里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

水墨画「茄子」色んな形のナス

2022年09月18日 | 水墨画:菜果
さ本画仙 色紙  

今年はナスの勢いが衰えず、盛んに穫れ続けています。
我が家で作っているナスは中長なすの「くろべえ」と言う品種ですが、ナスには色んな形のナスがあります。
いくつか水墨で描いてみました。殆ど一筆か二筆、線描きをちょっと加えただけです。
最も長大な大長なすの代表的な品種が「庄屋大長」。当県でも作っているところがあります。小生は作ったことはありませんが、軟らかく美味しいという評判です。
次いで、いわゆる長なすでは、「黒陽」「 筑陽」がよく知られています。タキイ種苗では太長ナスと表現しているようです。
このタイプのナスは西日本では一般的ですが 、東日本ではあまり作られません。当地方でも店で見ることは殆どありません。
当地方で長なすという場合は「仙台長なす」で代表される小さなナスで一般には小茄子と言われています。
名産「仙台長なす漬け」は当地方伝統の漬物です。
小茄子には対照的な形の丸なすがあり、山形の「民田茄子」が有名。
「民田茄子」の辛子漬けは小生の好物です。
最も多いのが中長なすから卵形のナス。長なすと丸なすの中間と言うことになりますか。
代表的な千両ナスはタキイ種苗では長卵形と表現しています。
我が家で作っている「くろべえ」は渡辺採種場の中長なす品種。各種苗会社多くの品種があります。
水ナスも形としてはこの形に近いながらふっくらしています。
「賀茂なす」はじめ丸ナスは各地に多くの在来種が見られます。
ヘタが緑でトゲが鋭い大ぶりの「米ナス」。
以前は我が家でもよく作っていました。ボリュームがあって焼きナスに最適なのですが、穫れ方が少なく今は止めています。
色も白、赤、緑など変わったナスが多々見られます。


水墨画「胡瓜とトマト」

2022年09月04日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙  

夏秋野菜の代表と言えばキュウリとトマトが双璧と言っていいと思います。
調べた訳ではないものの、市場での取扱金額も夏秋期の野菜ではトップ2ではないでしょうか。
令和の時代になり、小生の頭も相当古くなっていますが、昔は確かにそうだったような。
キュウリとトマトの位置付けも時代とともに変化しました。
昭和の時代にはキュウリがトップの座に君臨していました。夏場には当地方からも京浜市場にトラックが何台も連ねて出荷されたものです。
平成の時代になるとトマトがトップの座を占めるようになりました。
消費者の嗜好が変わり、漬物などの需要は減少、生食の需要が増加したからでしょう。
キュウリの漬物も多くは浅漬け、個人で塩蔵し長く漬け込むことは稀な時代となりました。
品種や生産体制も変化しましたが、キュウリとトマトが中核であることには変わりがありません。
自家菜園でも夏場ならキュウリとトマト(ミニ、中玉を含む)を外すことはまずないでしょう。
歯切れの良い穫りがけのキュウリや真っ赤に熟したトマトの味は格別。
ただし、画にするときには形が良いものより多少ヘボ気味の方が画になります。



水墨画「ブルーベリー」

2022年07月18日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙  

今年は2年ぶりにまともなブルーベリーが穫れました。
暑い夏には甘酸っぱいブルーベリーは心地よく感じられます。
たわわに成った枝はいかにも重たそうに垂れ下がります。
熟した実は全体が黒に近いほどの濃い青紫になるので完熟したかどうかの見極めは容易。
未熟な実は青色から次第に紫色へと変化していきます。
小さな実ながら、花落ちしたその先端は特徴的な形をしており、面白い。
ブルーベリーを水墨で描いてみました。
小さな実だけでは画になりませんが、枝葉とマッチングすると画になる作物と分ります。




