六月を前にして四国地方が梅雨入りした今年。この時期はどうしても天気が不安定で
天気予報とにらめっこをする毎日だったが、週間天気予報では傘マークが並んでいた。
ただ先週はお休みしたので、二週続けてお休みするのは・・・・。それなら
少しくらいの雨降りでも歩けそうな山と言う事で、取りあえず梶ケ森を候補に
あげてみた。距離的にも歩行時間的にも短く、雨降りでも山荘横の避難小屋に
入れば、お昼ご飯の時も心配ない。
そう思いながら毎日天気予報を眺めていたら、水曜日だけ晴れマークが付いた。
さっそく奥様たちに案内して、今日は緩めに歩くことにした。
龍王の滝の駐車場では先行の車が二台停まっていた。車を降りるといつになく
沢を流れる水の音が大きく聞こえてきた。駐車場手前にあったトイレは新しくなり、
水洗のトイレになっていた。総合案内板もこんなにきれいだったかな?と思いながら
用を済ませて支度をする。
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駐車場の脇にはツクバネウツギの花が満開。龍王の滝への道の脇にはガクウツギが花を咲かせていた。
杉林を抜け足元が露岩の道になると間もなくして龍王の滝に着いた。
ツクバネウツギ
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ガクウツギ
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予想通り滝を落ちてくる水は勢いがあり、大きな音をたて岩肌に当たって飛沫をあげていた。
僅か20mほどの落差だが、今の時間帯なら光の中から岩と岩の間から落ちる滝の水と、
樹齢数百年の杉の巨木と周りの原生林に囲まれて、神秘的な雰囲気を醸し出している。
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滝壺の脇から上流へと登って行くと沢沿いの道になる。降雨の後で水量の増えた沢の
水は至るところで小滝が出来ている。龍王の滝の上部の大岩まで行き、落ち口が見られ
ないかとあっちゃんが覗き込むが岩肌に隠れて見えない。ルリちゃんは河原まで降りて
滝の上流を写真に撮ったりして、しばらくの間うろつく。
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渡渉ヶ所に架かる鉄製の手前の橋は、土砂崩れで手摺が曲がり、網目の踏み板も
土砂と石で埋もれて原型をとどめていない。
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その鉄製の橋を渡ると道は苔むした岩が転がる道になる。足元は苔の緑。そして周りは
朝の光が当たり輝く新緑。そんな緑の空間の中をゆっくりと登って行く。
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滝の上部からは15分ほどで定福寺の奥の院に着いた。奥の院は仏岳山遍照院と呼ばれ
弘法大師が修行した加持ケ峰(梶ケ森)の七合目辺りになる。
ここから右に折れて真名井の滝へと歩いて行く。ここでも斜面に架かった橋が落石に
よってけっこう歪んでいた。
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道はウツギだろうか?花びらで真っ白に埋め尽くされていた。道の脇にはフタリシズカ
があちらこちらで花をつけていた。そのフタリシズカの横で賑やかに写真を撮る
奥様たちフタリ。足場板のような橋を渡ると真名井の滝への急登になる。
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真名井の滝は岩の割れ目の間を細く曲がりくねって流れ落ちるような滝。落差は
先ほどの龍王の滝の半分くらいだが、流れ落ちる幅が狭いので、水の勢いは
こちらの方がある。滝壺に落ちた飛沫が涼しさを誘う。
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登山道はこの滝の手前から続いているが、滝の横からも崩れてはいるが、滝の上部まで
登って行ける。崩れた丸太の階段状の急登を登ると階段と鎖場になる。
先ほどからあっちゃんが『鎖場の岩は濡れてるわよね~』と言っているので、
『は・は~ん今日も鎖を登ろうとしてるな』と思って、『今日は絶対滑る~
登ったらいかんよ!』と釘を刺す。
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階段は何段にも分れて真名井の滝の上部まで続いている。『変な事を考えんと~』と
ルリちゃんに言われながらも、鎖を横目に未練がましく登ってくるあっちゃん。
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真名井の滝の上部から登りきるとシャクナゲの森の尾根に出る。東屋のある尾根の
シャクナゲは、残念ながらほぼ終わっていた。尾根を右手に歩いて行くと、足元には
背の低い笹が現れてくる。その樹林帯を抜けると一気に青空が広がった。
