KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

『線で繋ぐ西赤石山~阿讃縦走路』翠波高原~堀切峠

2023年10月05日 | 四国の山


今週は先週歩いた翠波高原の北峰展望台から、東に続く稜線を堀切峠を目指して歩いて

きた。ただこの稜線は法皇スカイラインの名前の通り、稜線を舗装路が堀切峠まで続い

ているので、そのまま歩くと10kmほどのただの散歩となってしまうので、出来るだけ

舗装路を歩かずに道の脇の樹林帯の中を歩く事にした。




いつもの様に豊浜SAに集合して今日は2台で高松自動車道を走り、川之江ICで降り、

国道11号線・192号線そして県道5号線・さらには国道319号線を通って、堀切

峠を目指した。堀切峠は新宮から川之江へ抜ける土佐北街道の峠。三差路になった峠に

ルリちゃんの車をデポして、奥様たちを私の車に乗せて北峰展望台へと車を走らせた。

北峰展望台からは西に鋸山・豊受山、眼下には土居町の街並みが、先週よりもさらに

青い空の下に広がっていた。













展望台からまずは舗装路を歩いて行くと。先週と同じ場所で伐採した丸太をトラックに

積み込む先週見かけた若者の姿があった。その積み込み作業の横を先週と同じおじさん

とおばさんが同じ格好で歩いているのを見て、その若者はどう思っただろう。

道の脇にはまた同じような花が咲いていた。

シロヨメナ








アキノキリンソウ



右手の水波権現へのコンクリートの登坂を過ぎると、スカイラインはくねくねと曲がっ

た下り坂になっていたので、ここはガードレールの間を通ってそのまま直進をして下っ

て行くと杉林の中に道があった。







枝打ちされ枯れた杉の枝が積もった道を下って行くと、二つの石柱。水波大権現と彫ら

れた石柱。今下ってきた道がスカイラインの出来る前の水波大権現への道だったのか?








