KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

今日は頂きには拘らずに彩を愛でる!

2022年10月21日 | 四国の山
毎月第三週はあっちゃんの都合で水曜日に出かけられない。WOC登山部で一緒に

歩いていた頃は、あっちゃんは第三週の水曜日は毎回欠席していたけれど、ルリちゃん

共に三人で歩くようになってからは、気軽に曜日を変更できるようになった。

『それじゃ~今週は木曜日に出かけましょう!』という事になったが、今度はルリちゃんが

金曜日にバスツアーで1泊2日の遠征に出かけると言う。予定していた丸石小屋から三嶺は

コースタイムで10時間ほどかかる。さすがのルリちゃんも、10時間歩いた翌日に遠征に

出かけるのは無理があると言うので、翌日に疲れを残さない程度に軽めに歩けて、帰りの

時間もいつもより早く帰れたらという連絡があった。なので今週もまた『線で繋ぐ~』の

残すところの2区画は順延となった。

それならせっかくなので今がベストシーズンの剣山の紅葉狩りに出かけましょうと声を掛けた。

昨年も同じ時期にルリちゃんの娘さんと4人で剣山から槍戸山を歩いたが、今回は先週に

アカリプタさんがYAMAPにアップしていた裏次郎の紅葉を見てみたいと思った。

但し剣山と次郎笈の山頂に登って更に丸石分岐近くまで歩くと、時間的に厳しくなるので、

今回は太郎さんにも次郎さんにも登らず、どちらもトラバースして裏次郎が見られる場所まで

歩いてみる事にした。これなら時間的にも疲労度的にもルリちゃんの条件をクリアできる。


今まで剣山方面に出かける時は、道の駅貞光ゆうゆう館の第二駐車場に集合して、そこで

乗り合せをして一台で出かけていたが、それこそ去年に4人で出かけた時に、山に登った後に

帰ってきたら『長時間の駐車禁止』の張り紙をされていた。道の駅たからだの里でも、

あっちゃんが叱られたりして、段々と肩身が狭くなってきた。それ以降は道の駅ではなく、

貞光町から少し南に走った路肩が広場になった場所に車を停めて乗り合わせをする事にしている。

前日にはWOC登山部でも剣山に登っていて、その時の様子がFBにアップされていた。

その写真を見ると色付きはピークを迎えていたし、今日の天気は100%の晴れ!


