里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

かき菜の収穫が始まり茎立ち菜が出揃う

2022年03月31日 | 畑:花菜類

「かき菜」の収穫を始めました。
すでにわき芽がたくさん出ています。


茎立ち菜として作っているのは「仙台雪菜」「かき菜」「三陸つぼみ菜」の3種。
何れも10月19日に直播き。
「かき菜」の収穫は、最も早い「三陸つぼみ菜」より2週間少々の遅れ。
「仙台雪菜」とは僅かの違いしかありません。


例年なら「仙台雪菜」とは1週間ほどの違いがあるので、今年は差が少ない。
この「かき菜」がナバナ類としての最後。
これで茎立ち菜(とう立ち菜)として作っている3種が全て揃いました。
何れも昨年より1週間から10日は遅れており、確かに厳冬の影響が明確です。
しかし、近年が暖冬傾向だったのであって、これが普通と考えるべきなのかもしれません。
「かき菜」は北関東の在来アブラナの一種。


その名の通り、花芽が伸びてくる茎葉を掻き取って収穫します。
ナバナ類の一種でありながら、菜の花が見えるようになる前の若い茎葉を食べます。
知らなければ単なる葉物のように見えるかもしれません。
同様の在来アブラナは全国各地に見られます。
トウが伸びてきても花芽はなかなか見えてきません。
蕾が大きくなってから穫るのでは遅く、硬くなり美味しくありません。


最も早くから収穫が始まった「三陸つぼみ菜」より2週間ほど遅い。
しかし、この違いは収穫のピークをずらす上では、むしろ好都合とも言えます。
「つぼみ菜」はその名の通り蕾が見えてから収穫しても軟らかい。
それに比べ「かき菜」はさらに早く蕾が見え始めるくらいまでに穫らないといけません。
この3種の中では、「かき菜」が最も丈夫で作りやすい。


「かき菜」も一般より早めに播いて大株にします。その方がわき芽も多くなり沢山穫れます。
「かき菜」は生育が旺盛。
主枝の茎は太いですが、若いので軟らかく、美味しく食べられます。
すでにわき芽が主枝と区別がつかないくらい伸びてきた株もあります。


花芽は隠れてよく見えません。


よくよく目を凝らしてみると辛うじて確認できます。このくらいのうちに穫るのがベスト。


この後は一気に盛りになることが予想されます。
こちらは「仙台雪菜」。今年は「かき菜」と収穫期が殆ど変わらなくなりました。


こちらは「三陸つぼみ菜」。


収穫開始から2週間ほど経ち、すでに主枝の収穫は終わってわき芽の盛り。
全体的に茎が細身になってきました。
「かき菜」と「三陸つぼみ菜」はよく似ています。穫ったものを並べて比較してみます。


右が「かき菜」左が「三陸つぼみ菜」。
「三陸つぼみ菜」はわき芽のせいもありますが、「かき菜」の方が大柄です。
ともに穫ったときは葉色が淡く見えても、湯がくと濃い緑になります。


我が家の大樹②~欅(けやき)

2022年03月30日 | 大樹と古木

我が家の大樹2回目は欅。
前記したように、大樹については正式な定義とは関係ありません。
我が家の大きな木を明らかにしておくため、あくまで小生が勝手に決めたものです。
正確な計測は一人では困難なので、根元周りの大まかな計測です。一部だけは胸付近の幹周りも計測。
欅はこの辺りの山林にごく普通に見られる天然の落葉樹です。
また、当県の県木にもなっている馴染みの樹木でもあります。
とはいっても、杉やナラ、クヌギなどの広葉樹のように多数あるわけではありません。
ここは自宅近くで、孟宗竹の中に欅が何本かまとまっています。


欅は生長すれば大木になるため、目立つ存在です。
これが我が家で最も大きな欅。


この周囲には何本か欅がありますが、他を圧する存在です。


欅は公園や街路樹などにも植えられますが、ほとんど下位の方から枝分かれしています。
そのため建材としての利用価値はないものが多い。
主幹が長くなければ材としての価値がありません。
この欅は主幹が長く、小生の贔屓目かもしれませんが、惚れ惚れする欅です。


根元回りを計測して見ると約380㎝。


胸付近の幹周りは約290㎝でした。
大人二人でなら楽に抱き抱えられる太さです。
この欅は幼少の頃にはすでに大木だったので、樹齢100数十年くらいは経っていると推測していました。
たまたま林業家の知人が付き合いのある木材市場の社長と見てくれたようです。
それによると意外にも100年強といった見立てでした。
こちらは近くにある2番目に大きい欅。


こちらの方が樹齢は古いという見立てです。

こちらの根元回りは約3m。


樹齢は太さだけでは計れないようです。専門家の見方は違います。
なるほど、こちらは皮が剥げ落ち老木化しているようにも見えます。


確かに生育の条件は前者の方が良いのは間違いありません。
こちらは周囲の欅。


根元回りは約220㎝。


このくらいの欅が多い。
これは別の場所。欅が何本かまとまって立っています。


何れも結構な太さになってはいます。

しかし、いかにも肌が若い。

この場所はこのような若い欅が多い。

将来は楽しみです。


この辺りで最も古いのがこの欅。


脇の杉の木を抱きかかえるように伸びています。
こちらは皮がかなり剥げ落ちています。
欅は柱などの建材に使われ、木目が緻密で肌がなめらか、光沢があり綺麗です。
これは60年ほど前、改築した折りに立った6寸角の欅の柱。


かなり年季が入っていますが、味わいがあります。


かつて欅は銘木として珍重された時代もありましたが、今はそんなこともなくなったのかもしれません。
もっとも、清水寺の舞台を支える欅の柱は樹齢300年以上と言いますから、我が家の欅は足下にも及びません。