水墨画「大麦」

2022年06月16日 | 水墨画:菜果
画仙紙 半切1/3 

麦秋と言う言葉が何とも良い響きに感じられます。
当地方では、まさに今です。
時折通る道筋に大麦を大規模に集団栽培しているところがあります。
バックには雄大な蔵王連峰が遠望できる絶景ポイントです。
長年、麦秋と蔵王連峰のコラボのベストショットを撮りたいと思っていますが、会心作は実現できていません。
今年もチャンスはありませんでした。
もっとも、狙ってではなく、たまたま通りかかった時にしか撮らないので無理としたものでしょう。
今年は、生産者の方々も大変だろうと思います。
収穫間近にして不良天候が続き、大雨で倒伏したところが多かったからです。
過日、通った時のもの。好天に恵まれれば蔵王連峰が望めます。


かつて、この地をモチーフに水墨の風景画を描いたことがあります。
大麦でも、正確に言えば6条大麦。粒が6列に規則正しく並んだ穂に長い芒(ノゲ)。
画になる作物です。



水墨画「そら豆」

2022年06月10日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙 

そら豆は初夏を呼ぶ食物と言えるでしょうか。
少なくとも、昔は東京ではそう呼ばれていたとうろ覚えの記憶があります。
5月の大相撲夏場所を観ながら、そら豆を摘まむのが初夏の風物詩と確か聞いたような。
もっとも、大産地の鹿児島は真冬から出荷されるので、今は通用しないのかもしれません。
今年しばらくぶりでそら豆を作りました。当地方も昔からそら豆の産地になっています。
小生はそら豆は蚕豆と教わりましたが、今は空豆の方が一般的なのでしょうか。
蚕豆は莢の形が蚕の繭に似るところから付けられた当て字ですから、知らなければ分るはずもありません。
空豆はそのまま読めるので誰でも分りやすいことは間違いない。
しかし、莢が空を向いて着くので空豆というのは、後付けにすぎないと感じますが如何でしょう。


水墨画「アスパラガス」

2022年05月28日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙  

アスパラガスは畑作物の中でも春の息吹を感じさせる作物です。
地中からニョキニョキと伸び出す姿は、いかにも陽春をイメージさせます。
我が家でもアスパラガスを作っていました。過去形ですが。
10数年の長期にわたり沢山収穫し、老化もしたので別な場所に新植しました。
本来ならこれから最盛期になるはずの数年経ったところで駄目になりました。
畑を変え再度植えてみたものの結果は同じ。原因は茎枯れ病です。
粘土質の排水が悪い畑では多発するようで、その後暫く中断しています。
そんな訳で、これは助っ人が大型の鉢植えにしたもの。ポット播きし植え替えて3年目。


しかし、鉢植えでは根が制限されるため太くて充実したアスパラガスを穫ることは難しい。
場所を考えながら再挑戦してみようかと思案しているところです。




水墨画「バナナとパイナップル」

2022年03月23日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙  


バナナとパイナップルを水墨画で描いてみました。
小生のイメージでは、輸入果物の代表と言えばバナナとパイナップルでしょうか。
幼少の頃は、ともに大変な高級品で、滅多に御相伴に与ることはありませんでした。
我が家でも種籾を水漬けし、いよいよ今年の米作りがスタートしました。
子供の頃の米作りというと殆どが手作業。田植えはもちろん手植えです。
多くの人に集まってもらい、苗代の苗を引き、そして大勢が並んで植えたものでした。
田植えの時期には人の奪い合いのような事態が生じることもあります。
そんな時、すんなり人を集めるにはおやつにパンとバナナが欠かせないなどと言われたものでした。
調べた訳ではありませんが、当時と現在のバナナの値段は大して変わらないのではないでしょうか。
輸入自由化以前で、為替レートが1ドル360円の固定相場の時代ですから、輸入品はとんでもない高いものだったわけです。
そんなことを体験している人間も少数派になり、馬鹿にされるのがオチではありますが。
何しろ、最近は1ドル120円になり円安と言われる時代です。








