KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

クレーター五座ならぬ四座

2022年01月13日 | 香川の里山



今週は阿讃縦走路の続きで中山峠から境目を繋ぐ予定だった。

この中山峠から境目の間の県境は中山峠からは曽江谷川が県境となり、

境目までもほぼ川の中が県境となっている。さすがに川の中を歩くことも出来ないので、

車道や里道を利用しながら、いかに県境に沿って歩くかが課題となってくる。

とは言いながら今回は山道を歩くのは僅かで距離も13km程度、

時間もそれほどかからないだろうから、途中は行動食で済ませて

昼食は中山峠の南にある『わたなべ』のおでんでお昼にしませんか?と

ルリちゃんから提案があった。なるほどこの時期におでん。

さすが女子、チェックするところが違うな~などと感心しながら当日を迎えた。

ところが前日からの冷え込みで、奥様たちの西讃では雹が降ったと連絡が入り、

ルリちゃんからは道路の凍結を心配するメッセージが朝一番に届いた。

朝出かけの家の周りはさほど冷えた様子もなく、『大丈夫だと思いますよ!』と

メッセージを返して集合場所の中山峠へと向かった。

長尾町を過ぎ前山ダムを抜けるまではいつもと変わらぬ風景だったが

峠を越えて多和地区に入った途端に周りはは一変して雪景色になった。




それでも県道は交通量もあるので路面の心配はなく、ついでに境目までの

車道を確認しに車を走らせると次第に路面の状態が怪しくなってきて、

時々アイスバーンになったヶ所がある。ただスピードを落とせば走れない事もないので

途中で引き返して中山峠へと向かうと、峠ではおわまりさんが何人も立って、

塩江方面は通行止めと言われてしまった。翌日の新聞には大型トレーラーが

スリップして2車線の道を完全に塞いだ写真が載っていた。

ただこれでは西から来る奥様たちが中山峠に来られない。

早速途中まで来ている奥様たちに連絡を入れて、取りあえず引き返してもらい

高松空港の手前のコンビニで落ち合う事にして私も引き返した。

コンビニに向かうまでの45分の間に、さてさて代替の山をどこにしようかと

色々と考えながら走って行く。コンビニに到着して奥様たちと合流すると、

時間待ちしている間に二人が考えたのはあっちゃん

まだ歩いていないクレーター五座だった。時間は既に10時近くになっている。

直ぐに移動を開始して、前回クレーター五座を歩いた時に車を停めた

平和公園墓地まで車を走らせた。


10時時10分寒風の吹く中先ずは日山へと歩いて行く。

『今日は時間的に五座は無理なので、四座でいいですか?』とあっちゃんに断りをいれ、

三郎池の堤に立つと、池の南に見える竜王山の山肌は雪で白く色づいていた。










池の堤の西端からまずは小日山への遊歩道を登って行くと

高松市街から東讃の里山が見渡せる展望台に着いた。

展望台では奥様たちが最近スマホに入れた山座を同定できるアプリの

『AR山ナビ』の画面をしきりに見入っている。










操作方法をあ~だこうだと言いながら二人で話している横で

そんな二人を眺めていると、人馴れしたヤマガラが木の枝に飛んできた。

あっちゃんが手のひらを広げて差し出すとさっそくちょこんと飛び乗って来たが、

残念ながらその手にはヒマワリの種は無く、直ぐに木の枝へと飛び去った。

恨めしそうにこちらを見つめるヤマガラちゃん!