その石柱の先はススキ原。薄い踏み跡を辿りススキを掻き分け進んで行くと、足元にコ

ンクリートの橋の様なものがあった。更に進んで行くと仮設のトイレも。ここはいった

い何だろう?と思いながら歩いて行くと、舗装路に飛び出した。














その舗装路の際にはアヤメ池と書かれた石の案内板と朽ちかけた木の案内板があった。

元々ここには小さな池がありアヤメ池と呼ばれていて、その池はノハナショウブの自生

地で市指定天然記念物にもなっているらしいが、今は鬱蒼としたススキ原で見る影もない。







翠波峰から下ったこのアヤメ池がこの辺りの底地になっていて、ここからは中曾根の三

角点に向かって緩やかに高度を上げて行く。一旦車道を歩き、道が曲がり始めるとショ

ートカットして道の脇の樹林帯の中を歩いて行く。







そのショートカットもすぐ終わり再び舗装路に。その舗装路から道の脇をひと登りする

四等三角点 中曾根 793.63m ここには比較的キレイなキティーちゃんがあった。










中曾根の三角点からは直線の舗装路歩き。道の両側の樹林帯は密度が高くて飛込む気に

ならない。



マツカゼソウ



時々道の南北に脇道があるが、地形図にも載っていない道。南側の道は稜線の南に東西に

続いている鉄塔への道かもしれない。



シモバシラ


カタバミ


ツリガネニンジン



すると今度は大きな三差路に出た。左に馬瀬林道と書かれた大きな標識と、その脇には

お地蔵さんが二体。ここが馬瀬林道の終点で虫仏山林道の起点になる。










二つ目の三角点はこの林道説明板の東側にある。斜面の様子を見ながらルリちゃんが登

って行く。あっちゃんと私はもう少しマシな取付きはないかと舗装路を歩いて探すが、

斜面と道との段差は高くなる一方。仕方がないので三角点を回り込み、左に続く林道か

ら登って行く。先に着いたルリちゃんは『取付きだけが荒れていたけど、あとはきれい

な尾根だった』と。




四等三角点 池ノ尾 778.31m にもキティーちゃんのプレートがあったが、きれいに

二つに割れて木の幹にぶら下がっていた。年月の経ったキティーちゃんのプレートが割

れているのを至るところで見かけるが、WOC登山部のメンバーのセニョさんは、その

補修にCDを裏当てして接着剤で丁寧に修理している。ただ今日はそんな準備もしてい

なくて、ルリちゃんが持ってきたテーピングで貼り合わせ、針金を巻きなおして修理完

了とした。少々不細工だが応急手当、良しとしよう。



















池ノ尾三角点からも舗装路歩きが続いて行く。四国中央東幹線はこの尾根の南側を東西

に続いているが、銅山川第一発電所、三島変電所へ送電線が何本か稜線を跨いでいる。
















今日唯一の山頂の平石山へ適当に取り付いて見ると直ぐに車道に出てしまった。






コウヤボウキ


ミゾソバ




南へ続くチェーンの張られた林道を横断して、向かい側の斜面を登ってみる。ただこの

斜面、落石防止のネットで覆われていて地面に靴が食い込まず、そのネットが合成繊維

なのでツルツルと滑り、目の前にあっちゃんが滑ってズリ落ちてきた。











何とかその斜面を登りきり、平石山への尾根へと歩いて行くと南側に伐採地が広がって

いた。目の前に四国中央東幹線の大きな鉄塔。その奥には大森山からカガマシ山へと続

く、比較的高度差のない稜線が見える。













南東の遠くに笹原のように見えるのは塩塚高原だろうか?南西に目を移すと、玉取山

奥には大座礼山東光森山そして右端には平家平まで見える。それにしても今目の前に

広がる峰々を繋いで良く歩いたものだと我ながら関心をする。伐採地に沿って尾根を歩

いて行くとフェンスで囲まれたDOCOMOの電波塔があった。その電波塔様に舗装路

からは階段が造られていた。










フェンスの周りは木々が密集していて先には進めそうもないので、階段を少し下って、

歩けそうな場所から手摺を跨いで次のピークへと歩いて行くと、平石山に着いた。

二等三角点 西平石 825.56m 翠派峰から東でこの山頂が最高地点になる。

ルリちゃんの車の中に帽子を忘れたあっちゃんが今日はタオルをほっかむりして歩いて

いる。『ここは山の中だからいいものの、橋の袂にでもその格好でいたらまるで〇鷹で

すね』と言うと、『そんな事はない、リンゴ娘と言って!』と訳の分からない事を仰る。







平石山からは東にそのまま下って行く。少し荒れてはいたが立ち止まる事無く右に左に

と枝葉を避けながら歩いて行く。






ゲンノショウコ



そして一旦ヒノキの植林地になる。植林地になると先ほどの自然林の中よりも随分と歩

きやすくなるが、そのあとすぐにまた舗装路に出た。







そこからは749mの標高点に向かってまた舗装路を歩いて行く。途中右手の斜面から

