KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

今のうちに奥様サービスでバイカオウレン巡り

2024年02月12日 | 四国の山

まだしばらくは本格的なお山には出かけられそうにない。ならば今まで休みといえばほと

んど山ばかりで、ほったらかしにしているお家の奥様のご機嫌を今の内にとっておこう。

丁度、週中の休みが合ったので、巷で写真がアップされているバイカオウレンを見に出

かけないかと誘ったら、即OKの返事が返ってきた。私自身もこの花を見るのは初めてな

ので楽しみにして出かけてきた。出かける前にYAMAPをチェックしていたら直近で、

GAKUGAKUさんが活動日記をアップしていて、その中で加茂の自生地はお昼からの

方が陽が当たるので良いと思うと書かれていたので、少し予定を変更して牧野公園へ先に

出かけてその後に加茂の自生地を覗いてみる事にした。


高松自動車道と高知自動車道を通って、国道33号線を西に佐川町へと走る。去年も横倉

に登った時にも通った道。途中道すがらで施設や店舗を色々と詳しそうに説明をすると、

『いいわね、あちこち出かけていて!』と思いもよらぬ嫌味な返事が返ってきた。さっき

まで機嫌が良かったのに、どこに地雷が埋まっているか読めない・・・・(汗)

それでも自宅からおおよそ2時間強で佐川町に着いた。街中の街道を進んで行くと四国銀

行の隣に以前はなかった『観光用駐車場』と書かれた看板のある広い駐車場が出来ていた。










街道から南に折れると司牡丹酒造の酒蔵が立ち並ぶ趣のある道になる。旧坂口家の住宅を

改装したカフェを横目に見ながら緩やかな坂道を登って行くと青山文庫の駐車場と観光パ

ンフレットを置いた無人の案内所。更に進んで行くと子供たちの賑やかな声が聞こえてき

たのは一番奥まった場所にある花園保育園の子供たちだった。すると保母さん連れられた

園児たちが、道の脇から青源寺への道の石垣を登っている。少し下手にはちゃんとした道

があるのに、わざわざ石垣を横から登っているなんて、今どきにしては珍しくて何だか微

笑ましくなった。








牧野博士が東京からソメイヨシノの苗を佐川町に送り、その後地元の有志が青源寺の土手

に植えた事から、日本桜の名所百選に選ばれた牧野公園のソメイヨシのあゆみが始まりま

す。その後の紆余曲折経て現在は小中学生も一緒になった住民ボランティアの手でリニュ

ーアル事業が行われていて、約700種類もの植物が楽しめる公園へとなっている。




公園入口から坂道が続いて行く。その道の両側には植物の名前を書いた小さな名札があち

らこちらに立てられているが、まだこの季節咲いている花はあまり見られない。

早い時間から訪れている方が多いのか、坂の上から年配の主に夫婦が次々と下りてきてい

る。案内所で手にしたMAPを見ながら坂道を登って行くと、途中にトイレと売店のある

場所に、ユキワリイチゲの写真が載っていた。花見棟と書かれた建物前にはユキワリイチ

ゲだけでなく他にも、セツブンソウやセリバオウレンの小さな花が咲いていた。














九十九折れの坂道を登って行くと佐川の街が見降ろせる。遠くには横倉山が手前の山の尾

根の上に顔を覗かせている。







馴れ馴れしく博士の肩に手を置く




トイレのある公園の最上部から回り込んで下って行くと、木漏れ日の差す林床一面に白い

金平糖が散りばめられた様に見えるバイカオウレンが咲いていた。













ロープで囲まれた小道に次々と観光客がやって来ては屈んで写真を撮っている。奥様も立ち

止まっては何枚も撮っていた。バイカオウレンの林床から先には牧野博士の分骨した墓石。

そのお墓から一旦上に戻って登って行くと、陽に当たってキラキラと輝く福寿草が咲いて

いた。加茂のバイカオウレンに行く前に立ち寄った牧野公園で、思わぬ珍しい花を見る事

ができて奥様の気分も上々!(笑)