予想通り見ノ越の駐車場は普段停めている立体の1階の駐車場には停められず、2階の

駐車場に。周りは四国のナンバーより四国外のナンバーの車が目立っていた。

8時45分見ノ越の駐車場をスタート。まだ陽の当らない駐車場は少しヒンヤリとしたが、

歩いて温もってくれば上着はいらない程度の肌感だった。駐車場の奥に見える丸笹山

南斜面には陽が当たって輝いていた。

いつものように劔神社の石段を登りきると既に身体は温まっていた。神社に参拝した後

登山道へと取り付いて行く。簡易宿泊所の横の日陰の温度計は5度を示していた。














劔神社から西島駅までの間は植生も豊かで道の脇には巨木が並んでいる。剣山の北面にあたる

この辺りはまだ陽が弱く薄暗い雰囲気が残っていた。それでも見上げると木々が色づいているのが

手に取るようにわかる。これだと陽が昇ってもっと光が届き始めたら期待できそうだ。










今日は気温の割にはほとんど無風の状態なので、まだ体感温度は高いように感じる。ただやはり

吐く息は白く、立ち止まると直ぐに汗が冷えてくる。笹の斜面に立つダケカンバの紅葉も、

日が当たってまずまず。















西島神社の大岩を過ぎるといつもの定点観測の場所。但し往路ではいつも逆光なので、見た目

通りのきれいな写真にはならない。レンズに陽が入らないように少し位置を変えてみると、

緑の葉が丁度額縁の様になって、山頂直下の紅葉が映える。








西島駅には見ノ越から45分ほどで着いた。予想していた通り青空の下遠くまで見渡せる。

休憩所のベンチの前から見る次郎笈は、稜線の登山道を境に陽の当たり具合で笹の色が

違って見える。三嶺がいつもより近くに見えた。そしてその奥には四国中央部の山々。














リフト駅の横からは右手に丸笹山、そして少し左手には塔ノ丸とその奥に矢筈山










西島駅からは刀掛けの松へではなく、予定通り二度見展望台への道を歩いて行く。

歩き始めると直ぐに、歩いて踏んでしまうのが気が引けるくらいの紅葉の絨毯。













いつになくこちらの登山道を歩く人の数が多い。時々追い越しながらその都度『きれいですね!』

と声を掛けてすれ違う。昨年、ルリちゃんの娘さんのマリリンと四人で歩いた時も、この間の

紅葉は素晴らしかった。今日も陽が当たり始めて益々輝き始めている。











振り返って御塔石の南側の紅葉も見頃の様だ。二度見展望台から次郎笈の稜線と北斜面の

紅葉。葉を落とした木々の中にオレンジ色のカエデの紅葉が目立っている。











二度見展望台から先の登山道でもカエデの色付きが見ごたえがある。そのオレンジ色と

同じ色付きの奥様たち。『ん、ひょっとして意識して今日着てきた?』








剣山山頂との分岐で一息入れる。山頂からも次々と降りてくる人の姿が見える。

ここで今日の折り返し地点の話をすると、時間的には予定より超過するが、

あっちゃんが『丸石まで行ってみましょう!』と。

YAMAPでコースタイムを見ると、ちょうどお昼が丸石辺りになりそうだ。




ここから次郎笈峠までの道は何度歩いても気持ちがいい。足を踏み出すたびに近づいて

くる次郎笈と、その手前で小さなピークに続くくねくねとした道。そして今日は文句なしの

青空と、すそ野に広がる彩。も~~~最高!



















次郎笈峠の手前の大岩が見えてきた。いつもならここから次郎笈峠を越えて山頂までが

踏ん張り所となるが、今日は次郎笈峠から気楽にトラバース。剣山の山肌では、アカリプタさんも

書かれていたが笹が枯れてミステリーサークルのようになっている。

これはササコナフキツノアブラムシの仕業によるものだと書かれていたが、その写真を見ると

まさしく白い粉を噴いたアブラムシガが写っていた。このアブラムシの写真を見てしまうと安易に

枯れた笹の中を歩けないと思ってしまう。







次郎笈峠からは丸石に向かってトラバース道を歩いて行く。次郎笈の北斜面。遮るもののない

笹の斜面からは、北に遠くの山々が見渡せる。東西に続く阿讃山脈が所々で峠で標高が

下がった奥に街並みが見える。東側の街並みは恐らく高松市だろうが、その西側に見える

手前におむすび山とその奥に山頂が比較的平らに見える山とさらに奥に見える市街地。

そのおむすび山と平らに見える山が同定できない。視力が抜群のルリちゃんが言うには、

その市街地にはビルが建っているのが見えると言う。歩いて行くと少しづつ角度が変わって

見える範囲も変わってくるので、度々立ち止まっては、あ~でもない、こ~でもないと

三人で勝手な推測をする。高松市以外でビル群が見えるとしたら丸亀市ぐらいかなと思う

のだが、それにしても平らに見える山とおむすび山が同定できない。

奥様二人は綾歌三座だと言うが、その手前におむすび山?と疑問が残る。こんな時にもっと

ズームの倍率のいいカメラだったらと、次の物欲が湧き始めた。

平らな山は『城山じゃないですか?』と奥様たちに言うと、そうなると『市街地は坂出から

丸亀?』と言う事になった。それなら平らな山の西側に見える市街地にあるビル群も、丸亀

なら肯ける。色々とそんな話をしている内にルリちゃんが『瀬戸大橋が見える!』と言い始めた。

さすが視力バツグンのルリちゃん。私のコンデジのズームより優秀だ。

となると手前のおむすび山は讃岐七富士の高鉢山かな?











