KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

『線で繋ぐ石鎚山~剣山』 立川越~野鹿池山

2022年08月29日 | 四国の山
何だかね~。今月に入って山行予定の週中の天気が毎週パッとしない。そして今週はと云うと、

秋雨前線・台風11号と、テレビの中で気象予報士がみんなこぞってその単語を並べている。

さらに還暦を前に、今年に入って体調もそんなに良くない。天候不順と体調不良が相まって

このところモチベーションがさっぱり上がらない。

先日テレビを見ていると、歌番組に出ている藤井フミヤが同い年だと判った。

以前と変わらない歌声の藤井フミヤを見て奥さんが『へぇ~同い年なんや・・・・!』と仰った。

『その・・・・・・はどういう意味!』『ハイハイ、どうせ皺くちゃな私です。比べんとって

くれるか!』と言ったものの、モチベーションが下がっている所に追い打ちをかけられた。

まぁ~それでも何とか『線で繋ぐ~』は完歩しないとと今週の計画を練る。


剣山系の天狗塚~三嶺は、やっぱり好天の日に歩きたい。そしてどうせなら三嶺でフィナーレを

迎えたいということで、イマイチの天気の今週は四国中央部の野鹿池山から西を繋ぐ事にした。

今日は大歩危から県道272号線(通称:妖怪街道)を西に進んで、徳島と高知の県境の

立川越からスタートして野鹿池山まで繋ぐ計画にした。

先に野鹿池山の登山口に一台をデポして、その後林道のスタート地点まで移動する。

このコース、プチファーマさんの活動日記とルート図を参考にさせてもらったが、

プチファーマさんは単独なのでこの区間を往復している。

片道だけだと5.5km。4時間弱の区間となるので、お昼から天気が下り坂となっても、

早めに到着して雨は避けられそうだ。県道272号線も先月までは時間通行止めのヶ所が

あったのだが、その工事も終わったようなので、あとは奥様たちが運転する車が無事に

野鹿池山の駐車場まで来られるかどうかだ。奥様たちはデポするときは運転を交代制に

しているらしいが、今回はあっちゃんが運転する番だそうだ。細い道の運転は心配だが、

自身で運転する場合は車酔いをしないので、あっちゃんにとっては良さそうだ。




そんな心配をしていたが、集合場所へ向かう途中の大歩危のコンビニで二人にバッタリ。

そこからは二台で野鹿池山の駐車場へと向かって行く。県道272号線から藤川谷川に

架かる橋のガードレールに、野鹿池山とい書かれた案内板を左折。最終民家を過ぎると

杉林の中の道になる。(林道沢谷線)駐車場まではアスファルトの道が続いているが、

前回野鹿池山に来た時に比べて、随分と枯れ枝や石が転がっていて荒れている感じがした。

くねくねと曲がった道を登って行くと駐車場に着いた。天気予報に反して空は青空。

東から北にかけての山々が見渡せた。











駐車場からは私の車に乗り込み、スタート地点になる場所まで林道を移動。(林道下名栗山線)

路面の状態は先程より随分といい状態だったが、ただこの時期、道の両側から雑草が伸び放題で

道路に覆いかぶさっていた。

スタート地点はプチファーマさんがYAMAPにアップしていた二又になった場所。

危うく通り過ぎそうになったが、事前に奥様たちにもプチファーマさんの活動日記をチェック

するように言っていたので、アップしていた写真の見覚えのある二又の場所で、二人が

同時に『ここや!』と声を上げた。一旦Uターンして道の脇に車を停めてスタートする。

土佐岩原駅から黒滝山の時もそうだったが、この区間はさしたる見所もなく、ただただ

線を繋ぐための消化試合だ。なんて思っていたら野鹿池神社の蛇王大権現のバチが当たった

のか、このあとここ最近になく最悪の苦行となってしまった。







二又は右に行くと三傍示山への取りつきに続いている。左上に地道を歩いて行くとカーブの

先は土捨て場の様な広場になっていた。右上には県境尾根が見えるが取りつきが判らない。

少し奥に歩いてみるが、尾根との高度差がどんどん開くばかりで、茂みも深くなるばかり。

一旦カーブの場所まで戻ると、これもプチファーマさんが載せていた写真のグレーチングがあった。

引き返す途中では正面に三傍示山が見えた。グレーチングの奥は籔いていたが、掻き分けて

進んで行くと小さな木の枝に赤テープが巻いてあった。















赤テープの取付きから尾根へと登り、左に尾根に沿って登って行くが道は無く少し藪いていた。

途中で大きな滑車が転がっていたが周りは植栽地でもなく、何に使っていたのだろうか?

