KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

今回は奥様たちのリクエストで、花の山の皿ケ嶺へ!

2024年07月28日 | 四国の山


ネット上では夏の花の写真が目に付くようになってきた。昨年のこの時期は寒風山や大

のユートピア避難小屋へ花を目当てに出かけていた。そこで燕岳の遠征から帰ってき

た奥様たちに『どこのお花がいいですか?』とメッセージを送ったら、『皿ケ嶺に行きた

い』と予想外の返事が返ってきた。

そういえば昨年の9月に歩いた時に、ハガクレツリフネが咲き誇る斜面一面に、もう開花

を終えたギンバイソウの群生が目に付いた。その時に熱心に写真を撮っている女性にあっ

ちゃんが
話しかけると、『ギンバイソウ』だと教えてくれたそうだ。『可愛らしい白い花が

好きなんです』とも話してくれたらしい。その時のことを覚えていたあっちゃんからの

リクエストで『是非一見てみたい!』との事だった。


お昼過ぎからの天気の崩れが少し心配だったが、ゆっくり目に家を出て9時半前に上林

森林公園の駐車場に着いた。駐車場には4~5台の車がすでに停まっていた。トイレと

身支度を済ませてまずは風穴へと登って行く。




カラスウリ



前回は一面小さながハガクレツリフネが咲いていたが、気の早いのが所々で咲いている程

度でさっそく白い花が咲いているのが目に飛び込んできた。

多くの花が下を向いて咲いていたがたまに正面を向いている花を見ると、まさしく白い梅

の花の様で、名前の由来が納得できる可愛らしい花だった。

ハガクレツリフネ



ギンバイソウの群生







前回もそうだったが奥様たちが写真撮影に忙しくてなかなか登って来ない。

ダイコンソウ


キツリフネ


フシグロセンノウ



それにしてもこのギンバイソウ、雄しべの数がとにかく多い。ひとつの雌しべを囲むよ

うにして雄しべが群がっている。風穴のアオケシは二茎ほど花をつけていた。











風穴から上の道沿いもギンバイソウの群生が続いていた。







ウバユリ









十字峠への分岐辺りもまだまだ群生は続いていた。森の中では白い花にどうしても目が

いってしまいがちだが、他にもたくさんの花が咲いている。そんな中でも葉の下に隠れ

てちょこんと遠慮がちに顔をだしている、ハガクレツリフネがとても可愛らしく感じる。






オオバヨメナ


ハガクレツリフネ







標高が上がるにつれてギンバイソウの開花の状況が変わるのかなと思ったが、登山口近

くも尾根近くもさほど変わらず、蕾のままのもいれば花を開いているのもいた。











途中で一カ所大雨の影響で崩れた場所があったが歩くのには不都合なく通過できる程度

に復旧されていた。そしてその先の湿った岩肌には今年初のイワタバコが小さな花を咲

かせていた。岩肌を伝って落ちる水に濡れた葉が瑞々しい。














途中で4・5人のグループが何やら道の横の斜面で何かの花を探していた。その横を通っ

て挨拶をすると『早く行け!』と言わんばかりに訝しそうな目で見られた。どうやら珍し

い花を探していたようで、あまり他の人には見られたくない様子だった。たしか昨年竜神

平らで集まっていた常連さんのようだ。そのうちの一人の男性にはアケボノシュスランの

咲いている場所を案内してくれたのだが、今日はあっちゃんが『何が咲いているのですか

?』と尋ねても、答えてもくれなかったようだ。

それにしてもギンバイソウはほぼ尾根近くまでずっと咲いていた。










竜神平の手前で上林峠と竜神平への分岐となる。予定では上林峠の方へ少し歩いて、竜

神平を東から回り込むつもりだったのに、あっちゃんがいまは待てないように『お昼に

しましょうよ』と仰ったので、そのまま竜神平へと歩いて行く。

媛大小屋の前では女性が二人休んでいた。その奥のベンチに腰掛けお昼ご飯にする。

空は雲が太陽を隠してくれて竜神平の湿原を通り抜けてくる風が心地よかった。














そのうちに先ほどのグループがやってきて休憩もせずに湿原の中へ入って行った。私た

ちもお昼ご飯の後、踏み跡を通って湿原の中へ入って行くとベンチからも咲いているの

が目に付いたのギボウシと大きな花をつけたハンカイソウだった。



コバギボウシ





ハンカイソウ



そしてルリちゃんがあちらこちらで『ここにも咲いている!』と言って、次々と花を見

つけてくれる。

スマトラノオ





ミズチドリ





タチカモメズル


アキノタムラソウとトンボ






湿原の中をあまりうろつくと踏み荒らすことになるので、踏み跡のある所だけにして引

き返して、皿ケ嶺山頂へと歩いて行く。頭の上では天気予報通りゴロゴロといい始めて

少しパラパラとし始めていた。

足元にはミヤコザサ、周りは落葉樹林の緩斜面の道を歩いて行く。











ブナの葉の緑が、雲をすり抜けてくるやわらかい日差しに当たって生き生きしている。







皿ケ嶺山頂からは南に少し景色が広がっているが、怪しげな雲が流れてきているので、

写真を撮った後、早々に引き上げる。






オカトラノオ






帰りは十字峠の先から風穴へと下って行く。途中にある 二等三角点 行長 1270.5m

伐採地の奥の雲の狭間にかろうじて見える松山の市街地。そして南にほぼ平らに見える

稜線は天狗高原辺りだろうか?














十字峠は名前の通り竜神平・引地山・六部堂への十字路になっている。そのまま引地山

に向かって歩いて行く。1165mの標高点の先から風穴に向かって降りるのだが、こ

の辺りまでは竜神平から続く緩やかな道だが、ここから先は割と急な下り坂になる。











登山道の周りはガスがたちこみ始めた。そのおかげが標高わずか1200mでもほとん

ど暑さを感じない。奥様たちも調子よくトントンと下って行っている。








風穴には山頂から40分強で着いた。石積みの中からは目で見ても涼しげな冷気が立ち

上っている。脇のベンチでは二組の方がその冷気に当たって涼んでいた。








この時期1000mほどの山では暑さを覚悟して出かけてきたが、雲のお陰か太陽の日差

しを遮ってくれて、思っていたよりも楽に歩け、奥様たちお目当てのギンバイソウも、こ

れでもかというくらい見ることもできた皿ケ嶺。四季折々に彩を変え楽しませてくれ、松

山市内から近郊にあって毎日のように大勢の人が訪れる貴重な山だ。