今週もWOC登山部は自主トレ。といっても個人的に塔丸を歩く予定なので
興味のある方はご一緒しましょうと、WOCのFaceBookに書き込んだら
やっさんとあっちゃんとルリちゃんが興味があると連絡があった。
台風一過で天気は良くなるとふんでいたが、どうやら午後から崩れそうな雰囲気、
集合時間を30分早めて夫婦池を目指した。貞光からいつものように国道438号線を
南下していると、前から見覚えのある車が来ている。『あっ!IRIBITOさんや!』
IRIBITOさんは剣山で御来光を見るため昨晩から車中泊をして、今からもう帰るところ。
『もう天気が崩れそうやから、他には歩かず帰るわ!』と。IRIBITOさんと別れた後、
時々フロントガラスに雨粒が落ちていたが、大きな雨にならない事を願いながら車を走らせた。
夫婦池でトイレを済ませていざスタート。雨はまだ降っていない。
地形図では塔丸となっているが登山口の道標には呼び名の通り塔の丸と書かれている。
他にも塔ノ丸と書かれていることもあるが、実は大正時代までは、
地元では塩無山(しおなしやま)と呼ばれていたそうだ。
登山口からはしばらくの間は塔丸の主稜線の北側をトラバースする
緩やかな登坂が続き、ウラジロモミが目につく林の中をゆっくりと歩いて行く。
前回丸笹山から赤帽子山を歩いたあっちゃんが『丸笹山への道と同じような道やね!』と。
林床にシコクザサが広がり始めると道幅は狭くなる。以前はザレて歩き憎かった場所は
谷側にロープが張られ問題なく通過できるようになっていた。
ザレ場を抜けると樹林帯が終わり稜線に出る。振り返ると太郎と次郎が仲良く並んでいる。
雨降りもそうだがガスがかかって全く景色が見えないというのが一番気になっていたが、
幸い何とか周りの景色は見えそうだ。
更に進んで行くと今日のコースの全容が見渡せる笹原になる。
反対側の剣山から見ても緩やかに続く稜線とこの笹原は見て取れる。
笹原にはこのコースの特徴の白い巨岩が点在している。画角を狭く切り取ると
四国カルストのような雰囲気がするが、四国カルストは石灰岩で
この塔丸から三嶺にかけては御荷鉾緑色岩と呼ばれる地質だそうだ。
途中の小さめの岩に登ってみる。
最初の巨岩を過ぎると雨がちらつき始めた。笹原から少し登った道の脇のウラジロモミの木陰で
雨具の上着を着こむ。ここでやっさんも大事な一眼レフをザックの中にしまい込む。
最初は傘をさして歩いていたが、次第に風も強くなってきた。
後ろから来るルリちゃんが氷上を滑るスケーターのようにして歩いてきている。
晴れていれば青い空と緑の笹原で申し分のない稜線歩きだが、
周りの景色が見えるだけでも良しとしよう。北側には矢筈山や黒笠山。
そして落合峠から西に寒峰に続く稜線も見えている。
雨が降り始めるとあっちゃんが『どこでご飯を食べるの?』と頻りに気にかけ始めた。
『コアラさんのように立って食べたら!』と冗談を言ってみる。
笹原から山頂手前で一旦、樹林帯の中に入る。樹林帯の中で風が止むと体感温度は
多少、変わってくるが、それでもやはり少し冷え込んできた。
山頂にはほぼコースタイム通りの1時間40分弱で着いた。三角点の周りには3つほど
背の低い山名標が立てられていて、その向こうには三嶺が見える。
時間は10時30分。これから折り返してもお昼には夫婦池に戻れる。
雨に当たると濡れた手先が冷たくなってきたので、『ご飯は夫婦池の東屋の下にしましょうね!』と言って、
一度も腰を降ろすこともなく早々に山頂を後にした。
なだらかに続く稜線にいつもならゆっくりと下って行くのだが、雨の中では他の人とも
ほとんど話すこともなく黙々と下って行く。これぞ理想的なフィジカルディスタンス?
稜線の奥には剣山から続く丸笹山が見えている。
『これで中尾高原から赤帽子山、丸笹山、塔丸と繋がった』とあっちゃん。
『ふ~ん、そんなことを考える様になったんだ~』とひとしきり感心する。
相変わらずおしゃべりすることもなく黙々と歩くメンバー。
まぁ~雨だし、周りの景色を楽しむ余裕もないからな~と思っていたのだが、
よくよく考えたら、私も含めててお腹が減って早く戻りたいだけかも知れない・・・・と。
笹原には登山道とは別に幾筋ものトレースがあちこちに続いている。
獣道なんだろうが、所々でその道と登山道が交わって、一瞬間違えそうになる。
登山道ははっきりとして笹が踏み固められているが、何ヵ所かは腰までの高さの
笹が茂って、雨具のズボンを履かなかったことを後悔する。
ルリちゃんだけがスパッツを付けていたが、それでももう太ももの辺りまで濡れている。
普段ならあっちゃんが登っているだろう大岩も今日はあっさりと通過。
やはり背に腹は代えられないらしい。
雨も止んで最後に見えた太郎と次郎にもお別れする。
1579mの四等三角点「塔丸東」には45分ほどで着いた。ここで初めて立ち止まる。
あっちゃんが「KAZASHIさん、靴の中は大丈夫?」と聞いてきたので、
「もうピッチピッチ・チャップチャップですよ!」と。
上から当たる雨よりも、足元の笹の露の方が靴の中は濡れてしまうようだ。
三角点を過ぎると残るは樹林帯の中の道。ここからは多少の雨が降ろうが、
風が吹こうがもう大丈夫。他の三人も落ち着いて来たのか、少しづつ話をはじめてきた。
稜線の北側の斜面は、どこの山でもそうだが木々の幹の周りにも
びっしりと苔がまとわりついている。その苔が雨のお陰で生き生きとしている。
鹿害避けのネットがかなりの数の木々に巻かれている。それだけ鹿の多い場所と言う事か。
往路で『ちゃんとテープが巻かれている道ね~』とあっちゃんが言っていたが、
ピンクの長めのテープは道標のテープではなく、営林署とかが付けて行ったテープ。
また枯れた木には『危険!』と書かれた黄色いテープが巻いてある。
台風10号の風の影響で来る途中の国道にも、この林の中にも木の枝が散乱していたが、
ウラジロモミの大きな枝も枯れてもいないのに道の真ん中に落ちていた。
最後は露出した木の根っこに足を滑らさないように下って行くと登山口に到着。
さっそく夫婦池まで移動して、濡れたものを着替えて待ちに待ったお昼ご飯。
濡れた靴下も脱いだので足元が寒いね、と言いながらお弁当を食べた後は、
久しぶりのWOC登山部恒例のコーヒータイム。
一人だけコップを忘れたルリちゃんは代わりの水筒に。知らない人が見たら
なんて欲張りなんだと思われるだろうな~なんて・・・・。
往復でも8kmのこのコースはのんびりと歩くにはもってこいのコース。
今日は雨に降られたので少し急いだが、今度は秋か雪の日に歩いてみてもいいな~と
いつになく早くお昼過ぎには夫婦池を後にした。
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