憶では、鵜の田尾の辺りがシダとイバラでとにかく難儀した。
この二ヵ所をクリアしたなら後はまた歩きやすい阿讃縦走路になる。
さてさて春までには阿讃縦走路を完歩となるだろうか?
(まずは年明けには大川山から土器川源流の碑への宿題をクリアするのだ)
今日のトラック
今日の3Dトラック