菜果の水墨・墨彩画集

2022年03月02日 | 水墨画:菜果

菜果の水墨画、墨彩画を画集としてフォトチャンネルにまとめました。

菜果の水墨・墨彩画集

これまで、野菜や果物に加え山菜やキノコなどを水墨画、墨彩画で描き記録したものが100枚に達しました。
フォトチャンネルの制限枚数は100枚なので、これを機会に拙い画ながらも画集の形にしてみたものです。
題名だけで、説明はしていません(左側の最新フォトチャンネル参照)。
季節ごとに、自ら作っている野菜や果物、山菜などごく身近な菜果を描いています。
それ故に同じ画題を繰り返し描くとも多々ありました。
次は新たに101枚目からのスタートになります。
これからは少しでも画題の範囲を広げるよう心がけるつもりです。
また、風景等についても沢山描くことは難しいですが、記録に留め置くよう努めたいと思っています。


水墨画「蕗のとうと土筆」

2022年03月01日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙  


蕗のとうと土筆を水墨画で描きました。
今、この辺りの蕗のとうがちょうど採り頃。
里山では土筆もまた早春の風物詩かもしれません。
土筆は土からちょっとだけ頭を出していますが、伸び出すのはもっと先です。
ですから蕗のとうと土筆がこのようなコラボをすることは実際場面ではないでしょう。
同じ場所に出ることもあまりなさそうです。
蕗のとうも土筆も地下茎からいきなり地上に出て来ることについては共通しています。
言うまでもなくスギナの地下茎から伸びて来るのが土筆。
春の山菜として土筆を食する所もあるようですが、当地方にはそのような習慣はありません。
我が家の土手には目を瞑っても採れるほど一面に出る所があります。
どんな味がするのか興味はあるものの、小生は未だ実際に食した経験はありません。


水墨画「いも3種(ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ)」

2022年02月23日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙  

いも3種を水墨画で描きました。
いも類の代表的な3種、ジャガイモ、サツマイモ、サトイモです。
いも類はいずれも貯蔵に向きますが、我が家で今残っているのはジャガイモだけになりました。
ジャガイモのモチーフは男爵イモ。
かつては何種か作りました。それでも、結局のところ汎用性があって貯蔵のきく無難な男爵イモです。
サツマイモはベニアズマ。
サツマイモも近年は様々な品種が出ています。小生はサツマイモをあまり食さないので、よく分かっていません。
サトイモは土垂。
実は作っているのは蔵王いもと言う名で売られているもの。
多分、石川早生系のサトイモだろうと思います。
以前、長く自家採種で作ってきたのが土垂です。小振りながら粘り、とろみが強く美味しい。
残念ながら種を絶やしてしまいました。



水墨画「大根と白菜」

2022年02月12日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙 

冬場の野菜と言えば、誰しもまず大根と白菜を一、二に挙げるのではないでしょうか。
正に双璧と言っていい、秋冬期の代表的な野菜です。
生食の大根は青首全盛の時代。その先駆的品種がタキイ種苗の「耐病総太り」です。
すでに40年以上経過していると思いますが、青首でなければ大根にあらずのごとき大ブームを創出しました。
青首が美味いダイコンの代名詞になり、今では春大根さえ殆どが青首になってしまいました。
小生も「耐病総太り」を未だ作り続けています。変える理由がないのです。
白菜はと言えば黄芯系全盛の時代。
元々白菜の芯は黄色ですが、それが近年は表皮近くの葉まで黄色になっています。
いかにも軟らかそうで美味いイメージが定着しました。
特に店でカットされて売られる白菜も多くなり、見栄えが優ります。
遠く戦前の話し、当県の仙台白菜(松島白菜)は全国一の大産地として栄えた時代があったのです。
その先駆者が渡辺採種場(株)の創業者渡辺頴二氏です。
松島の離島で採種することによって交雑を防ぐ技術を開発、高品質な結球白菜「松島純二号」を誕生させます。
さらに「松島新二号」を育成し、「松島白菜」は白菜の代名詞ともなりました。
今、これらの先駆的品種を伝統野菜として蘇らせる活動が有志によって熱心に取り組まれています。