尾根筋には木々が密集しているので、少し下をとにかく尾根から外れないようにと登って行く。













プチファーマさんが『始めの内は雑木の籔、「こんなのがずーっと続くのか?」と瞬間心が

折れそうになります。』と書かれていた。たしかに何も知らずに歩いていたらそう思って

しまうだろうな~なんて思って進んで行くと、これもアップされていた大崩壊地が現れた。

YAMAPでの事前学習をしていなければ、ここでも一瞬顔が青ざめていただろう。










百メートル以上に渡って尾根に沿って見事に崩れている。この辺りの山域は雨量が多いのか、

その土質によるものなのか、とにかくこの近辺はそこらじゅうで山の斜面が崩れている。

その中でも航空写真で見てみるとこの崩壊地は最大規模の様で、かなり下の林道までも

到達していた。(旧立川番所書院からの林道は、この崩壊地の土砂崩れの場所は復旧していたが、

さらに上の県境近くで、土砂崩れで道は跡形もなくなっていた。かなりの規模で崩れていたのと、

その道が県道でもないので、作業車は入っていたが、復旧はかなり先になるだろう)










乾いた花崗土は崩れやすく、出来るだけ際を避け尾根の反対側を歩いて行くが、根元から

ひっくり返った倒木に遮られて、なかなか前へ進んで行かない。一度だけ興味本位で

崩れた際まで近づいてみるが、その高さに股間がゾクゾクとした。










結局この崩壊地を通過するまでに、スタートから40分近くかかってしまった。

今まで散々色々なところを歩いてきた奥様たちにとっては、ここでも普段と変わらないと

いった感じで歩いてきているが、家にいるご主人たちは、まさか我が家のお淑やかな奥さんが、

藪やこんな場所をわざわざ歩いているなんてつゆ知らず、なんだろうな~と思ってしまう。

崩壊地を過ぎると最初の三角点に着いた。四等三角点 浦ノ谷 958.7m













三角点からは一旦下って登り返しになる。踏み跡はほとんどないが、樹脂製の県境杭を目印に

短い距離の間で何度かのアップダウン。この辺りまでは二人に先行して調子も良かった。
















途中で道の真ん中に立つブナの木。身体が柔らかくのけぞった感じで見とれていたら、

後ろからあっちゃんが同じように思ったのか『随分と色っぽい木ね~』と。その先で

『今日は登りのコースだと思っていたのに、意外と下りがあるわね』とルリちゃん。








スタート地点が810m。野鹿池山西峰が1,303mなので500m程登ることになるのだが、

たしかにけっこう下る場面も多い。そう思っていると、地形図で尾根と南北の破線が交差する辺りから

急登が始まった。そしてこの急登の辺りからまずお腹の調子が悪くなってきた。破線が交差する

鞍部で二人に前を譲ったら、案の定この急登で見る見るうちに離されていく。

どこまでも続く急登にとうとう二人の姿も見えなくなってしまった。

















喘ぎ喘ぎ登って行くと少し平らになった場所で二人が待っていてくれた。ここであっちゃんは

おにぎりを頬張りながら、『前みたいにシャリバテになったらいかんから、何か口に入れた方が

いいよ!』と言ってくれたが、お腹の具合からそんな気分にはなれない。








ひとまず水分だけ取って先へと歩いて行くと、1029mの標高点の手前から笹が現れた。











樹林帯の中の尾根の右側が開けてきた。少し覗いて見ると笹の向こうに崩壊地が見えた。

ただこちらは上の方の植生が回復しているので、けっこう崩れてから年数が経っているようだ。

そうこうしている内に1029mの標高点に着いた。












1029mと1075mの三角点のほぼ中間地点で、道の脇奥から初めて南側の景色が見えた。

二人が見える山々を指さしながらしきりに山座同定をしているが、それを聞きながらも一緒に

同定する余裕が全くなくなって、脂汗が流れて来た。お腹の調子はマシになってきたが、

今度は反対にシャリバテだろうか?身体がとにかく重たい。それでも展望の場所まで行くと、

南西から南にかけての眺望が広がっていた。





右奥の緩やかな三角形が白髪山



植栽地の一番奥の山並みが高知の国見山辺り



その展望場所から少し先にも岩場の展望所があった。奥様たちは気づかずに先に行ってしまったが、

岩の上に立つと東にこんもりとしたピークが見えた。『え~あれが西峰?まだけっこう

距離があるな~』と不安になる。とにかく前に足が進んで行かない。




