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先週は西日本最高峰の石鎚山の錦を堪能した。この石鎚山から四国の山の紅葉は
スタートして、日ごとに他の山々に移っていく。
今週はどこのお山にと考えると、当然石鎚山に次ぐ西日本で二番目の高さを誇る
剣山となる。先週の金曜日にKyoさんが歩いたレポートには
既に山頂から山裾に錦の彩りが広がっていた。そりゃそうだ。石鎚山と剣山では30mほどしか
高さは変わらない。紅葉の時期もほぼ同じ。ひょっとしたらもうピークは過ぎているかもしれない。
天気予報はというと水曜日が雨。木曜日は曇りでまだましな様子。幸い木曜日も予定が
入っていなかったので、奥様たちに曜日の変更の連絡をすると、ルリちゃんのお嬢さんも
休みなので一緒に歩きたいと連絡がきた。『もちろん、山ガールの参加は大歓迎です』と即答する。
朝起きると窓の外は曇り空。予報では昼から晴れるらしいが、やはりテンションは上がらない。
集合場所の貞光に向かう途中の脇町辺りから見えた南の山にも重たく雲がのしかかっている。
『これは眺望は望めないな~』『紅葉はやっぱり青空でないと映えないしな~』などと
考えながら車を走らせる。貞光で乗り合わせて国道438号線を南に、一字を過ぎ
第一ヘヤピンに差し掛かるころにガスが出始めた。第七ヘヤピンまで続く道は
高度が上がるごとにどんどんガスが濃くなっていく。そして最後はホワイトアウト状態に。
ガードレールや白線の無い場所ではどこを走っているか分からないくらい最悪の状況になった。
車内でも重たい空気が流れていく。スキー場を過ぎ夫婦池を過ぎると一瞬、雲の間から青空が見えた。
『あっ!』と山ガールマリリンから声が上がる。そして一字から東祖谷への町境の
カーブを曲がると、目の前には雲ひとつない青空と、朝陽を浴びて光り輝く剣山の姿。
車内で悲鳴ともつかない歓声と拍手が沸き上がる。『やったー!、最高!』
狭い車内でなかったら四人ともが座席から立上がって、スタンディングオベーションしてただろう。
第七ヘヤピン辺りでのテンションの低さはどこ吹く風。身支度をしている間中、
ルンルン気分でテンションアゲアゲ!何十回と来た剣山でこれだけ気持ちは高揚したことはなかった。
見ノ越の駐車場のトイレは前回来た時は工事中だったが、きれいなトイレが完成していた。
いつものように劔神社の石段を登ってスタートする。本殿の前で低頭し、宿泊所の横の
注連縄を潜って登山道へと分け入って行く。
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通い慣れたこの道も歩く季節で周りの景色は変わっていく。そして今日はいつも見慣れた
前を歩く二人の姿のさらに後ろに、いつもと違うマリリンの姿があって新鮮だ。
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西島神社の巨岩を過ぎるといつもの様に雲海荘から広がる山裾が見える。
太陽がその雲海荘の真上から山肌を光らせ逆光になっているが、それでも色付きは確認できる。
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西島駅には約40分で到着。リフトからは軽装の登山者と言うよりは観光客の人たちが
次々に降りてきている。ベンチの横からは三嶺がくっきりと見える。
来る途中で我々のテンションを下げた雲は、やはり塔ノ丸の稜線を乗り越えられずにいる。
丸笹山にはその雲が近づいてきているが、まだ雲に隠れず山頂の笹原が見える。
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水分補給で一息入れている三人の中で、あっちゃんの顔色が悪い。
道中はゆっくり運転してきたつもりだったが、見ノ越に着く前にスマホを操作していたのが
良くなかったらしい。この西島駅まで歩いてきてもまだ気分が悪いという。
まぁもう少し歩いていたらその内に回復するだろうから、刀掛けの松まで取りあえず登って行く。
西島駅から見えた丸笹山にかかり始めた雲は、東側の木屋平をすっぽり覆っていた。
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刀掛けの松からは雲海荘直下の錦繡の山肌が見渡せた。カエデの紅葉だろうか、
オレンジ色の斜面が輝いている。剣山には屋島の合戦に敗れた平家が、
安徳天皇と東祖谷(剣山の西)に落延び、源氏滅亡を祈願し剣山の頂上付近に宝剣を納めた伝説がある。
安徳帝が剣山へ登る途中、この場所で休んでいた時、汗だくで宝剣を持ち続けている従者に気遣い、
松の枝に宝剣を掛けて汗を拭くよう言葉をかけられたという言伝えの残るのが、