仙台雪菜の茎立ち菜がようやく穫れる

2022年03月29日 | 畑:花菜類

「仙台雪菜」の茎立ち菜がようやく穫れるようになりました。
昨年より10日は遅れています。


我が家で作っている茎立ち菜(とう立ち菜)は「仙台雪菜」「かき菜」「三陸つぼみ菜」の3種。
何れも10月19日に直播きしたもの。
「仙台雪菜」は「三陸つぼみ菜」より2週間遅れの収穫開始です。昨年よりも間隔が開いています。
まだ、全ての株が穫れるまでには至っていません。この辺りはトウの伸びの早いところ。


「仙台雪菜」は、当地方のいわゆる伝統野菜で、そもそもは葉物として作られます。
我が家ではトウがおいしいので、茎立ち菜として作っています。
仙台雪菜は交配種ではないため種がやや雑駁で、綺麗な姿には揃わないことが多い。
茎立ち菜3種の中では一番弱く作りにくいものの、今年の厳冬のことを考えるとまずまずの生育状態です。
 

この辺りはわき芽も穫れ出しました。


この辺りは遅れていて、まだトウの伸び出しが不十分。


全体的には大株になっているので、量的には多く穫れそうです。
我が家では一般よりも早まきして大株に育てるようにしています。その方が花芽の数が多くなり沢山穫れます。


今年の厳冬下で下葉の枯れは多少出たものの、大した問題になりませんでした。
「仙台雪菜」の茎立ち菜は花が咲くようになってからでも軟らかく美味しく食べられます。
しかし、主枝は花芽が小さくあまりトウが伸びないうちに摘芯し、わき芽を伸ばした方がよい。


主枝を摘むと、このように沢山のわき芽が伸び出します。


「仙台雪菜」は葉が濃緑で肉厚、茎も軟らかく大変美味しい。
こちらは「三陸つぼみ菜」。


穫り始めて2週間ほど。収穫が盛りになってきました。
こちらは「かき菜」。


かなりトウは伸びてきました。近日中に収穫できる状態になっています。
穫った「仙台雪菜」と「三陸つぼみ菜」を比べてみます。
右が「仙台雪菜」、左が「三陸つぼみ菜」。姿の違いが明確に分ります。




我が家の大樹①~杉

2022年03月28日 | 大樹と古木

里山には、当然ながら山林があります。
そして、長い年月を掛け生長し、大きくなった樹木があります。
何度か山に入り、写真を撮りつつ若干の計測を行いました。
ここで、我が家の大樹について、記録しておくことにしました。
樹種ごとに何回かに分け記すことにします。
大きな木のことを大木、巨木、巨樹などと呼びますが、ここでは大樹としました。
なお、環境省では巨樹調査を行っており、対象を地上から約130㎝の位置での幹周が300cm以上の木としています。
しかし、ここではそれとは全く無関係。
あくまで小生が勝手に決め、我が家の大きな木を明らかにし、記録しておくことが目的です。
計測は一人では正確にはできないため、あくまで目安。根元の大まかな計測です。一部は胸付近の幹周りも計りました。
まずは最も主要な樹種の杉。
ここは我が家のすぐ裏手の山林。


天然杉と人工杉(植林)が混在しているようですが、特に大きな木は多分天然杉。
多分という意味は、小生が物心ついてから植林されたものはなく、それ以前のことについては確証がないからです。
この山林の一部は過去に伐採され、約60年前、約40年前の自宅の改築や作業場の建材となりました。
一番の大樹がこの杉。

周りの杉を圧しています。


根元周り約370㎝。


胸付近の幹周りは280㎝でした。
幼少の頃、御神木として扱っていたのがこの杉の木だったはず。
樹齢の推定方法もあるようですが、勝手に120~130年にはなるだろうと思っています。
ちなみに入口のこの杉。

根元周り約290㎝、胸付近の幹周りは約2mでした。この周囲はこのくらいの杉が最も多い。


次に太いと思われるのがこの杉。




根元周り約320㎝。


この周囲にはこれに近い杉が多い。





この木の根元周りも約320㎝。



この木もほぼ同じ。

これは自宅から大分離れた山林にある杉。


計測はしませんでしたが、こちらも同じくらい。


杉は築130年の我が家の主要な部分に使われています。
この鴨居は建てられた当時のもの。改築時に表面だけ薄く削られました。


杉板の帯戸は約60年前の改築時のもの。


この辺りでは、杉は実用上最も主要な樹種になっています。
当地方では植林されている木も大半が杉で、昭和30年代に多くの山に植えられました。


水墨画「菜の花」

2022年03月27日 | 水墨画:草花
画仙紙 半切1/3   
 

アブラナ科植物のトウが花を咲かせれば大概は菜の花と言って間違いではないでしょう。
別名は十字花科。文字通り花弁が4枚で十字の花です。
菜の花として生花用に作られるもの、野菜のナバナやトウ立ち菜として作られるもの、自然の野に咲く菜の花まで、様々あります。
しかし、それぞれ葉や花には微妙な違いがあります。
微妙というのは語弊があるかもしれません。形が大きく異なることもあります。
いわゆる菜の花の付き方には密なもの粗なもの、多数のわき芽が出て多くの花を咲かせるものなど。
葉も濃緑なものから黄緑色のもの、肌の滑らかなものや多くの縮みがあるもの等々。
油絞り用の菜種は、目的が目的だけに体は大きく花数も多い。
幼少の頃、我が家でも二毛作で菜種を作っていました。
今回描いたモチーフは花屋さんに出ている生花用の菜の花。
花が小振りで、葉には縮みがあり細身、太めの中ろくがあります。