覆いかぶさるようにして生えた葉の先に、可愛らしくウェーブした花が一面に咲いてい

た。タカネハンショウズルの小さな花だった。
















右手にタカネハンショウズルの花を見ながら歩いて行くと、左手に一ヵ所眺望が広がっ

た場所があった。四国中央市の市街地の奥に観音寺市や仁尾町、そして荘内半島までも

見渡せた。






ミズヒキ






標高点を過ぎカーブを曲がると右にチェーンの張られた進入路があった。そのチェーン

には『施設休止のため立入禁止』と書かれた張り紙がぶら下がっていた。車をデポした

堀切峠に『自然の森』と書かれた大きな施設内の案内看板があったが、恐らくその施設

への進入路だろう。施設案内図にはキャンプ場やトイレ、展望台の画が載っていたが、

ここもアヤメ池同様に敷地内はもう草木で埋もれてしまっているのかもしれない。

そこを過ぎるとへんろ道が舗装路を跨いで南北に続いていた。北側の山裾にある三角寺

から南の銅山川の畔にある仙龍寺までの道。仙龍寺は通称三角寺の奥の院と呼ばれ、古

くから多くのお遍路さんがこの道を通って参拝したそうだ。










舗装路からへんろ道に入りヒノキ林の中の道を登って行くと地蔵峠と書かれた道標があ

り、脇には四体の地蔵が並んでいた。右から2番目は地蔵道標、その左も仏海による地

蔵道標)で、1番左は26丁の地蔵丁石だという。ちなみに右端の地蔵には顔が無かった。










その地蔵の向かいには奥の院への石の案内道標が立っている。ここから最後堀切峠に向

かって尾根を辿って下って行く。ヒノキの中を踏み跡を探しながら下って行くと作業道

に出た。尾根に沿った作業道で快適に下れるはずだったが、途中からイバラが道を塞ぎ

始めた。











ここからは三者三様。ルリちゃんはイバラを避けて作業道から外れて進み、あっちゃん

はそのまま無理やり突入してきた。私も当然イバラを避けて歩いて行く。








ピンクのテープは基本登山者ではなく、国土調査や林業の人が付けるケースが多いの

だけれど、この辺りに付けられているピンクのテープは比較的尾根の上の目印になっ

ているようなので、『ピンクのテープを目印に!』と奥様たちに声を掛ける。











その内に境界杭も現れた。腰が引ける位の急坂を下りさらに進んで行くと今日四つめ

の三角点大岳に着いた。三等三角点 大岳 682.12m ただ名前の割にはピークでも

なく周りも木々に囲まれた変哲もない場所だった。







ここではキティーちゃんのプレート見当たらない。ここまでの三角点でプレートがあ

ったという事は、ここにも必ずあるはずと三角点の周りを探していると、一本の木の

根元に割れたプレートが落ちていた。先ほどと同じ要領で取りあえずの応急処置をす

る。しかしこのキティーちゃんのプレートは香川の里山でも『え!こんな場所まで』

と思うような山で見かけるが、見かける度にどうしてだろう何だか嬉しくなる。ただ

そんなキティーちゃんも朽ちてしまうとゴミになってしまう。勿体ないな~と思いな

がら、今度からセニョさんの様に、山によっては修理キットを用意しようかな。













<





大岳の三角点から堀切峠まではあと少し。時間は12時40分。途中で行動食を口に

したがもうお腹がペコペコ。GPSを見ながら峠へと下って行くが広がった尾根は、

方角が分かりづらい。それでも何となく峠に向かっているとまたヒノキの植林地の

作業道に出た。作業道は植林地の中を縦横無尽に続いているので、出来るだけ下へ

続く道を選んで歩いて行く。途中でカヤの道になったりしたが、それでも下へ前へ

と前進する頼もしい奥様たち。














九十九折れになった道を真っすぐショートカットしたいのだが、道の脇には枝や木

が積み上げられて取りつけない。仕方がないのでその九十九折れになった道を道な

りに歩いて行くと、車を停めた峠の少し上に飛び出した。











翠派高原からの今日の行程はほぼ舗装路歩きになると思っていたが、意外とその脇の樹

林帯やススキ原を歩く事ができて楽しめた。スタート地点に停めた車を取りに戻ると、

展望台では香川から来ているご夫婦が、先週と同じように大きなカメラとレンズを抱え

て、鷹の写真を撮っていた。山歩きもご夫婦で歩いているご夫婦を時々見かけるが、趣

味が同じなんて良いな~と、あっちゃんと二人で羨ましく思った。

帰り道四国中央市から眺めた稜線はどこも特徴がなく、どの辺りを歩いたかが分からな

かったが、唯一ドコモも電波塔が確認できた。『そうするとあの辺りが平石山か・・。』

そう思いながら川之江インターチェンジから高速道路に乗り入れた。











次回上手くいけば阿讃縦走路までが繋がる計画だ。







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