この刀掛けの松。我々も同じようにして汗を拭いで一息入れる。
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今日はこの刀掛けの松から行場を通ってまずは一ノ森ヒュッテを目指して行く。
自然林の中に続く道には優しい陽が差し込み、道の上の落ち葉を踏みながら歩く。
その内に道は茶色の枯れた落ち葉の道から、石灰岩の白い道になる。そしてさらに苔玉岩の斜面の横を通り
不動の岩屋を過ぎ、巨岩の横を抜けるとおくさりの鎖場に着いた。
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以前に雨の降った翌日にこの鎖場を下ったことがある。その時はツルツルの岩肌に
足を滑らせ、しかも途中で一番狭い岩と岩との間でザックが引っかかり、
身動きが取れなくなり、二進も三進も行かなくなり、死ぬかと思った。
そんな話を以前にあっちゃんに話をしたことがあるので、『今日は見学だけです』と
話をしていたのに、少しよそ見をしているうちに、あっちゃんがもう登ろうとしている。
『あら、ほんとうにツルツル!』と言いながら鎖を登って行くが、さすがのあっちゃんでも
少し難しそうな雰囲気で、数メートル登っただけで降りてきた。
すると横にいたマリリンに『滅多にないことだから登ってみたら』と勧めている。
素直なマリリンがザックを置いて登り始めた。女性の靴なら鎖の輪っかに足が
入るので足掛かりができて『登れそう』と言いながら降りてきた。
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おくさりで少し遊んだ後、両劔神社へと少し下って行く。
両劔神社は巨大な岩がご神体。その大岩を背に小さな小屋が建っている。
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両劔神社からも山の北側を一ノ森へと緩やかな登りの道が続いている。
穴吹川源流の谷で冷たい水に手をつけ、その先のテンニンソウのお花畑は今は枯れた花ばかりだった。
秋から冬への季節が移っているのを少し感じながら歩いて行く。その途中所々で北側の景色が
開けているが、赤帽子山も雲の上に少し頭を覗かせているだけだった。
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樹林帯のなかから明るい場所に出ると、一ノ森と剣山との分岐になる。
この分岐には殉職の碑がある。55年ほど前、剣山測候所の職員二人が、
雷による通信ケーブルの途絶の点検に向かう途中、この辺りで表層雪崩にあい
一人が行方不明になった。捜索は延べ1,000人にものぼり、35日目に遺体が
発見された。発見したのは山頂ヒュッテの新居綱男さんだった。そして当時の
気象庁山岳部長の新田次郎が同僚の為に送った「山を愛し気象観測を愛し
こよなく妻子を愛せし男ここに眠る」の言葉がこの碑に刻まれている。
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この分岐では西側と東側では景色が全く違っていた。西には青空の下次郎笈が
明るすぎる陽を浴びて輝いて見える。一方東側はやはり白い雲にすっぽり覆われていた。
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丁度一ノ森と剣山の鞍部になるこの分岐から、まずは一ノ森ヒュッテへと登って行く。
車酔いから解放されたあっちゃんが『お腹が空いた、お腹が空いた』と言い始めた。
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ヒュッテの前では男性が三人がベンチに腰掛け食事を摂っていた。
我々もベンチに腰を降ろして各々行動食を口にする。
案内にはここでマリリンの調子を見ながら、槍戸山に行くかを決めましょうと書いたが、
さすが若いだけあって心配する事は全くなかった。逆にへっぽこリーダーの方が心配になってきた。
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一ノ森ヒュッテから槍戸山へは一旦下って登り返す道。するとお腹も満たして
元気にあっちゃんがYAMAPの平均ペースを気にしてスピードを上げ始めた。
白骨林が見事なこの稜線。写真を撮ったり、動画を撮ったりしている内に
ルリちゃんもマリリンも随分先を歩いている。
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今日は南からの風なのか、日奈田峠へと続く稜線を雲が乗り越えられずにいる。
以前WOC登山部できた時は、胸ほどの高さまで笹が生い茂っていたが、
今日は膝くらいまでの高さで随分様子が変わっていた。
