KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

『線で繋ぐ石鎚山~剣山』京柱峠~土佐岩原駅

2022年06月30日 | 四国の山

線で繋ぐ石鎚山~剣山も前回の黒滝山土佐岩原駅までを歩いて

いよいよ吉野川を越えられた。(カガマシ山野鹿池山が未だですが。)

今回はその続きとなる京柱峠までを繋ぐ区間だが、当初は岩原駅からと

京柱峠からそれぞれから二回に分けて、三方山までのピストンを考えていたが、

前回の黒滝山でのデポ作戦に味を占めて、今回もデポ作戦を決行。先ずは岩原駅に

集合し1台をデポ。そしてもう一台に乗り込んで京柱峠まで移動しスタート地点とした。

これなら二回の所を一回で歩け、しかも京柱峠からスタートすれば、登りは累積

約650m、そして下りは1,550mと前回同様ほどんど下りのコースとなる。

前回は結構下りのコンクリート道が長くて、奥様たちが足を痛めたが、今回は

最後の岩原の集落辺りがアスファルト道になるだけで、ほぼ山道なので問題はない。

YAMAPで検索して見ると、少しペースの早い人で岩原駅から登って5時間30分。

我々のペースが少し遅いとしても下りなら同じ5時間30分位で歩けるかなと予想。

二週間ぶりの山歩きでも楽勝・楽勝と思っていたのが大きな間違いだった。


京柱峠はおじいさんの居た茶店がなくなって久しいが、その横のベンチに腰掛け

支度をする。僅か二週間で梅雨明けした空はどこまでも青く、標高が上がって

気温が下がった峠を気持ち良く9時前にスタートする。




峠からは北東から東に掛けて、寒峰~矢筈山そして天狗塚と牛の背まで見渡せる。











峠から北に国道を少し進んだ場所に道の脇に、電柱と黄色いカバーの付いた

支線がある。その場所から左の尾根に向かって取付いて行く。







尾根道を右下に国道を見ながら歩いて行く。その国道が見えなくなってくると

直ぐに三角点が現れた。三等三角点 京柱 1158m。割れたキティーちゃんの

プレートが国交省の杭に括り付けられていた。











1327mの標高点に続く尾根道は、最初は右手に人工林、左に自然林の道が。

しばらくすると自然林の中の道になる。その木々の間を涼しい風が吹き抜けていく。










更に進んで行くと、右に鉄条網の柵が続いている。すると木々の間から広い

萱原が見えた。恐らく放牧場の跡だろう。少し進んで鉄条網の中に入ると、

今は使われていなくて雑草が伸び放題になっている緩斜面の放牧場が広がっていた。










放牧場跡から緩やかに登って行くと1327mの標高点。北に向かっていた道はここから

西に向かって折れ、そして萱原の中の道になる。萱原は笹原に比べると茎が柔らかく、

手で掻き分けて行けば難なく進んで行ける。萱原の向こうにはこれから向かって行く

弘瀬山が見え、山頂からは防火帯のような植生の違う筋が見える。

踏み跡は全くないのでその弘瀬山に向かって適当に萱の中を下って行く。













すると林道と伐採した木材の集積地の様な広場になった場所に飛び出した。







その広場を横目に見ながら林道を北東に進んで行き、適当な場所から左側の法面を

樹林帯の中へと入って行く。道ははっきりとした踏み跡はなく、尾根らしき雰囲気を

辿りながら歩いて行く。途中で振り返ると東の峰々が眺められた。土佐矢筈山

天狗塚の間に、次回歩く綱附森が見えたので、奥様たちに『次はあの稜線を歩くんです』

と説明をする。矢筈峠から綱附森はどうしてもピストンになるが、

できれば山頂から出来るだけ先まで足を延ばして、その次の天狗塚からのピストンの

折返しの距離を短くしたいと考えている。
















道は相変わらず右下に林道が見えている。それなら林道を歩いて行っても

良さそうなものだが、そこは奥様たちも女性。陽の当たる林道は日焼けをすると

日陰の尾根道を歩いて行く。











登りの途中からまた萱の中の道になる。先ほどの1327mから見えた防火帯の様な

雰囲気のする、木々が伐採されて幅の広い萱が生えた道が続いて行く。

