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ギックリ腰の再再発、そしてその後の原因不明の腹痛と、山歩きには絶好の季節に
なった途端に身体の調子が悪くなり、毎週欠かさずお山に出かけていたのに、
4月~5月にかけてはお休みする日が度々あった。その度奥様たちには断りを
入れていたが、その度申し訳なさで小さな胸が張り裂けそうになった 。(*´▽`*)
何ていう事は全くないのだが、お休みばかりでは奥様たちの目がだんだん
吊り上がっていきそうなので、体調は良くなってきたのでまずは『線で繋ぐ
石鎚山~剣山』を再開する事にした。
昨年冬に入る頃に一旦中断した場所が野地峰~兵庫山の区間。
そしてこの区間にはほとんどの人が苦戦したスズタケ大藪の登岐山がある。
しかもこの区間は野地峰の登山口となる白滝の里山村までがけっこう遠く。
縦走コースで車をデポするのにも頭を捻らなければならない。そんな話をエントツ山さんの
掲示板に書き込んだら、北側の富郷ダムのある法皇湖側からのルートを検討してくれて、
実際に検証して歩いてくれたりした。その結果10時間以上かかるかもしれないが、
落合橋~兵庫山~登岐山~黒岩山~野地峰を周回出来ない事はないと提案してくれた。
周回できればその区間を一回で歩けて、しかも落合橋までなら車の移動時間も短く、
クネクネの山道もほとんどなく、車酔いをするあっちゃんでも問題ない。
(前回の白滝の里山村までは酷い車酔いをした)
その周回コースを想定して、同じような高度差の鋸山を4月に北側の四国中央市から
登ってみた。次に今回は登岐山の大藪を想定して、橡尾山の藪で予行演習してみようと
カガマシ山~橡尾山~笹ヶ峰の周回コースを計画してみた。
ネットを調べてみると橡尾山の笹薮は、登岐山のスズタケ藪ほどではないので
問題はなさそうだが、それ以前に登山口までのアプローチが問題の山なのだ。
新宮町と大豊町を結ぶ県道5号線は、2018年から何ヵ所もの道路崩壊や
路肩崩壊で通行止めになっている。工事はなかなか進んでいなくて未だ開通
していない区間なのだ。いつも事前にチェックする、四国地方道路情報システム
でも通行止めの✖印がなかなか消えない。日曜日なら工事もお休みらしくて、計画した
登山口近くまで車で行けているようだが、平日は通行できるかどうか分からない。
幸い笹ヶ峰隧道から大豊側に以前は通行止めの✖印が付いていたヶ所が消えて
どうやら笹ヶ峰隧道までは走れそうなので、計画した新宮側からではなく、大豊側
から反対周りで歩こうと、集合場所の豊浜SAで奥様たちに急遽提案して、高速道路を
大豊ICまで走り、県道5号線を北上した。県道のトンネルを抜け赤い川口大橋を
渡ると右折する場所には『愛媛県側通行不可』『県道5号線災害 愛媛県側には
通り抜けできません』と看板がかかっていたが、頭の中では四国情報システムの
情報を信じ切っていたので、そのまま車を走らせた。途中何ヵ所か工事中の場所が
あったが、旧立川番所書院辺りまでは道幅も広く快適に飛ばして行く。
道幅が狭くなり、いよいよ笹ヶ峰南の登山口が近づいてきた時、道の横には仮設のトイレ
と現場小屋。その先は作業中のトラックとクレーン車で道が塞がれていた。
アチャ~!まさかの通行止め。車を降りて作業をしている人に恐る恐る、『人だけ
でも通れませんか?』と尋ねたら、しばらく考えて『人は通れるけれど、何かあった
時に責任はとれないので・・・・。』と。『自己責任と言う事でどうでしょう?』
などど粘ってみたが、結局OKは出ず、奥様たちの待つ車まで肩を落として戻って行く。
当初の計画(これを逆回りに笹ヶ峰の南側スタートに計画変更)
