今年に入って水曜日はほとんど晴れの日が続いていたが、
2週間ほど前からどうやら周期が変わって雨の日が続いている。
今日も予報では雨模様だが、お昼前からの降り始めの予報なので、
何とかそれまでに兜岩からのアケボノツツジが見られないかと出かけてきた。
予想通り東平は歴史資料館の前に1台。奥の駐車場は空車状態だった。
幸いまだ雨は降っていなかったが、雨具を着こみスタートする。
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駐車場から小女郎川に沿って歩いて行くと第三通洞のある広場に出る。
広場の上にはレンガ造りの旧東平第三変電所がある。この変電所は
遠登志水力発電所(鹿森ダム付近)から送電されてきた電力の電圧調整と明治38年(1905)に
第三通洞に電車が導入されたことに伴い、その電車用に直流変換するために設置されたものとされている。
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変電所から一本松停車場までは九十九折れの道が続いていく。
雨具を着こんでいるせいか直ぐに汗が噴き出てきた。
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一本松停車場は上部鉄道の中間地点で、索道と呼ばれる
ロープウェイに吊るしたゴンドラに鉱石を積み替えて東平まで運んでいた場所だ。
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一本松からは上部鉄道跡のほぼ水平な道。道の両側には石垣が続き、よくこんな山の中で
わずか一年余りで鉄道を開通させたのには驚かさられる。
しばらく歩くと裏谷の橋脚が残る場所に出た。橋脚に架けられた
木製の橋は朽ちていて、ロープが張られて今は通ることができない。
ここであっちゃんとルリちゃんに、機関車が渡っていた橋ですよと説明。
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一旦谷に降りて左岸に渡って更に鉄道跡を進んで行くと、切通しが大きく崩れた場所を通ると
次に七釜谷の橋脚があった。
石積みの上にはレンガが積まれ橋の土台が両側に残り、橋脚の足元の川床は水によって
えぐられて橋脚が崩れないように石が敷き詰められている。
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七釜谷を過ぎても小さな谷に橋脚だけが残っていたり、足場の板がかかっている。
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しばらくすると道の脇から兜岩への分岐の道になる。
今までのほぼ平坦な道から、また九十九折れの道になる。
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少し雨が降り始め今まで乾いていた足元の土も濡れ始めた。
いつも大岩からは北面のアケボノツツジがいつもは見られるが、既にガスで隠れてしまっている。
尾根に近づいてくると更にガスは酷くなってきて、前を歩く二人の姿も霞始めた。
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途中、所々でアケボノツツジが咲いている。谷の反対の西赤石山の北面にも
ガスで霞んでいるがけっこう咲いているのが確認できる。
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尾根に出てスズタケが現れると兜岩はすぐそこ。道に岩が現れるとテープにつられて
二人が左上の岩に取り付いている。ここから兜岩に登るより、真っすぐ進んで
西赤石山との鞍部から岩に取り付いた方が簡単なので二人を呼び戻す。
鞍部から大岩を二つほど登ると、東平から2時間20分で兜岩の展望台に着いた。
残念ながら周りは真っ白な世界。帰ってYAMAPにアップされていた同じ場所から
2時間前の写真は、まだガスもかかっていなくてきれいに北斜面のアケボノツツジが見えている。
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小さな雨粒が降り始め、手先が冷たくなってきたので、少し行動食を口に入れ
直ぐに西赤石山へアタックを開始。例年ならここからはアケボノツツジロードとなるが
数メートル先は真っ白で、何本かの花が目につく程度だった。
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梯子を登り、ロープのある急登を登ると山頂に着いた。
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山頂はもちろん眺望はなかったが、南からの突風で体重の軽い二人はふらついている。
出来れば銅山越えまで歩いて先週からの続きを線で繋ぎたかったが、
ここからしばらくは稜線歩きで、風がまともに当たると思い、計画を断念。
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ロープ場で何度か足を滑らせながらも鞍部まで下って行く。
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鞍部からあとは下って行くだけ。時折谷あいを吹き上げてくる風が強まる。
途中で兜岩までで引き返した第二班と合流。
樹林帯に入ると雨風の心配はなくなり、上部鉄道まで下って行く。
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分岐から二人が左に曲がって少し角石原へと散策に歩いて行った。
その間ヤモッチと二人で行動食を口に入れる。
山頂近くでかかっていたガスも少し薄まり、上部鉄道の平坦な道は
雨に濡れた薄緑色の新緑が眩しい。七釜谷の橋脚の間から見える木々も
少し明るくなってきて光が当たって輝いている。ここで『本当にすごいね、ここを機関車が
走っていたなんて』と言うと、『えっ。そうなん?』とあっちゃん。
『奥様、朝から何度もこの道が鉄道跡だと説明しましたよ!』
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山の反対側の旧別子で採掘された銅鉱石は長く人力で先週歩いた道を銅山越を
通って運ばれていたが、約3年の歳月をかけて最初の第一通洞が完成した。
その北側の出口になる角石原から5.5kmを石ケ山丈まで、この上部鉄道を
使って蒸気機関車で運ばれるようになり、更にその下の第三通洞が東平まで開通すると
上部鉄道の役割は終わり、廃線になったという。その歴史の移り変わりと、
今も残る石垣や切通の跡を、活気のあった当時に思いをはせながら歩いて行く。
時々その石垣を覗き込んでみるがかなりの高さの場所もあり、しかもその石垣は
数キロに渡って続いている。旧別子とこの上部鉄道、そして東平から新居浜にかけて
これだけの遺跡が残るこの山域は他の国内の世界遺産と比べても引けをとらないと
思ってしまうのは私だけだろうか。
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詳しくは住友グループの別子銅山のホームページで。
一本松から東平までは往路に比べるとあっという間に着いた。
変電所跡を覗いて見ると、洋風の建物は変電所らしからぬ装飾窓があり、
中にはかまどやお風呂やトイレもあり、生活感が漂っている。
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駐車場はやはり我々の車だけが、小雨の中静かに佇んでいた。
雨具から着替え、今日はここで解散し帰路につく。
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