その山座同定だけでなく、山裾に広がる彩りを眺めては度々立ち止まり、なかなか前に進まない。














すると登山道の脇に一本の紅葉したカエデの木が見えた。夏場だとほとんど気にならない木だが、

今日は笹の中の斜面にオレンジ色が映えて目立つ。反対方向から歩いてくる人達も、

そのカエデの前で立ち止まっては写真を撮っている。














孤高のカエデを過ぎてトラバース道を回り込むと、西からの次郎笈山頂への分岐に出た。

コースタイムでは次郎笈峠からこの分岐までは15分ほどだが、度々立ち止まったせいで

30分近くもかかってしまった。

ここからは更に西の三嶺への稜線が見渡せる。分岐から少し下がって行くと、今日のお目当ての

裏次郎の紅葉。期待してた通りに山肌のキャンパスに、少し太めの筆の穂先でオレンジ色の

絵の具を散りばめている。


















その裏次郎を振り返っては眺めながら丸石へと歩いて行くが、途中で立ち止まり過ぎて予定

していた12時までには着きそうもない。提案したあっちゃんに『時間がもう少しかかり

そうなので丸石は諦めて、この辺りでお昼にしませんか?』と声を掛けると、もう正午を前に

して当然あっちゃんは『ハイ!』と即答してきた。












丸石分岐に下がる手前で適当に場所を探してお昼ご飯にする。登山道の北側の笹の斜面に

丁度笹が刈られた様になった場所があったのでここで腰を降ろす。腰を降ろしても三嶺までの

稜線が眺められる絶好の場所。ランチタイムの場所としては今年に入って一番だったかもしれない。

今日はコンビニで買った来来亭のカップ麺。『背油こってり』と書かれた文字を見てあっちゃんに

『最近太ってきているんだから、少しは考えないと!』と窘められる。







笹のテラスからは立ち上がると更に絶景が広がっている。中東山から石立山の稜線、もちろん

塔ノ丸と祖谷系の山々そして三嶺!目を凝らすと三嶺の左横には天狗塚も見える。










テラスの後ろには白骨林。明るい空の青と笹の緑そして無機質な白骨林の白色が何とも言えない。

その白骨林の間からは剣山の西斜面。山頂近くから裾野に彩りが広がっている。











景色もお腹も満腹にしたところで見ノ越へと折り返して行く。こちら側から見る次郎笈は

剣山山頂から見る山容とはまた違った姿に見える。
















今の時間反対側からやってくる人たちは、ほとんどの人が三嶺への縦走だろう。見ると背中に

大きなザックを担いでいる。その内の一人の若者にあっちゃんが『どこまで行かれるの』と

声を掛けると、『今日は白髪の小屋までです』と答えてくれた。今日は暑くもなく寒くもなく、

そしてこの青空の様子だと、それはそれは白髪の小屋から見る星空は最高だろう。











昨日のネットにはこの穏やかに見える次郎笈から西側で女性が滑落したとニュースが流れていた。

山頂への分岐から西は滑落するような場所は見当たらない。山頂から分岐までの間で事故が

起きたのかもしれない。残念な事だが決して他人事ではない。特に急な下り坂では十分に

注意しながら下らないと・・・・・。

次郎笈のトラバース道を歩いて行くと、小さな尾根筋を回り込むたびに剣山が近づいてくる。







二度見展望台から派生する支尾根の斜面は、他の山肌とはまた違った色付きを見せている。







次郎笈峠から見る剣山からの道には、まだ結構な数の人が下ってきている人の姿が見える。

今日は山頂からの次郎笈への素晴らしい稜線の景色を、大勢の人が楽しんだ事だろう。













二度見展望台までのトラバース道の紅葉も光の加減で、朝よりもまた一段と色が冴えている。

そして展望台からの次郎笈の笹の山肌も、朝とは違った光沢を帯びた色に見える。














ここから西島駅までの道もオレンジ色に染まったプロムナード。また度々立ち止まってしまう。














そうかと思えば白い石灰岩の御塔石や石灰岩の中の登山道と、また違った顔を見せてくれる。








ここからは途中の紅葉の様子。

これだけ見られれば今年の紅葉狩りは今日で終了でも大満足だ!
















西島駅に着くとトイレ休憩したり、ベンチに腰掛けたりする大勢の人の姿があった。すると

休憩所の横のベンチに腰かけているご夫婦の姿があった。ご主人は下を見ながらデジカメで

写した写真をチェックしているのか顔は見えなかったが、その横に座っている奥さんの顔に

見覚えがある。近眼なので近づいて確認すると間違いない。『Kyoさん!』と声を掛けると

見上げた顔は10年近く前に会ったのが最後だったが、ほとんど変わらないKyoさんだった。

『どうしたん?今日は木曜日やで』と聞かれてたのが最初で、色々と話し込む。

この10年間の間でKyoさんは体調に色々苦労をされた話をしてくれた。そして

話によると来年は讃岐里山倶楽部の20周年になるそうだ。記念にまた集まりたいねと話を

して、また毎年の香川のメンバーでの忘年登山にも呼んで欲しいとも言われた。

せっかくの再開だったのに、残念な事に一緒に写真を撮るのを忘れてしまった。

『西島神社から遊歩道の方の紅葉もきれいだよ!』と教えてくれた後、我々より先に

下って行くお二人。




西島神社まで下って定点観測の場所から雲海荘下の紅葉に別れを告げる。そこから左下に

遊歩道へと下って行くと、Kyoさんと静御前が話をしてくれた通りカエデの紅葉が素晴らしい。

















さらにこの遊歩道はモミジやブナやシロモジなど植生が豊かな道。その分彩りも豊かだ。



















祖谷川源流の谷を過ぎると右手に巨木。上から下までのグラデーションが素晴らしい。

三人で立ち止まって『ハア~』とため息をつく。これを見られただけでも遠回りにはなる

この遊歩道を歩いてきた値打ちがあった。奥様たちも感心してずっと間見上げていた。




















後ろ髪をひかれながらグラデーションの巨木を後に、遊歩道の緩やかな下り坂を歩いて行く。

さすがにもう登ってくる人の姿はなかったが、リフトにはまだ登りのリフトに載っている人の

姿があった。











見ノ越では朝と比べると第二駐車場の車の数が圧倒的に増えていた。私たちもそれほど早い

時間に出発したわけではないが、意外とゆっくりめにスタートした人が多かったのだろう。

沿面距離10kmで予定した時刻を少しオーバーしたが、累積の標高差が700mとあまり

なかったせいで、ほとんど疲れもなかった。これならルリちゃんの明日からの遠征にも

影響はでないだろう。帰りの夫婦池までの途中で、車を停めて太郎と次郎に別れを告げて

今年の紅葉狩りは終了した。





最新の画像もっと見る

コメントを投稿