四等三角点 鎌の谷 1075.2mでも奥様たちを随分と待たせてしまった。

ここで少し行動食を口にするが、直ぐには効果は現れない。尾根には踏み跡もなく雑木の中を

右に左に歩きやすい方向をめがけて歩いて行く。














するとまた急登が始まった。もう奥様たちの姿は全く見えない。この急登、写真では

分からないがかなりの斜度で、油断すると足を滑らせてひっくり返りそうになる。

上の木の根元をめがけて登って行くがストックは役に立たない。木の枝を掴みながら

身体を持ち上げ、木の根元に足を置いて一息入れながらの繰り返し。

先ほど行動食を口にしたが、体調はほとんど変わらない。これはひょっとしたら熱中症?

かもと思い始めた。ほとんど樹林帯の中のコースだったので、まず思いもつかなかった。

急登の始まりからだと登りきるのに20分近くも掛かってしまった。とにかくもう身体が

動かない。奥様たちには申し訳ないが、このまま北の下にある林道に降りてしまおうかと

弱気な考えが頭に浮かんでくる。











息も絶え絶え何とか急登を登りきると、西峰手前で周りは笹に覆われ始めた。

ここでも奥様たちは待っていてくれていた。熱中症かもと話すと、ルリちゃんが熱中症予防の

ゼリーを譲ってくれ、一気に口の中に入れる。








初めは膝ぐらいの高さだった笹も、次第に背が高くなり顔がやっと出る位の高さになった。

ただここの笹は前回歩いた綱附森の笹に比べると密集度が違っていた。まるで最近特に

薄くなってきた私の頭の毛の様だ。綱附森の笹が20代の頭部だとしたら、60歳を前に

やはり髪質?柔らかくなり、密集度も違うので随分と歩きやすい。

と自ギャグネタが頭をよぎった。











野鹿池山西峰は足元は笹、周りは木々に囲まれたピークだった。以前にあっちゃんと

二人で野鹿池山と黒滝山を歩いた時は、この西峰まで来ていないので、ここから東に

野鹿池山の方まで歩けば、天狗塚までが一気に繋がることになる。(ルリちゃんは

WOC登山部ですでに西峰から東を繋いでいた)








西峰からは駐車場まではほぼ下るだけ。体調は最悪だが何とかもちそうだ。

ブナと笹の尾根道だが、こちら側は先ほどと違ってちゃんと笹の中に道はある。

野鹿池山の途中で線が繋がった場所で駐車場へと折れて行く。











駐車場への下りは野鹿池神社への参道になっているので、下草もきれいに刈られていた。











沿面距離6.6km。行動時間は予定より大幅にオーバーして5時間近くも掛かってしまった。

これも体調不良で奥様たちを待たせてしまった私のせいだ。参道横の水場で顔を洗うと生き返った。

休憩室の建屋の横でお昼ご飯にする。普段はあまり口にしないフルーツだが、ルリちゃんが

持ってきて来た梨を頂くと、瑞々しさに一気に身体がクールダウンしたような気がした。




お昼ご飯を食べ終えて、スタート地点のデポした場所まで車を取りに行く。その後県道

272号線を戻る途中の藤の里公園の東屋でコーヒータイム。ただバーナーのボンベを

買い換えたら何度やっても火が付かず、コーヒーは諦めおやつタイムに。

談笑している内にYAMAPを見ながらルリちゃんが『あれ、黒滝山の所が繋がっていない!』

と言い出した。それを聞いたあっちゃが『え~ほんと。他にも繋がっていないところがあるん

じゃない』と茶化している。するとあっちゃんも心配になって自身のYAMAPを確認して

見ると、あっちゃんも繋がっていない。ガ~~ン!




YAMAPのトラック


スーパー地形図(カシミール)のトラック




ここで奥様たちの性格が出た。この繋がっていないのが許せない。もう一度歩かねばと

言う方と、まぁ~いいんじゃない!と言う方。果たしてどちらがどっち?(笑)

この四国中央部も残すところ2区画となった。三傍示山~笹ケ峰は今日のスタート地点から

往復すれば歩いて行けるが、その先のカガマシ山~笹ケ峰の区間は、愛媛側も高知側も

県道5号線が土砂崩れの復旧作業で通行止めになっている。情報によると工事が終わって

通行できるようになるのは11月だとか。そうなってくるとフィナーレにしたい三嶺周回が

時間的に難しくなってくる。(日が短くなってくるので)なかなか頭が痛いといいつつ、

どう歩こうかと嬉しい楽しい悩み事だ。

残りの区間



今日のトラック

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