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車に乗り込んで直ぐに『それじゃ~三傍示~笹ヶ峰に変更しましょう!』と奥様たちに
話をして、県道5号線を引き返す。途中、旧立川番所書院の案内板のある場所から東に
林道を三傍示山の登山口に向かって走って行く。途中で一ヵ所土木作業中の場所があり、
それを過ぎると大規模伐採の作業地。そしてそれを過ぎて、三傍示山が左手に大きく
見え始めると、道の脇に鉄板を引いて現場小屋があった。・・・・・・・嫌な予感。
その予感は当たり、少し先では大きく道路が崩壊していた。
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ガビ~ン!この時点でテンションだだ下がり。
家を出て既に3時間近く経過して、未だ登山口に到達できず。今日はもうお山に
嫌われてるのかな~~何て思いながらも、このままでは奥様たちが納得するはずもなく。
この近辺で二人が登った事のない山はないかと、色々考えた結果。あっちゃんが登った
事のない八反奈路の名前が浮かんできたが、今からだと
少し時間がかかり過ぎる。同じことをルリちゃんも考えていたらしいが、昼からの
天気も気になるので諦めた。そこで思いついたのが、高知県に二つある国見山の
うちの一つの本山町の国見山を提案してみた。この国見山のすぐ横にはYAMAPの
山頂ポイントにもなっている杖ケ森もある。これならポイント二つをゲット出来て
奥様たちも納得してくれるはずだ。・・・・・・と言う事で国見山に決定!
それじゃ~という事で県道5号線へと戻って行く。県道に出る前にトイレ休憩もかねて
旧立川番所院を見学。初めて見る番所書院は茅葺の立派な屋根の建物だった。
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しばらくすると登山着姿の男性が歩いてきた。話を聞くとこの方は新宮側から登る予定
だったが通行止めで、こちらの高知側へ来たが、結局同じように通行止めだったと
諦めて引き返して来たと話をしてくれた。
県道5号線は高知自動車道の下を走る道。普段見れない高速道路の橋脚を見ながら
国見山の登山口となる赤荒峠へと車を走らせる。
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国道439号線から帰全山公園の少し手前で県道267号線を南に入る。
吉延の棚田を横目に見ながら少しずつ高度を上げ峠へと走って行くと、
『お腹が減った!』とあっちゃんが騒ぎ始めた。『それじゃ~峠でお昼にしましょう』
と言って何とか落ち着かせ、峠に着いてすぐにお昼ご飯にする。
それにしても家を出て4時間30分近くかかってやっと登山口に到着して、さらには
登山開始前にお昼ご飯を食べるなんて、初めての経験だ!
11時35分、登山開始!県道の脇から登山口へと入って行く。
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最初は少し急な登坂。長時間の運転、そしてお昼ご飯の後の歩き始めは直ぐには
調子はでない。坂道が終わると道は緩やかな道になる。
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途中の立て札によると、この山は高知大学の演習林になっているようだ。
そしてこの先は参勤交代の道へと続いているらしい。
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途中にある四等三角点 猴踊 906.6m。点の記で調べてみると訓読みそのまま『さるおどり』
と読むらしい。参勤交代している山内のお殿様を、お猿さんが踊りながらお迎えしたのだろうか?