YAMAPではこのコースをほとんどの人が反対側から歩いてきているが、

そのほとんどの人が弘瀬山を過ぎた辺りで藪になると書いていた。それを見て

今日は破れてもいいような古い服を着てきたが、その藪がこの場所だとしたら

少し期待?外れだった。全く問題なく奥様たちも苦も無く歩いて行く。







弘瀬山では山頂標が柱から落ちていたが、その山名標がなければ、判らずに

通過してしまうような場所だった。木々に囲まれほとんど見晴らしもなく、

行動食を口に入れ、写真を撮ってそそくさと次の三方山へと向かって行く。





弘瀬山から北東に二つ目の小ピークを過ぎると長い急坂が続いている。

ここでもYAMAPで見た、反対から来た人は長い急登が続いていると

書いてあった場所だ。登りの弱い私にとっては、ここは下って行くので助かるが、

ひざを痛めているあっちゃんには、少し堪える下り坂だ。







振り返って




急坂を下りきると1299mの標高点への登りとなる。この辺りからテープが目につく

様になる。北西に向かっていた道は1299mから西に向かって折れる。この間の

小ピークでは地形が複雑で、同じような尾根がピークから派生しているので

気を付けなければいけない。木に巻いている赤テープを探すか、その都度スマホを

見てYAMAPのルートを確認するかが必要だ。







今回の計画ではほとんど下りで楽勝と思っていたが、意外とアップダウンがあって疲れる。








時間的にはお昼は三方山辺りだろうなと奥様たちも考えていたのか、今日は珍しく

あっちゃんも『お昼、お昼!』と騒がない。そして11時45分三方山に着いた。










先程の弘瀬山と違って、三方山は名前の通り木々の間から周りの山並みが見渡せた。

声を掛けるでもなく、暗黙の了解で各々が日陰に腰掛けお弁当を広げる。

今日も私はぶっかけうどん。天かすと半熟卵を載せて頂くはずが、半熟卵を木の根で

割るとそのまま地面に落としてしまって、楽しみにしていた半熟卵がパーに。(T_T)










三方山で30分ほど時間を過ごし、ここから岩原駅へと下って行く。地形図では

多少のアップダウンあるが、ほぼ下りの道。コースタイムではまだ残り3時間に

なっているが、下りなら苦にならず問題ない!と思っていたのに・・・・。


山頂から少し西に歩いた場所では、西に向かっての大眺望が広がっていた。

正面には前回歩いた黒滝山。その奥には野鹿池山だろうか?双耳峰の山が見える。











霞んでいるが瀬戸内海



前回黒滝山のデポで通過した大黒の集落



黒滝山と野鹿池山?その奥は栃尾山?



黒滝山から最後に通った大砂子の集落



三方山山頂からは南西への道になり、1166mの標高点まではほぼ下りの道。

右は自然林、尾根から左はヒノキの人工林の中の下りが続いて行く。










その途中で熊谷峠にある地蔵尊が、山姥をこの池に封じ込めたという伝説の池があった。

山姥(やまんば)は山中に住む女性の妖怪。山に住み人を食らうと考えられている。

『お願いだから食べないでね!』と奥様たちには聞こえないように小さな声で言ってみる。







奥様たちの池(笑)からも下り坂が続いて行く。下りが終わり1166mの標高点まで登り、

二つ目のピークを過ぎ下って行くと左手に林道が見えた。この辺りから県境は西に、

登山ルート図では南に線が続いている。ピークではやはり尾根が分れるので、

その都度ルートの確認が必要になっいてくる。

















県境との分岐からは痩せ尾根を歩いたり、ピークの下を巻いたりしながら進んで行く。

冬の間たっぷりと落ち葉を積もらせた自然林の森に、心和ませてながら歩くが、

そんな景色を眺めながら、落ち着いて歩けたのはこの辺りが最後となる。










尾根筋の東西に地形図で林道が、それぞれ行止りになる場所の間の1050mの等高線の

辺りで、作業小屋の跡だろうか石積みが残っていた。







地形図に1,000mの標高数字が載っている辺りから、右手に植林地の鹿避けの

ネットが続いていた。尾根近くまで民家があるのは有瀬の集落だろうか?