公園からの帰り道、近くの街中を散策。司牡丹酒造の酒蔵が並ぶ街並みは風情があって二

人で久しぶりに小旅行気分。


















佐川町を後にまずは腹ごしらえ。日高町はオムライス街道と呼ばれてオムライスで有名だ

が加茂の群生地は通り過ぎてしまう。それならと横倉山に出かけた際に途中で目にして気

になっていたまる美食堂に入ってみた。店内は外の見た目通りの昔ながらの食堂といった

雰囲気。レジの横におばあちゃんが腰掛けていて、その息子夫婦なのか奥さんが愛想よく

お茶を持ってきてくれた。メニューを見るとオムライスもある。

さっそく奥さんはオムライスを注文、私は中華そば。どちらも素朴な味で美味しくいただ

いた。食べ終えてお金を払おうとしたら『よかったらどうぞ!』と缶コーヒーを差し出し

てくれた。中華そばはは600円なので缶コーヒー代を差し引くと実質500円弱になっ

てしまう。小さなお店で大丈夫かなといらぬ心配をしてしまう。








お腹を満たした後は今日のメインの加茂へ向かう。車は県道沿いの集落活動センター加茂

の里が駐車場になっている。入り口には地元のボランティアの人たちが、車の誘導や案内、

入園料の300円を徴収していた。車を停めてお金を払うとボランティアの人が自生地の

地図を描いた紙を渡してくれた。その地図に従って線路を渡って集落の中へ。その集落の

建物が途切れた場所から山の中へ道が続いていた。最初から意外と急な登坂。しばらく歩

くと背中にじと~と汗が出てきた。その急坂を上りきると道の横に昔懐かしいリアカーが

放置されていた。更にその横に木の枝に赤テープが巻かれて山道らしき道があった。恐ら

清宝山への登山道だろう。今日は観光なので山道はパスしてまた今度!











そこからは少し下りの道を歩いて行くと道の上に『バイカオウレン祭り』と書かれた横断幕

が掛かっていた。お祭り自体は2月10日かららしく、平日もあって人出はさほどでもな

かった。その横断幕から右手にお目当ての自生地が広がっていた。谷あいの杉林の林床に

はバイカオウレンが数十万株も咲いているという。バイカオウレンの花を見るのも初めて

だけれど、花の群生地としてこれだけの数の花が咲いているのを見るのも初めてだった。

奥様も熱心に写真を撮っているけれど、コンデジでもピントが合わないこの小さな花はス

マホで撮るのはなかなか厳しいだろうな。GUKUGAKUさんが書いていた通り、西からの

日差しが当たり明るくなった林床に杉の木の影ができて、光と影の変化が合ってとてもい

い雰囲気だ。



















自生地はロープが張られてその中を一方通行で周回する道になっていた。この自生地をボ

ランティアの人たちが落ち葉を取り除いたり、他の草を抜いてバイカオウレンが埋もれな

い様に手入れをしているそうだ。本来なら1000mぐらいの山林で生育するといわれて

いるバイカオウレンが、わずか100mほどの標高のこの場所で自生しているのは、よっ

ぽどこの谷あいの環境が合っているのだろう。














一通り写真を撮って周回路を回った後、少し上手にある案内図に書かれている苔庭まで歩

いてみる。こちらもバイカオウレンの自生地と同じような林床に、何種類もの苔が生えて

いてその横に苔の種類が書かれた名札が立っていた。













苔庭を一周して、もう一度自生地を廻ってバイカオウレンを見納めする。














小さな花たちを堪能した後高知市内まで戻りひろめ市場へ。初めて来たという奥様はカツ

オのたたきをはじめ色々と料理を取って、チューハイまで注文した。運転手の私はひろめ

市場で初めてアルコールを飲まずにノンアルコールで我慢の出血大サービス!

その甲斐あってか帰りの車中で奥様は上機嫌。これでお山に出かけるようになっても文句

を言われることもないだろうか、逆にどこかに連れて行けとせがまれるようにならないか、

どちらに転ぶかは神様がどちらに味方するか次第・・・・・?