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まだ青々としたゴヨウマツと、枯れてしまったゴヨウマツの白骨林の間を歩いて行く。
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確かに笹の背は低くなっていたが、足元の見えない道の上には石がゴロゴロして
油断すると踏み外して足首を捻りそうになる。小さなピークを一つ越えると槍戸山が見えた。
もうすでに到着しているあっちゃんの姿が小さく見えた。
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槍戸山には山名標と四等三角点・槍戸山。そして今日一つ目のYAMAPの山頂ポイントをゲットする。
『もう遅いわね!』といった感じの冷たい視線を送るあっちゃんとマリリン。
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集合写真を撮った後は一ノ森への折り返し。するとマリリンがザックからストックを取り出した。
先ほどの笹道の足元が悪かったので用心の為と言っている。『ん、なかなかこの子、歩き慣れてるな!』
するとそのストックの一本をあっちゃんに『貸しましょうか』と言って手渡した。
今日は珍しくへっぽこリーダーはストックを持ってきていない。剣山は歩き慣れているのでと
思ってなめていた。すぐに先週の石鎚山の東稜コースでの転倒が頭に浮かんだ。
さすがに『私に貸してください』とは言えず、靴で足元の笹を払いながら注意深く歩いて行く。
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途中の白骨林は太く大きく低い位置から枝が広がり、枯れていても堂々としている。
マリリンが魔女の森に迷い込み、魔女の手下の木々に囲まれているように見える。
反対に細い白骨林も青空の下、凛としてまっすぐ立っている。
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当初、今日の計画は、次郎笈の南東にある『鬼人の岩屋』を探しに行こうと思っていたが、
予定を変更したので、その岩屋の岩が見えないかカメラをズームで撮ってみるが皆目見当がつかない。
次回の課題と楽しみにしておこう。
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一ノ森への登り返し。相変わらず三人とも元気だ。静かな尾根道に鳥の鳴く声と
情けないへっぽこリーダーの喘ぎ声だけが聞こえるだけ。
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一ノ森の三角点は三等三角点。その三角点からヒュッテを横目に見下ろしながら歩いて行くと
一ノ森山頂。そして二つ目のYAMAPの山頂ポイント。
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槍戸山から一ノ森そして剣山の西から南にかけては国有林として買い取られ、
鑓戸シコクシラベ林木遺伝資源保護林に指定され、シコクシラベの純林が
見ることができる貴重な林が続いている。
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石灰岩の大岩が現れ足元のゴロゴロとした岩を登って行くと二ノ森。
この場所は山頂らしくなく、道標に書かれた消えかけた二ノ森の文字を見逃すと
気づかずにそのまま通り過ぎてしまいそうになる。
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二ノ森から剣山までも笹尾根に登山道が続いていく。6月にコリトリから登って来た時は
霧の中で一切周りは見えなかったが、今日は気持ちのいい稜線歩きができる。
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剣山山頂の東のテラスへの階段は段差があっていつもしんどい思いをする。
奥様たちも同じなのか階段の脇の笹の中を登っていっている。
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東のテラスでは大勢の人が思い思いに寛いでいた。テラスの北側を覗き込んだ三人から
『わ~すごい!』と歓声が上がった。歩み寄って見るとテラスの向こうには
紺碧の空の下、真っ白な雲の大海原が広がっていた。時間はもうすでに13時。お昼を過ぎて
ここまでの雲海を見られるのは珍しい。曜日を変更したり、コースを変更したりはしたが
思いもしなかった大雲海に、へっぽこリーダーの予想しなかった株価の上昇に思わずにんまり!