ルリちゃんがダウンロードした以前歩いた人のYAMAPのトラックと

登山ルート図の点線が食い違い始めた。以前に歩いた人はネットの中を北北西から

歩いてきているが、あっちゃんがネットに近寄って触ってみるが、意外としっかり

張っていて、上はもちろん下も潜れそうにもなく、ネットの中にはどうやっても

入れそうにない。仕方がないので登山ルート図の点線を信じてそのまま進んで行くと、

前を下るルリちゃんが『わ~もう急過ぎる。45度はあるで』と言っている。

またまた大袈裟な~と思いながらルリちゃんの居る場所まで降りて行くと、確かに

その先はほとんど崖のような斜面。スキー板があればジャンプ台になりそうなくらい

の凄まじい斜度の斜面だった。














木から木へと飛び移る様にして下って行くが、油断をすると転げ落ちてしまう。

それにしてもこんな斜面をよく真直ぐに杉の木は伸びていくもんだと感心するが、

やはりそれどころではない。とにかく滑らないように、転がらないように・・・・。

かなりの急角度で下に集落が見える。

















するとネット越しに植林地の奥に尾根が見えた。どうやらこのルートを登って来た人は

あちら側から歩いてきたようだ。ただどう考えてもネットの向こうに入れるような

場所はなかった。そして今更この急坂を登り返す元気はない。







杉林が終わると雑草と萱の藪になってきた。右手のネットに沿って下るのは急な斜面で

とうとう困難になり、少し左に振って下って行くが、左側にもネットが張られていた。








左側のネットに沿って下るが益々藪は酷くなってきた。更には崖になった場所もあり、

時間だけが過ぎていき右に左に迷いながらで、遅々として進んで行かない。







灌木と萱の藪をとにかく下へと下って行くと、少し下に杉林が見えた。

杉林まで行ければ、今の藪と比べたらおそらくマシにはなるだろう。

先程の急坂になる前に手袋をはいたのだが、右の手袋が見つからず素手のままなのが

辛い。この藪にはあのトゲトゲのタラの木がやたらと多い。しかも掴まって

下りようとする木が丁度タラの木だったりする。

何とか杉林まで降り立って、さてどう進んで行くかを思案するが、一番近い

まともな場所は地形図に載っているヘヤピンになった北側の林道だった。

そうと決まったらあとはひたすら登って行く。さっきの下りでは先頭だったので

気づかなかったが、登りになって奥様たちの後ろに回ると、とにかく二人のお尻と

ザックの汚れが酷い。今まだ色んな悪路を歩いてきたが、二人ともがこれだけ

汚している姿は初めて見る。それだけここまでの道が酷かったと言う事だ。

するとまた目の前にネットが現れた。幸いこの場所ではネットの支柱は倒れて

ネットを踏んで進むと中?(外)へと入って行けた。














ここからがとにかく最悪の藪。林道までは標高約50mほどなのに立って進む事は

出来ず、真っすぐにも進めない。屈みながら通れる場所を探しながら少しづつ

登って行く。途中でさらにネットが現れ、ここではあっちゃんはザックを降ろして

ネットの下を何とか潜り、私は横にあった切株に足を乗せ重たい体を持ち上げ

何とかそのネットを乗り越えることができた。そのネットを越え、何とかして

進める方にと登って行くとまた右側にもネットが現れた。もうこうなってくると

写真も写す余裕などほどんどない。掴んで体を持ち上げようとする木が

さっきからほとんどがタラの木で、木を掴む事さえできない。しかも熱中症に

なりかけたのか、身体が全く動かない。

本来先頭を行くべきだが足が止まってしまって、息切れが酷い。あっちゃんに

先に行ってもらい数メートル進んでは立ち止まりの繰り返し。

何とかして林道に飛び出た時には、もうほとんど動くことが出来なかった。

スポーツドリンクを飲み干し、更に昨日たまたま買っていた熱中症対策ゼリーを

口に入れると、何とか生き返る事が出来た。林道直下50mほど下からここまで

45分もかかっている。予定の時間よりすでに2時間近くオーバーしていた。













林道からは727mの標高点に向かって下って行く。果たして体はもつのか心配だったが、

先程の水分の補給が効いてきたのか、何とか奥様たちに付いて行けていたが、今度は

足首や大腿四頭筋が攣りそうになる。歩き方を変えたり、立ち止まっては足首を

回したりして何とかだましだまし下って行く。










林道から1時間弱でりっぱな社殿の岩屋神社に着いた。ここまで降りてこれれば

あとは何とかなる。未だかつてないほどの藪をクリアできて、横にいるあっちゃんは

楽し気で満足気だったが、私は社殿の脇にある石垣に腰を降ろすと、今までにない

大きな安堵感に包まれた。神社に三人の無事にお礼をして石段をくだって行く。

この参道の石段。今は車で本殿まで来れるので、登ってくる人がほとんどいないのだろう。

とにかく上に下に、右に左にズレていて荒れている。高屋神社の石段どころの話ではない。



















石段を降りるとここからは以前にWOC登山部で歩いた、露石渓谷トレッキングの

コースになっている。所々で記憶の残る建物があった。







山道から車道に飛び出した後は、集落の中を駅への道を下って行く。

計画では5時間30分から6時間くらいと考えていたが、道を間違え今までで

最上級の藪歩きを強いられて、結局8時間30分も掛かってしまった。

今回はどこで間違ったのかゴールの時点では全く思いつかない。

ゆっくりとビールを飲みながらでも、YAMAPのトラックを他の人と比べて

検証してみる事にしよう。それにしてもこれからの季節。油断せずに熱中症対策も

しっかりしないと、道迷いよりも熱中症対が危ない危ない!








今日のトラック




家に帰ってトラックを調べてみたが、三つを比較しても、ターニングポイント

となる辺りでは、北側は既にネットで囲まれていたので、中へ入っていく事は

出来なかったはずだ。その為トラックを確認せずに下へ下へと降りてしまった。

登山ルートを確認した時は時すでに遅く、藪と急斜面を登り返す気力は残ってなかった。

それでもやはり戻ってルートを辿るべきだったと反省。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