水墨画「キャベツ」

2022年02月03日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙 

今、収穫している冬キャベツを水墨画で描いてみました。
結球の周囲に外葉を数枚付けた姿ですが、残念ながら不満の残る出来映えとなりました。
キャベツには葉の中心に太く白い葉脈があり、そこから血管のように枝分かれしていきます。
太い葉脈を白抜きしようとドーサ液を使ってみましたが、うまく効果が出ませんでした。
キャベツは一年中途絶えることなく最も多く出回る野菜と言って良いでしょう。
しかも全て露地物で春夏秋冬それぞれに旬があると言って良い野菜です。
今穫っているキャベツはこの辺りでは寒玉と言われ、真冬が旬。
雪中でも穫ります。多少硬いとはいえ甘味と旨味は一年中で最も強い。
春になれば軟らかい旬の新キャベツが味わえます。
高冷地では真夏が旬。夏キャベツは大産地の独壇場となり全国に出回ります。
秋冬期になれば何処でも一番作りやすく、旬の中の旬と言えるでしょうか。


水墨画「人参と葱」

2022年01月23日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙 

ニンジンとネギは秋冬期の代表的な野菜です。
中でも厳寒期の今が最も美味しいと言って良いでしょう。
強い低温から身を守ろうと体内糖度を高めるため甘味が増します。
元が甘いニンジンは、果物並みの糖度にまで高まります。
皆が、甘い甘いと異口同音に言うのも当然でしょう。
しかし、旨くなるのは糖度が高まるためだけではないはずです。
その野菜そのものが持つ旨味、ビタミンやミネラルなどあらゆる成分が濃縮されるからでしょう。
また、柔らかさや歯触りなど味以外のものも旨さに関係しています。
最近、テレビを見ていると、旨い=甘いが同義語のように使われているように感じます。
食レポなどでは、甘いの連発で、さして甘味を求められない作物にまで「甘い甘い」。
甘さ以外に作物本来の持つ旨さを伝える表現がないのかと思ってしまいます。







水墨画「ブロッコリー」

2022年01月12日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙 

ブロッコリーを水墨画で描きました。
ブロッコリーは水墨では余り描きたくない題材です。描く人も殆ど見かけません。
まして、葉付きのブロッコリーを描くことはまずないでしょう。
小さい紙では余白ができずバランスが良くありませんが、敢えて描いてみました。
今やブロッコリーは年中店に出回り、知らぬ人がいないメジャー級の野菜となりました。
しかし、どんな風にできているかは知らない人の方がはるかに多いことでしょう。
大きな葉を付けた茎の先に花芽が出来、生長して花蕾となります。
これが頂花蕾で直径10数センチ。売り物にするには10センチは必要です。
さらにわき芽が伸びて、その茎の先にも花芽が着きます。これが側花蕾。
普通、側花蕾は小さいものは1、2センチ、大きいもので数センチ。
自家用には重宝ですが、これでは普通の店では売り物になりません。
ところが、上手く作ると頂花蕾並の10センチ以上になるのです。
小生は頂花蕾並の側花蕾を穫ることを目標にしています。昨年は軒並みそんな側花蕾ができました。
残念ながら、今年は殆どできませんでした。ぜひ再現したい。


水墨画「青梗菜」

2022年01月06日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙 


チンゲンサイを水墨画で描きました。
いわゆる中国野菜は、今ではすっかり日本に定着した印象です。
中でもチンゲンサイは、その代表的な野菜の一つでしょう。
よく似ている中国野菜にパクチョイがあります。
パクチョイは漢字で書けば白菜。
ハクサイと同じで紛らわしく、専ら表示はやはりパクチョイ。
日本に昔からある葉柄が白い体菜類と同じ姿です。
当初は、パクチョイの方がチンゲンサイより名が通っていました。
それで、葉柄が緑のチンゲンサイは青軸パクチョイと呼ばれていました。
ところが、次第にチンゲンサイの方が沢山出回り、知られるようになりました。
一方、パクチョイはすっかり影に隠れ、見かけなくなってしまいました。
やはり、葉柄も緑の方がイメージが良いので自然の流れだったのでしょう。
チンゲンサイは漢字で書けば青梗菜。
青軸パクチョイと言われたのは、過去ものとなりました。
ところで、今年は水墨画の記録をシンプルなタイトルにすることにしました。
また、これまでその時々の身近にある題材に多少拘ってきましたが、少し範囲を広げようかと思います。
テンプレートも変更しようかと考えましたが、しっくりこず当面このままにします。