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テラスでの雲海を満喫した後は、山頂ヒュッテでお昼ご飯。少し気温が下がってきたこの季節には、
温かい出汁を飲みたくなる。へっぽこリーダーはうどん+きつねを頂く。
うどんの出汁の塩分ときつねの甘く染み出る汁を美味しくいただく。
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女性陣が会話を楽しみながら食事をしている間、へっぽこリーダーはさっさとうどんをたいらげ、
外に出てトイレの手前のベンチに腰掛け一服タイム。
先週の轍を踏まないように新しいライターを持ってきてタバコに火をつけようとするが、
一向に火がつかない。何度やってもダメなので諦めかけていたら、男性がやってきて
おもむろにタバコに火をつけた。しめしめと思いながら『すみません、火をお借りできませんか?』。
先週の石鎚山では女性の天使が舞い降りてきたが、ここ剣山では髭を蓄えた天使がやって来た。
お腹を満たした後は山頂の北側のテラスでコーヒータイムを取ろうとヒュッテを出る。
食事を終えた後のヒュッテ横の階段が、全く足が上がらない。他の三人も同様の様だ。
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北のテラスまで歩幅が合わず歩きづらい木道を歩いて行くと、塔ノ丸の稜線を
雲が流れて乗り越えようとしていた。もう少し動きが早かったら滝雲に見える。
雲の高さは一定なのか、丸笹山の頭だけは隠れずにいた。
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北のテラスでも絶景が待っていた。ザックを降ろして、あっちゃんが持ってきた
IRIBITOさんのお店のコーヒーを、今日はマリリンが淹れてくれている。
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同じ場所にいても刻々と周りの山の表情は変わって行く。今日最後の記念撮影。
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北のテラスでものんびりした後は、今日は三人が歩いた事のない山頂から
『二度見展望所』のコースを下って行く。次郎笈は雲の影になってうす暗い色になっている。
紅葉も昨年に比べると色付きが少し薄いような気がする。
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途中にある展望岩に三人を誘導する。岩の上に登ると大劔神社のお塔石への色付いた山肌が見えた。
ここから見下ろすお塔石は、少しぽっちゃりした馬が走っているように見える。
反対を見ると次郎笈への稜線の紅葉。色付きが少し悪いとはいえ見応えがある。
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ここでは当然、あっちゃんのポーズ。
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二度見展望所まで降りて今度は山の北側を歩いて行く。お塔石への斜面はカエデのオレンジと
笹の薄緑の斜面、そして白骨林とのコントラストが何とも言えない美しさだ。
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御神水までの道は行場コースの落ち葉と違って、色付いたままの赤やオレンジ色の落ち葉が積もつている。
女性陣がレッドカーペットの上を優雅に歩いて行く女優たちに見える。
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前を見ても振り返っても錦繍の山肌。若いころに宮本輝の小説を好んで読んだ時期がある。
その小説『錦繍』の中で蔵王のゴンドラで再開した二人が見た山肌に思いをはせた。
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御神水からひと登りして大劔神社にお参りをした後、大剣道を下って行く。
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樹林帯の中から明るい場所に飛び出すと西島駅に着いた。もう人影も疎らだ。
ここから西島神社の巨岩の手前を、これも三人が歩いた事のない遊歩道へと進んで行く。
見上げた空と今日最後の山肌の彩りが名残惜しい。
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遊歩道コースはいつもあまり人と会う事のない、お気に入りの静かなダケカンバの森の道。
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そして朝に通った行場コースと共に、吉野川へと流れ込む祖谷川の源流のある道。
あっちゃんが手を付け『冷たいわよ~』と。この小さな水の流れが、あの険しい祖谷渓谷や
悠々と流れる吉野川へと繋がっていると思うと、何だか愛しささえ感じる。
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見ノ越の近くまで降りてくると周りは山霧に包まれ始め、幽玄な雰囲気さえ漂ってきた。
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最後に劔神社に一礼し、石段を下って行くと見ノ越の駐車場では車も疎らになっていた。
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世界的に紅葉の色は3種類と言われるが、日本は27種の錦織りなす紅葉があるという。
今日は果たして何色の彩りを見ることができたのだろう。夏を過ぎ少し薄くなった笹原の緑の稜線。
そして白骨林とどこまでも広く遠く広がる雲海の白。山の芸術を思う存分堪能した一日だった。
『また良かったら一緒に歩こうね』とあっちゃんがマリリンに声をかけて車に乗り込んだ。
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