小日山から一旦下って日山へと取り付くと、花崗岩が風化した急登となる。

乾いた花崗岩の急登は普通は滑りやすいのだが、この坂はその花崗岩が

階段状になっていて登りやすく、ルリちゃんがグイグイと登って行っている。










途中の『顎だしルート、難関の尻見坂』の立て札通り、ルリちゃんのお尻を見ながらの急登登り。

額に汗が流れ始めた頃に展望台のある日山の山頂に着いた。










山頂の展望台では次から次と軽装の地元の人たちが登ってくる。

ザックを背負っている私たちはどうやら珍しく見えたのだろう。

そのほとんどの人が笑顔で話しかけてくる。地元の人たちからすれば

この展望台が社交場になっているようだ。







三郎池の堤、小日山の展望台、そしてこの日山の展望台で時間を潰してしまったので

次の馬山へと雨山との鞍部に向かって下って行く。

こちらも階段と黒い土嚢袋で滑らないように整備されていて、

急な下り坂だがひょいひょいとルリちゃんが下って行っている。

途中にあった温度計は5°を指している。登りではそうでもないが、

さすがに樹林帯の中の下りでは直ぐに体が冷えてくる。







雨山への鞍部からは南に向かって真っすぐ車道を歩いて行く。

馬山は山の東側の竹林が取りつきになる。車道の脇に小さなピンクのテープが目印だ。

車道から山の中へ入って行くと直ぐに竹林の中の道になる。










竹林を抜け九十九折れの坂を登ると平らになった馬山に着いた。

木々に囲まれ眺望も三角点もない平凡な山頂に、直ぐに次へと西に向かって下って行く。

下って行く途中で12時を知らせるチャイムが聞こえてきた。

『あ、12時!』とあっちゃん。『さっき馬山でおにぎり食べたでしょう』と私。







馬山の西の登山口には鬼瓦を並べた建築会社の建屋がある。そこからまた南に向かって

次の日妻山へと糖山池に向かって歩いて行く。

すると住宅地に入る手前で道の脇の小さな池でガーがーと騒がしい声がする。

覗いて見ると池の中で飼われているアヒルが餌をせがんで寄ってきた。

今日はヤマガラといいこのアヒルといい、とにかく餌をせがまれるが持ち合わせがない。







住宅地を抜け日妻山の西側まで来ると、前回田んぼの畔から取り付いた場所にあった

テープが見当たらない。そして山際にはネットが張られているのが見える。

この場所は所有者の方と登山者が度々揉めている場所だ。取りつきの場所は分かるが

テープが無くなっているのがとにかく気になる。奥様たちは更に南側のため池の取りつき場所を

様子を見に行ったが、やはり前回と同じように『登山禁止』の札があったようだ。







仕方がないので一旦見性寺でお昼ご飯にして作戦会議にする。

昼食を摂りながらスマホで色々調べてみる。以前reikoさんがその登山禁止の場所を避けて

日妻山の南側へ下っていたレポートを見た記憶があったので、HPを見てみるが

そのレポートにたどり着けず、結局YAMAPを見てみると、正月明けから前回登った畦道の

取りつきを皆さん歩いている。そこで『強行突破で行きましょう!』と言う事になった。




取付きからは最初はシダの中、そして次にここでも急登が続いて行く。

その急登に途中の展望所にも気づかず珍しく黙々と登って行く奥様たち。

このクレーター五座は今回登らなかった実相寺山

250mが一番高い山だが、標高はともかく取りつきからは急登ばかりなのだ。













急登が終わり道が緩やかになってくると、四等三角点 日津間 235.8mのある山頂に着いた。







日妻山からは西に向かって最初は笹の中の道が続いて行く。

時々急な箇所もあるが、葉の落ちた木々の間から日差しが差し込み、

気持ちのいい雑木林の中の道となる。




その日妻山から一旦三郎池の淵に出て、県道を渡り大きなカントリーの建屋の奥から

山際へと、今度は南に向かって登って行くと平和公園墓地からの道に出る。

少し南に進むと取りつきにはテープがあり、左上に向かって道が続いている。

道に沿って歩いて行くと小さな祠があり、その祠の手前からまた急登が始まっていく。







道がトラバース気味になりさらに登って行くと雌上佐山との分岐に出た。

前回このコースをWOC登山部で歩いた時は、ルリちゃんも雌上佐山へは向かわず、

直接上佐山に登ったので、あっちゃんと二人で雌上佐山へと歩いて行った。

雌上佐山は眺望もないので私はパスして、今日最後の急登へと取り付いて行く。

上佐山山頂手前は日山の南ルートと同じような花崗岩風化して段差になった急登が続いている。

途中からはロープが張られていて掴まりながら登って行く。







ひと汗かいて山頂に着くと剪定バサミを持った初老の男性がいた。

地元の方でこの上佐山をコツコツ整備しているらしい。その男性は上佐山には他にも

南東と南西のルートがあり、南東のルートは今整備中だが、なかなかいい道だと教えてくれ、

他にも嶽山の東ルートや日妻山の北ルートなど、とにかく里山には詳しく、

奥様たちが登ってくる間ひとしきり里山談議に花を咲かせた。

しばらくすると雌上佐山から奥様たちが登って来た。初めてこの上佐山に登ったあっちゃんが

360度の大展望に感嘆の声を上げている。










するとまた二人が小日山の展望台と同じように、スマホを取り出しAR山ナビを眺め始めた。

見えている景色とスマホの画面の山の名前がなかなか一致しないらしい。







私がストックで指して山の名前をひとつひとつ教えてあげるが、

スマホから目を離さない。せっかくの大展望をもっとしっかり目視した方が

山の名前を覚えられると思うのだが・・・・。そのAR山ナビの練習が一通り終わった所で、

私の方から周りに見えている山を指しながら山名検定を始める。

問題を出してもあまり正解が出てこないので奥様たちのランクアップは今日はお預けとなる。











上佐山での展望を楽しんだ後、車を停めた平和公園墓地へと急坂を下って行く。

それにしてもルリちゃんの下りのスピードが半端ない。

ついて行こうとスピードを上げてみたら、根っこの上に足を乗せてしまってスッテンコロリン!

先ほど日妻山の下りでも落ち葉で足を滑らせ尻もちを付き、今日二回目の転倒!







そんな私を見てあっちゃんは同じ轍を踏まないように慎重に降りている。




予定していた中山峠~境目までの13kmまでの距離にはならなかったが、

沿面距離9.5km、行動時間約5時間の里山歩きとなった。

来週も天候次第では阿讃縦走路は厳しくなるかもしれないが、

計画では残り4回で完歩できるはず。2月中には何とか達成したいと思っている。




今日のトラック



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