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三角点からは一旦下って登り返して行く。足元には落ち葉、そして見上げると
頭の上は新緑の緑の中の道。足元には大きな葉を伸ばしたバイケソウが何輪か
花を咲かせている。そして3本の花をつけたニリンソウ。
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スタートして50分ほどで参勤交代の道に出た。今までの登山道と比べると
ずいぶんと幅の広い道が続いている。さすがお殿様が行き来していた道だけの事はある。
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参勤交代道に出てしばらく歩くと国見越えに着いた。ここから右に国見山、そして
左に杖ケ森の東を廻って吉延へと参勤交代の道は続いている。
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道は自然林の中から杉林の中の道になる。先ほどまでの幅の広い道から
掘割の様になった狭い道になり、足元は表土が流れてか石がゴロゴロ転がって歩きづらい。
こんな急な下り坂を、千人以上の参勤交代の行列が歩いていたのは想像もつかない。
揺れて乗り心地の悪い籠に、お殿様は怒り出しそうだ。
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少し鞍部になった場所に『国見の石畳』と書かれた道標が立っていたが、周りを見渡しても
石垣らしきものは見当たらない。帰って調べてみるとこの辺りは深い谷状になっているので
上り下りを緩和するために土石を積み上げ平坦な道にしたらしい。
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その鞍部から少し登って右に破線を辿って行く。途中YAMAPでは杖ケ森の山頂に
向かってコースが分れているが、かなりの急勾配なので、そのまま右手に進んで
途中から目星をつけて山頂へと分け入って行くと5分ほどで山頂に着いた。
山頂は木々に囲まれ見晴らしは全くない。少し広場になった中央部に、戦前まで
石鎚山遥拝所の勧請地だった名残り?だろうか石積みがあり、その脇には四方八方に
枝を広げた杉の巨木がその石積みを見下ろすように立っていた。
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山頂からは先ほど見えた直登の道を下ってみる事にした。途中で正面に
『岩場らしいのが見える!』と視力2.0のルリちゃんが言うので、その方向に
枝葉を掻き分け進んでみると、南に開けた岩場に出た。正面に国見越えの尾根。
西を見ると遠く三辻山だろうか緩やかな三角のピークが見える。
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展望岩から戻って急坂を下って行くと先ほど歩いてきた道に出る。
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国見の石垣を越え、掘割の急登を登って行くと国見越えへと戻ってきた。
ここからはまた道幅は広くなり、途中で『山頂』と書かれた道標に従って
左上へと登って行く。
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ここまでの途中でも見かけた、道に沿って高知大学が演習林の境界の目印の為に
貼っているPEテープが戻けて周りの景色を損なっている。
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奥様たちには、国見山という位だから山頂はひょっとしたら見晴らしが
いいかもしれませんねと話しながら登って来たが、残念ながら三角点の周りでは
眺望はほとんどなかった。その三角点の奥に、朽ちかけた展望台があり、上からは景色が
いいのかもと、恐る恐る登って見たが、木々の向こうに薄く山並みが見えるだけだった。
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三角点の先には地形図にはない何本もの道が分かれていた。その一つの道の先からは
ゆとりすとパークと杖立山の風力発電が霞んで見えた。
山頂の三角点は二等三角点 池野 1089.1m。
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いつもなら山頂で昼食!といったところだが、今日は何といっても登山口でもう既に
お昼ご飯を済ませてしまっている。三角点の周りで眺望の開けた場所はないかと
うろついたが、結局大した眺望もなく、山頂を後にする。
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あとで流れ星さんに教えてもらったコツクバネウツギ
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山頂からの帰りの道はYAMAPのコースタイムを気にし始めたのかルリちゃんが、
えらい早いのスピードで先頭を歩いて行き、あっという間に見えなくなった。
そのお陰でか、国見山からは45分ほどで登山口の赤荒峠へ戻ってきた。
峠から南の空を見ると今にも雨が降りそうな暗い雲が立ち込めていた。
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時間は15時前。少し時間も早いのでここまでの途中で見た土佐の天空の里と呼ばれている
吉延の棚田に寄り道してみる。展望台から棚田を眺めると、水が張られ田植えを終えた
棚田の水面に、空を流れる雲が映し出され、時間の流れが緩やかになったように感じた。
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思わぬ通行止めばかりで二転三転した目的地だったが、急遽変更して登った国見山は
奥様たちには物足りなかったが、のんびりと歩くにはもってこいの良い山だった。
さてさて来週はいよいよ登岐山に挑戦する予定。計画通りにいくのか、それとも
この所一度は起こるハプニングが待ち受けているのか、不安半分、期待半分楽しみだ。
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