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ニガナ
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所々で振り返ると、梶ケ森山荘が見える。その奥には鉢ケ森。
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灌木の間の道を抜けると、天狗の鼻。絶壁の頂部に鎮座する石仏越しには梶ケ森山頂。
北には曲がりくねった吉野川と、国見山、中津山が見える。
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天狗の鼻で少し休憩した後、キャンプ場を抜けて山頂への最後の階段。振り返る度に
周りの景色が広がってくる。
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天狗の鼻からは20分ほどで山頂に着いた。電波塔の下の機械室のような建物から
モーターが回るような音が聞こえていたが、誰もいない山頂は静かに風がそよいでいた。
キバナツクバネウツギ
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奥様たちは、日陰がないのを気にしているが、背に腹は代えられない。お日様の下で
ベンチに腰掛けお昼ご飯にする事に。西にはゆとりすとパークの風力発電。
東には京柱峠から小桧曽山に続く稜線と、その奥には牛の背と天狗塚が見える。
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お弁当を食べ終わる頃に4人のグループが登って来た。軽く挨拶をした後、奥様たちに
山座同定の講義。北から東にかけて見える山々は自分たちも歩いてきた山ばかり。
それだけに稜線が繋がり山の名前が確認できると、いつになく二人は喜んでいた。
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講義を終えた後は山荘へと下って行く。途中からは舗装路へと進み山荘まで来ると
十台近くの車が停まっていた。『あれ?水曜日は定休日のはず』と思ったら、山荘の
改修工事をしている工事の車両だった。
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トゲアザミ
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山荘の玄関から食堂を覗き込むと、中から男性が出てきて色々と話をしてくれた。
改修工事を終えたら7月にはオープン出来るとの事。次は定休日を設けずに営業
する予定だそうだ。以前は高知の相愛という会社が委託監理していたが、今回からは
神奈川の会社が管理する事になったそうだ。『オープンしたらまた是非お越しください』
と笑顔で話してくれた。
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山荘の裏側から奥の院への登山道を下って行く。いつもならゴロゴロ八丁を下るのだが、
降雨の後、今日は安全を期して更に東側の道を歩いて行く。
クリンソウ
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ゴロゴロ八丁を避けて安全にと思った道は、あまり歩かれていないのか、
谷筋はザレていて意外と危ないヶ所があった。
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シロモジ
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山荘への舗装路へ出る手前で左に曲がると奥の院への道。以前には奥の院近くまで
車が乗り入れできたのか、路面はコンクリートでできていたが、コンクリートは
割れて、落石で道は覆われ、既に荒れ放題の道になっていた。
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奥の院からはいつもの様にトントンと小気味よいスピードで下りて行くが、後ろに
来ているはずのあっちゃんの姿が見えない。奥の院でバイケソウに気を取られて
私とルリちゃんを見失い、登山道とは違う方へ降りて迷ったそうだ。間違いに気づき
元に戻って下りて来たというあっちゃんをしばらく待ってまた一緒に下って行くと、
奥の院からは25分ほどで駐車場に着いた。
今日は6km弱、4時間ほどのここ最近にしては緩い山歩き。それでも奇跡的に
一日だけ晴れた日に丁度歩けて気分転換になった。しばらくの間は天気が
予想しづらく、今日のような軽めの山歩きになりそうだ。
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帰り道、八畝の集落の道の脇にはアジサイが満開だった。そのあじさい越しに
見える怒田の集落は山肌を切り開いて、かなりの標高まで民家が続いていた。
険しく厳しい山の斜面で暮らす人々。その生活ぶりの大変さが偲ばれる。
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